ノイシュテッターは2012年11月に行われたオランダとの親善試合でドイツ代表デビューをしている [写真]=VI Images via Getty Images
ロシア代表は現地21日、6月10日に開幕するユーロ2016に向けたメンバー候補23名を発表した。
負傷中のゼニトのMFユーリ・ジルコフおよびバレンシアのMFデニス・チェリシェフ、代表歴代最多得点記録を持つものの不調に陥っているチューリッヒのFWアレクサンドル・ケルジャコフが招集外となった今回のメンバー。さらに、招集を受けながら直後のリーグ戦で負傷したCSKAモスクワのMFアラン・ザゴエフがリストから外れるなど、多くのビッグネームを欠くこととなったロシア代表だが、その一方でドイツ代表の各世代でのプレー経験があるシャルケのDFロマン・ノイシュテッターが初招集を受けた。
本職はセンターバックながら中盤でもプレーできるノイシュテッターは、旧ソビエト連邦時代のウクライナで生まれたものの、4歳で移住したドイツのクラブでこれまで常にプレーしてきており、現時点ではロシアの国籍は保有していない。しかし、近日中に国籍を取得することが確実視されているうえ、ドイツのA代表では親善試合だけで公式戦での出場はないことから、ロシア代表への変更が可能となる見込みのため、選手本人の意思も考慮して今回の招集へと進展した。
なお、先日はウクライナ代表がロシアのクラブで今季プレーした選手を招集外とするなど、国家同士の政治的な対立がスポーツに及ぼす影響が垣間見られたが、今回はロシア代表がウクライナ生まれの選手をメンバーに加えるという逆の形となった。とはいえ、自身もプロのフットボーラーだったノイシュテッターの父親のペーター氏は「私の息子はウクライナ出身ではなくソビエト連邦出身だ」と述べている。
なお、ロシア代表は今後、テストマッチとして6月1日にチェコ代表、5日にセルビア代表と国際親善試合を行い、ユーロ2016では11日にイングランド代表、15日にスロバキア代表、20日にウェールズ代表とグループステージで対戦する。
By WOWOW