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初戦の大一番を制したイタリア代表、普段は“辛口”の地元メディアも絶賛

2016.06.15

前回準優勝のイタリア代表。優勝候補のベルギー代表を下し、白星スタートを切った [写真]=Getty Images

 ユーロ2016・グループステージ第1節でベルギー代表に完封勝利を収めたイタリア代表。初戦勝利をイタリアのメディアも高く評価した。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』、『コリエレ・デッロ・スポルト』両紙とも左サイドハーフのDFマッテオ・ダルミアンを除き、プレーした選手には「6.5」以上の及第点を与えた。その中で、マン・オブ・ザ・マッチとなったのがDFレオナルド・ボヌッチだ。センターバックながらも、MFエマヌエレ・ジャッケリーニの先制点のアシストとなるロングパスを出すなど、そのプレーは光っていた。

 ガゼッタ紙では「彼にとってのベストを尽くした。(フランツ)ベッケンバウワーのような切り口、フランコ・バレージを思わせる封じ方、ジャッケリーニへのアシストはアイデンティティを感じさせた。これらはイタリアの基盤となる」と往年の名選手の名を挙げて「8」をつけた。コリエレ紙も採点は「8」で、「全てにおいて先を読んだプレーでディフェンスの内側を支え、つなぎ留めるピンとなった。まるでポールスター(北極星)のようだ。1-0としたパスは本物。オーレー!」と最大級の賛辞を送った。

 もちろん、ジャッケリーニと後半アディショナルタイムに2点目を挙げ、勝利を決定づけたFWグラツィアーノ・ペッレも「7.5」や「7」がついており、辛口のイタリアのメディアにしては、高得点となっている。ガゼッタ紙はジャッケリーニについて、「最初の30分は庭の小人だった」としながらも「ボヌッチからのパスを受け、かわしてシュートしたのは冷静でパーフェクトだった。彼はイタリアらしさの象徴だ」と称えた。コリエレ紙も、「これでいいんだ。彼がゴールするのが正しい。素晴らしいというよりも正確なシュートでイタリアの今大会最初の得点となった。ディフェンス面でもいえる」と攻守両面での献身ぶりを認めた。

 忘れてはいけないのがアントニオ・コンテ監督の采配ぶりだ。ガゼッタ紙の評価は「8」で、「カテナチオではない。イタリアらしいという意味ではイエスだ。おめでとう、コンテ。これまでできなかったことより、この方がよい。イタリアをよみがえらせてくれてありがとう。イタリアにまた英雄時代が戻ってきた」と、評価というより手放しの喜びのコメントだった。コリエレ紙は「7.5」をつけ、「謙虚さと強さをもってベルギーに立ち向かい、スピードがあった。各選手がそれぞれやるべきことを知っていた」とチーム力を認めた。

 同じグループEのアイルランドとスウェーデンがドローだったため、イタリアはグループ首位となっている。しかし、油断はできない。ベルギー戦の前半はボール支配率でベルギーより劣っていたし、攻め込まれながらも守備面でうまく防いだシーンが見られた。コンテ監督の最初で最後の大舞台。アッズーリにどのような結果をもたらすか、勝負はこれからだ。

文=赤星敬子

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