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“脱C・ロナウド”から変貌の歴史…優勝王手のレアル・マドリード、決戦のビジャレアル戦前に知っておきたいこと

2020.07.16

ラ・リーガ制覇まであと1勝と迫ったレアル・マドリード [写真]=Getty Images

 レアル・マドリードがリーグ制覇に王手をかけた。13日に行われたリーガ・エスパニョーラ(ラ・リーガ)第36節で、グラナダ相手に2-1の勝利。残り2試合で2位バルセロナとは4ポイントの差があるため、16日の次節ビジャレアル戦(H)に勝利すれば自力での優勝が決まる。

◆薄氷でつかんだ首位…1点差勝利はラ・リーガ最多

[写真]=Getty Images


 リーグ再開後はこれで9戦全勝。中断明けのゲームにすべて勝利しているのは、欧州4大リーグのなかでも、レアルとすでにブンデスリーガ優勝を決めたバイエルンの2チームしか存在しない。ただし、大差の勝利も多かったバイエルンに対し、レアルは9試合中5試合が“1点差勝利”。シーズンを通してみても、最少得点差で勝利をモノにしたゲームは11試合と、バルセロナと並んでリーグ最多となる。このデータからも、楽に勝った試合はそれほど多くないことが分かる。

「フットボールは苦しむものだから」とは、ジネディーヌ・ジダン監督のグラナダ戦後のコメントだ。終了のホイッスルが鳴った瞬間に珍しく雄叫びをあげた理由をそう明かしたフランス人指揮官は、ひとつの勝利を手にすることがいかに難しく、尊いものかをよく理解している。そんなレジェンドからハードワークを求められたら、従わない選手などいないだろう。今のレアルは本当によく働く選手たちばかりだ。

◆繰り返されるバルサとのデッドヒート…3シーズン前は最終節で決着

C・ロナウド(右から2人目)、ぺぺ(前列中央)らのメンバーで優勝した2016-17シーズンのレアル [写真]=Getty Images


 思えば、前回リーグ優勝を成し遂げた2016-17シーズンも、終盤までバルセロナとのデッドヒートを繰り広げた。ジダン監督に率いられたチームは前半戦を首位で折り返したものの、第33節の“エル・クラシコ”に敗れたことで2位に転落。再逆転に成功したのは、悪天候のために延期となっていた第21節セルタ戦(4-1)に勝利したあと、残すリーグ戦は1試合のみという状況下だった。そして最終節でマラガを下し、リーグ王者に輝いた。

◆データが示す“C・ロナウド後”のレアル

[写真]=Getty Images


 もっとも、3シーズン前のチームと今のチームは大きく異なる。2016-17シーズンは38試合を戦って106得点41失点を記録。一方、今シーズンは36試合を戦い終えて66得点22失点。1試合平均値は得点が「2.79→1.83」、失点が「1.08→0.61」と、どちらも大きく減少しているのだ。

 攻撃面ではクリスティアーノ・ロナウドの有無が大きな違いとなって数字に表れている。年間30ゴール以上を保証していたストライカーが退団したことで、レアルは得点力が大きく低下。FWカリム・ベンゼマが新エースとして君臨するものの、今季チームで2番目のスコアラーはDFのセルヒオ・ラモス(10得点)である。二ケタ得点を挙げているのは彼らだけで、他の選手は5ゴールすら奪っていない。

◆DFが二ケタ得点…“脱C・ロナウド”で新エースは“全員”に

[写真]=Getty Images


 ただ今季のチームの特徴は“どこからでも点が取れること”にある。グラナダ戦ではDFフェルランド・メンディがリーガ初得点をマーク。リーグ戦得点者はこれで21人を数え、同一シーズンでの記録としてはラ・リーガ歴代最多となった。フィールドプレーヤーで得点を挙げていないのは、DFエデル・ミリトンとFWブラヒム・ディアスだけ。一方でDFによる得点数は16ゴールとリーガでは唯一の二ケタを記録している。爆発力には欠けるものの、“全員攻撃”で不足分をカバーしているのが今季のレアルだ。

◆無失点を重ねる強固な守備陣…守護神クルトワは“聖イケル”の再来か

[写真]=Getty Images


 そして、リーグ最少失点を誇る守備は現チーム最大の武器となっている。グラナダ戦では6試合ぶりの失点を喫したものの、今季はすでに19試合でクリーンシートを達成。これもまたリーグトップの記録であり、2016-17シーズン(10試合で無失点)と比較するとほぼ倍増である。守護神のティボー・クルトワは1試合平均失点数が最も少ないGKに与えられる“サモラ賞”のポールポジションに立っているが、レアルのGKで同賞を受賞したのは2007-08シーズンのイケル・カシージャス(現ポルト)まで遡らなければならない。

◆素早いネガティヴ・トランジション、攻撃陣のプレスバック…光る“全員守備”

レアルからマジョルカにレンタル中の久保建英(右)の攻撃に守備対応するヴィニシウス [写真]=Getty Images


 ただレアルの堅牢な守備は、クルトワの安定したセービングだけでなく、ピッチに立つ11人全員の意識の高さによって支えられている。3トップの一角にルカ・モドリッチフェデリコ・バルベルデなどMFの選手を配置することもあるが、ヴィニシウス・ジュニオールロドリゴなど20歳そこそこのアタッカーたちもボールロスト時には即座にプレスをかける。彼らが自陣ペナルティエリア内まで戻って守備をすることも珍しくない。ここでも“全員守備”が光っている。

◆“成熟”による“変貌”…第二次ジダン政権は“レアル・マドリード2.0”へ

マルセロ、カゼミーロ、モドリッチら“おなじみ”のメンバーと話すジダン監督 [写真]=Getty Images


 C・ロナウドが退団したとはいえ、レアルは今も世界屈指のタレント集団だ。しかも、ベンゼマ、モドリッチ、カゼミーロ、S・ラモス、ラファエル・ヴァランとセンターラインを形成するメンバーの顔触れはジダン一次政権からほとんど変わっていない。にも関わらず、攻撃のチームから守備のチームへ、そして全員で粘り強く戦う集団へと見事な変貌を遂げた。これがジダン監督の望んだ“レアル・マドリード2.0”なのかどうかは分からないが、少なくとも現時点でのベストを導きだした手腕は称えられるべきだろう。

 もちろん、残り2試合の結果次第では、さらなる逆転劇も起こりうる。ただ「現時点で我々は何も成し遂げていない」、「我々はすべての試合に勝つための準備をしている」と言う指揮官に気の緩みは一切感じられない。むしろ今のレアルのメンタリティーは、アトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督が口癖とする「パルティード・ア・パルティード」(日本語で一戦、一戦という意味)に通ずるものがある。

 “白い巨人”と聞いてイメージする派手さはないが、間違いなく王者の風格が備わったチーム。そんなレアルが優勝の雄叫びをあげるまで、あと1勝だ。

(記事/Footmedia)

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