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“負けたら終わり”の決勝Tがスタート…EURO2020ラウンド16の注目ポイント<26日・27日開催分>

2021.06.26

EURO2020の決勝トーナメントが始まる [写真]=Getty Images

 EURO2020は、23日までにグループステージの全日程を消化した。大きなサプライズはなかったが、期待以上の成果をあげた国もあった。26日からは、“負けたら終わり”の決勝トーナメントがスタートする。一発勝負の戦いでは、わずかなディテールの差が勝敗を分けることになるだろう。

 カナダのスポーツ専門チャンネル『Sportsnet』は、グループステージのデータを交えながら各試合の注目ポイントを列挙。ここでは、26日と27日に行われる4試合のポイントを紹介しよう。

[写真]=Getty Images

■26日 ウェールズ対デンマーク

 決勝トーナメントの幕開けを告げる一戦は、「最もハイテンションな試合が期待できる」という。データ会社『Opta』によると、ウェールズとデンマークはボールを前進させるスピードが決勝トーナメントに勝ち進んだ16カ国の中で最も速い。攻守の入れ替わりが激しく、見ているものを飽きさせないゲームが期待できるそうだ。

 キーマンとして挙げられているのは、ウェールズがアーロン・ラムジー、デンマークがピエール・エミール・ホイビュルクである。特に後者は、オープンプレーからのチャンス創出回数(25)が今大会の出場選手で最も多いという。

 一方、ラムジーはゴール期待値(xG)がウェールズの中で最も高い(1.64)。復調を感じさせるギャレス・ベイルとの連携プレーは最大の武器であり、グループステージで無敵を誇ったイタリアをも慌てさせた。注目度はそこまで高くないかもしれないが、かなりの好ゲームが期待できる。

■26日 イタリア対オーストリア

 イタリアは、グループステージ3戦3勝。7得点0失点と、攻守においてパーフェクトな内容を披露した。もしかしたら優勝もあるのではないか――そんな期待を抱くファンも多そうだ。オーストリアも悪いチームではないが、彼らにとってはかなり難易度の高いゲームと言えるだろう。

 だが『Sportsnet』は、イタリアにも“アキレス腱”があると指摘する。

 それがイタリアから見て左サイド、レオナルド・スピナッツォーラの背後のスペースにあるという。グループステージでは相手を押し込んだ状況が長く続いたため、大きなピンチを招くことはなかったが、スピナッツォーラはかなり高いポジションを取るため、後方にスペースが生じやすい。オーストリアは深い位置からのカウンターを得意としており、『Opta』のデータを見ても、イタリアと同等の成果をあげているため、彼らにもチャンスは十分にあるというのだ。

 イタリアが相手のカウンター攻撃へのケアを怠るようなことがあれば、痛い目にあうかもしれない。

■27日 オランダ対チェコ

 イタリア同様、グループステージ3連勝を達成したオランダ。腕章を巻くジョルジニオ・ワイナルドゥムの活躍が目を引いたが、DFながら2ゴールを叩き出したデンゼル・ダンフリースのプレーこそ注目に値すると『Sportsnet』は記事を綴る。

 3バックを採用するオランダで、ダンフリースは右ウイングバックを担当。高い得点力に加えて、自陣深い位置から相手ゴール前まで出ていく推進力や突破力もチームの武器となっていた。

 だからこそ、チェコの左サイドバックを担当するヤン・ボジルは重要な役割を担うと『Sportsnet』は予想する。彼の前に立つヤクブ・ヤンクトやボランチのトーマス・トマーシュ・ソウチェクと協力してダンフリースの自由を奪い、彼の背後のスペースを効果的に突くことができるかどうかが勝敗の鍵を握るという。

■27日 ベルギー対ポルトガル

 この試合では、今季インテルをセリエA優勝に導いたロメル・ルカクと、プレミアリーグの年間MVPに輝いたルベン・ディアスがピッチ上で相まみえる。今大会屈指のデュエルが繰り広げられるのは間違いないだろう。

 では、「クリスティアーノ・ロナウドとマッチアップするDFは?」と、『Sportsnet』は問いかける。ベルギーの中盤から前線にかけては豪華メンバーが顔を揃えるが、最終ラインは主力の高齢化が進み、ヴァンサン・コンパニが引退したあと、3バックの中央を安心して任せられる選手がいない。

 今大会も、ロシアとの初戦ではアルテム・ジューバに手を焼き、デンマーク戦では同ポジションを務めたジェイソン・デナイヤーのパスミスから先制点を奪われた。両脇を固めるヤン・ヴェルトンゲンとトビー・アルデルヴァイレルトは健在だが、ポルトガルは両ウイングにも強力な選手が控えている。どのような対策を打つのか、ロベルト・マルティネス監督の決断に注目が集まる。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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