2019.06.23

U-21イタリア代表、快勝も首位突破ならず…東京五輪出場は他国の結果次第に

イタリア代表
イタリアはベルギーに快勝したが… [写真]=Getty Images
1998年にローマに語学留学し、同市内のアマチュアクラブ、ロムーレアの練習に参加。カルチョだけでなく全てのアッズーリをこよなく愛し、日伊協会会報誌『CRONACA』では、イタリアに特化したスポーツ記事を連載中。2017年11月『使えるイタリア語単語3700(ベレ出版)』を共同執筆。イタリア語検定協会事務局員。日伊協会にて4月より『カルチョで旅するイタリア』が開講。

 決勝トーナメント進出と東京オリンピック出場権を掛けたU-21欧州選手権グループA最終戦のアッズリーニの戦いの場は、ボローニャからレッジョ・エミーリャへと移った。セリエAを戦うサッスオーロの本拠地である上に、この地はイタリアの三色国旗『トリコローレ』発祥の地。イタリア人にとっては、歴史を語る上で不可欠な場所の一つだ。

 蒸し暑いボローニャから解放されたものの、日中から荒れ模様な天気で、時折豪雨に見舞われた中での一戦であったが、2万7000人の観衆が集まった。ホスト国イタリアは2戦を終えて1勝1敗と、グループリーグ突破に向けてベルギー戦は絶対に勝利しなければならない。その上で、スペインがポーランドを下すこと(ただし、大量得点でなく)が首位での勝ち抜けの必要条件となる。

 イタリアはポーランド戦からスタメン3人を変更し、パトリック・クトローネ(ミラン)が1トップに入る「4-2-3-1」を採用。トップ下にはこの試合が初出場となるマヌエル・ロカテッリ(サッスオーロ)が起用され、サイドバックは右にアルトゥーロ・カラブレージ(ボローニャ)、左にジュゼッペ・ペッツェッラ(ジェノア)が入った。

イタリア代表

[写真]=Getty Images

 すでにグループリーグ敗退が決まっているベルギーに対し、序盤から猛攻を仕掛け、クトローネにボールを集める。6分にはこの試合最初のチャンスが訪れる。ペッツェッラのクロスにニコロ・バレッラ(カリアリ)がダイビングヘッドで合わせるが、枠を捉えられない。決めなければいけない決定機だった。

 10分には縦パスに抜け出したベルギーのドディ・ルケバキオ(デュッセルドルフ)に強烈なシュートを許すが、アレックス・メレト(ナポリ)が弾き出す。15分には右サイドのフェデリコ・キエーザ(フィオレンティーナ)が細かいパス回しから抜け出し、シュートを打つが上に外れた。

 そんななか、同時刻に行われているスペインvsポーランドが早くも動く。パブロ・フォルナルス(ビジャレアル)のゴールでスペインが先制。イタリアにとっては朗報だが、自分たちにも得点が必要だ。この大会で初めて採用した「4-2-3-1」ではあるが、距離感もよくパスも通る。だが、ゴールを割れないまま30分が経過。スペインに追加点、さらに3点目が入る。ゴールが欲しいイタリアは前半終了前、左からのクロスをペッレグリーニが頭で後方に流したところをバレッラが左足で流し込み、待望の先制点。なんとかリードすることに成功して、ハーフタイムを迎えた。

バレッラ

バレッラのゴールで先制 [写真]=Getty Images

 後半は敵陣深くから体を投げ出してプレスをかけ、気迫のこもったプレーを見せる。そして53分、ペッレグリーニのクロスにクトローネが体をひねりながら頭で流し込み、2点目が決まった。クロスの前にゴールラインを割った可能性があったため、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入があったが、主審はゴールと判定した。これで大量得点に期待ができる流れが整った。

 しかし、ベルギーは58分に一気に2人を代えてイタリア有利の流れを阻止しにかかる。一方、71分にはスペイン4点目の報せが届く。そして79分、ベルギーが途中出場のヤリ・ヴェルスハーレン(アンデルレヒト)のゴールで1点を返す。イタリアの首位突破が遠のいた。

 諦めないイタリアは88分、左サイドに回っていたキエーザがネットを揺らすと、これもVARに判定が委ねられるが、ゴールが認められて3-1とした。スタジアムは一層、ヒートアップする。アディショナルタイムは5分。ラストの猛攻を試みる。しかし、他会場ではスペインに5点目。イタリアの1位通過が絶望的となった瞬間だった。その後もイタリアは追加点を狙いに行くが、3-1のスコアで無情にも試合終了のホイッスルが鳴った。

 試合前まで首位だったポーランドに5-0と大勝したスペインの1位通過が確定。グループAは3チームが勝ち点3で並ぶ大混戦となったが、スペインは得失点差でイタリアを「1」上回った。ただ、この時点でアッズリーニの勝ち抜けは決まらなかったものの、観客席からは大声援が送られ、それに対し選手たちが拍手で応えた。

イタリア代表

首位通過は叶わなかった [写真]=Getty Images

 ルイージ・ディ・ビアージョ監督は試合後の会見で「他のグループの結果を待たなければならないということは分かっていた。スペインが5-0で勝利したことでグループは不運なことに複雑なものとなってしまった。2位通過はとても難しい状況にあるが、まだ小さな望みはある。最後の最後まで我々はここに留まる」と勝ち抜けに向けて明日以降もトレーニングを続けることを強調した。また、先発が予想されながらも、出場機会さえなかったモイーズ・キーン(ユヴェントス)とニコロ・ザニオーロ(ローマ)は分析ミーティングに遅れたことでメンバー外となっていたことが判明。「特別なことではない。我々はグループであり、規則は遵守しなければいけない」と明かしている。

 イタリアは2位になり、3つのグループで最も成績の良い2位に与えられる準決勝進出に向けてグループBのデンマークvsセルビア、ドイツvsオーストリア、グループCのフランスvsルーマニアの結果を待つこととなる(優勝候補の一つイングランドは2敗で敗退が確定。このため、イングランド決勝トーナメント進出時による、五輪出場権をかけたプレーオフは行われない)。グループBではデンマークとオーストリアが引き分け以下、もしくは3点差以下での勝利に終わることを、グループCではフランスvsルーマニアが引き分け以外の結果に終わることを祈るしかない状況だ。

 アッズリーニは決勝トーナメント進出と五輪出場権獲得に向けて、あまりにも長い48時間を、これから待たなければならない。

文=佐藤徳和/Norikazu Sato

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