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いよいよ新シーズン開幕! リーガ・エスパニョーラ 18-19シーズン「全クラブ戦力分析」

2018.08.17

情熱のリーガ・エスパニョーラがいよいよ開幕する [写真]=Getty Images

 昨季のリーガ・エスパニョーラでは、バルセロナレアル・マドリードからタイトルを奪回した。この夏はクリスティアーノ・ロナウドがレアルからユヴェントスに移籍し、リオネル・メッシとの間で9シーズンにわたり繰り広げられてきた、世界最高選手をめぐる対決に終止符が打たれた。

 今季は、バルセロナとレアルの力関係がどのように変化するのだろうか。両者の間に割って入ったアトレティコ・マドリードを始めとする対抗勢力が躍進を果たすのか。リーグ全体のパワーバランスの変化にも注目が集まる。また、エイバルからベティスに移籍した乾貴士に、ヘタフェで2年目を迎える柴崎岳と、両日本代表選手の活躍にも期待したい。新時代の到来も予感されるリーガ。全20クラブの戦力と、現在の立ち位置を検証していこう。

文=北村 敦 写真=ゲッティ イメージズ

バルセロナ 戦力評価:S

 宿敵レアルからリーガのタイトルを奪還し、4連覇を達成したコパ・デル・レイとの2冠に輝いた。だが、チャンピオンズリーグでは3年連続でベスト8に終わり、選手層の薄さが改めて浮き彫りとなった。退団したアンドレス・イニエスタの穴はコウチーニョが埋める見込みだが、アルトゥール・メロを始めとする新戦力の台頭が必要となる。一方、メッシへの依存度が高い前線では、マルコムの加入で尻に火が付いたウスマン・デンベレに期待がかかる。攻守のバランスの良さを考えると、優勝に最も近い存在と言えるだろう。

アトレティコ・マドリード 戦力評価:S

 バルセロナには独走を許したものの、昨季はレアルとの熾烈な2位争いを制した。また、チャンピオンズリーグのグループステージ敗退により出場したヨーロッパリーグでは、6シーズンぶり3度目の王者に輝いた。この夏はトップ3の中で最も積極的に補強を敢行。新戦力のジェルソン・マルティンスやトマ・レマルを、大黒柱のアントワーヌ・グリーズマンが引っ張る攻撃陣は、リーガ屈指のパンチ力と選手層を誇る陣容となった。鉄壁の守備陣は今季も健在なだけに、ロドリゴ・エルナンデスの加入でレベルアップした中盤が機能すれば、5シーズンぶりのリーガ制覇も狙えそうだ。

レアル・マドリード 戦力評価:S

 昨季はチャンピオンズリーグで3連覇の偉業を達成したものの、リーガでは連覇を逃して3位に終わった。シーズン終了後には、ジネディーヌ・ジダン監督とC・ロナウドが揃って退団。指揮官にはスペイン代表から引き抜いたフレン・ロペテギ監督を据えたものの、絶対的エースの後釜は確保できておらず、チーム全体で穴を埋める必要がある。ティボー・クルトワの加入で豪華になったゴールマウスや、ルカ・モドリッチを軸とするリーガ屈指の中盤を生かし、安定感のあるチームへと再構築できるかどうかが、宿敵バルセロナからタイトルを奪い返すための鍵になるだろう。

バレンシア 戦力評価:A

 マドリードの2チームとの2位争いには敗れたものの、12位に沈んだ過去2シーズンを大きく上回る4位に入ったバレンシア。チームを再建したマルセリーノ・ガルシア・トラル監督が2年目を迎える今季は、夏の移籍市場でミシー・バチュアイやケヴィン・ガメイロといった実力者を補強。ジョフレイ・コンドグビアに続きゴンサロ・ゲデスの完全移籍も実現すれば、質量ともに昨季を上回る陣容となる。3シーズンぶりに出場するチャンピオンズリーグとの“二足のわらじ”を乗り越えられれば、トップ3に食い込む可能性もありそうだ。

ビジャレアル 戦力評価:A

 2013年夏に1部に復帰して以来、必ず4位から6位までに入ってきたビジャレアルは、昨季も5位でフィニッシュした。この夏の移籍市場では、セドリック・バカンブやロドリゴら主力が退団したものの、興味深い選手が数多く加入。とりわけ、昨季のリーガにおいて、スペイン人で2番目に多い得点を挙げたジェラール・モレノには期待がかかり、8シーズンぶりに古巣に復帰したサンティ・カソルラにも注目が集まる。ヨーロッパリーグとの並行した戦いにも慣れており、今季も定位置に収まる可能性が高そうだが、もう一段上の順位を目指すことも可能だろう。

ベティス 戦力評価:A

 昨季は終盤に破竹の6連勝を記録し、6位でヨーロッパリーグ出場権を獲得した。攻守の要であるファビアン・ルイスが退団した不安はあるものの、ウィリアム・カルヴァーリョや乾貴士といった実力者が加入。選手層は厚くなっており、ヨーロッパリーグとのやりくりに苦労して最下位に沈んだ5シーズン前と同じ轍を踏むことはないだろう。むしろ、チームを変革したキケ・セティエン監督が2年目を迎え、更なる飛躍を期待することもできる。なお、2列目のレギュラーを狙う乾には、主将のホアキン・サンチェスや新戦力のセルヒオ・カナレスらとのハイレベルな競争が待っている。

セビージャ 戦力評価:A

 チャンピオンズリーグ準々決勝進出にコパ・デル・レイ準優勝と、昨季はカップ戦で好成績を残した。だが、2度も指揮官が交代するほど不調に陥ったリーガでは、地元ライバルのベティスを5シーズンぶりに下回る7位に終わった。この夏は、守備陣を中心に複数の主力が入れ替わったが、昇格組のジローナで昨季快進撃を起こしたパブロ・マチン監督を招聘したことが最大の目玉となる。4バックから3バックへとシステムが変更されるなど新指揮官の色は早速出ており、看板である攻撃的なフットボールが浸透すれば、チャンピオンズリーグ出場圏内も十分に狙える。

ヘタフェ 戦力評価:B

 1年で復帰した1部で8位に入り、昨季は良い意味で周囲の予想を大きく裏切った。この夏は20チーム随一と言えるほど積極的な補強を行い、大量の選手が入れ替わる格好となった。とはいえ、主力のほとんどはチームに残留しており、徹底した守備からのロングカウンターという戦い方は今季も変わらないだろう。加入初年度の昨季は故障中にレギュラーの座を失った柴崎岳だが、移籍の噂もありながら残留が濃厚とあり、自分に合わない中盤を省いたスタイルの中で決定的な仕事をすることが、ポジション奪回のための条件となる。

エイバル 戦力評価:B

 クラブ史上初めて1部に昇格して以来、毎シーズン順位を上げてきたエイバルは、昨季も過去最高の9位に入った。この夏は主将のダニ・ガルシアや乾といった主力が退団した反面、目玉と呼べるような補強はない。だが、去就が注目されたホセ・ルイス・メンディリバル監督が続投し、大怪我から復活したペドロ・レオンや、今年1月に加入したファビアン・オレジャナが開幕から出場できるのは大きい。チームにはハイプレスからのショートカウンターというスタイルが浸透しており、1部5年目の今季も上位を脅かす戦いに期待したい。

ジローナ 戦力評価:B

 昨季はクラブ史上初めてとなる1部の舞台で、一時はヨーロッパリーグ出場圏内をうかがうほどの旋風を巻き起こし、最終的に10位に入ったジローナ。4シーズンにわたりチームを率いて来たマチン監督が退任し、昨季途中までレアル・ソシエダで指揮を執ったエウセビオ監督を迎え入れた今季は、この監督交代による影響が焦点となる。実際、看板だった3バックのシステムが4バックへと変更されるなど、戦術的な変化が表れている。再び台風の目になれるかどうかは、前監督が築き上げた攻守に連動性の高いプレーを保ちつつ、新監督の色を出せるかに懸かっている。

エスパニョール 戦力評価:B

 リーガを代表する中堅チームのエスパニョール。昨季も終盤に指揮官が交代となりながら、最終的には11位で帳尻を合わせた。この夏はウエスカをクラブ史上初の1部昇格に導いたルビ監督を招聘した反面、J・モレノにパウ・ロペスと攻守の要が揃って退団。とりわけ、チームの半数近くの得点を挙げたJ・モレノの穴をどのように埋めるかが課題となる。新指揮官は既存戦力に信頼を寄せており、プレシーズンでは6戦全勝と最高の結果を残している。厳しいプレスから積極的に攻撃を仕掛けるスタイルが定着すれば、ダークホース的な存在になりそうだ。

レアル・ソシエダ 戦力評価:A

 昨季は、前年度の6位から12位へと順位を下げた。この夏は主将のシャビ・プリエトが引退し、主力のS・カナレスやアルバロ・オドリオソラが移籍した一方、レガネスをわずか4年で3部から1部へと引き上げたアシエル・ガリターノ監督を招聘した。昨季はヨーロッパリーグとの並行した戦いにスタミナ切れを起こしたものの、得失点差では5位のビジャレアルと同じだったとおり、実力的には上位チームと何ら遜色ない。リーガ一本に集中できる今季は、アウェイでの戦いを改善できれば、ヨーロッパリーグ出場圏内も見えてくる。

セルタ 戦力評価:B

 ここ2シーズン連続で13位に甘んじている。シーズン終了後にはフアン・カルロス・ウンスエ監督がわずか1年で退任したことを受け、母国アルゼンチンおよびメキシコで実績を上げたアントニオ・モハメド監督を招聘。昨季は成績こそ芳しくなかったものの、得点および失点は6位ベティスとほぼ変らず、力量的には上位チームに引けを取らない。スペイン人得点王のイアゴ・アスパスは今季も健在で、若手のマキシ・ゴメスやスタニスラフ・ロボツカが急成長を遂げるなど、期待を抱かせる要素も少なくない。接戦での勝負弱さを克服できれば、2シーズンぶりのヨーロッパリーグ出場も可能だろう。

アラベス 戦力評価:C

 昨季はジェットコースターのような1年を送ったアラベス。開幕から降格圏内に沈みながらも、昨年12月のアベラルド・フェルナンデス監督の就任をきっかけに一気に形勢が変わり、最終的に14位まで順位を上げた。チーム得点王のムニル・エル・ハダディを筆頭に絶対的なレギュラーが数人退団した今季は、その穴をいかにして埋めるかが課題となり、この夏の移籍市場では実用的な選手の補強に終始した。3シーズン連続で1部残留を決められるか否かは、勝負強いチームを作ることに定評があるアベラルド監督の手腕に寄るところが大きそうだ。

レバンテ 戦力評価:C

 2年ぶりに1部に復帰した昨季は、浮き沈みの激しい戦いを繰り広げながら、終盤に見せた怒涛のラストスパートにより15位で残留をもぎ取った。今年3月にBチームからトップチームの指揮官に昇格したパコ・ロペス監督が開幕から采配を振るう今季は、クラブ恒例でもある夏の移籍市場における選手の大量入れ替えも見られず、ある程度計算した戦いができそうだ。オープンな打ち合いを好むチームとはいえ、プレシーズンでは失点の多さが目立つだけに、得意のカウンターを生かすためのディフェンスの整備が残留の行方を左右する。

アスレティック・ビルバオ 戦力評価:A

 近年は古豪復活を印象付けていたアスレティック・ビルバオだが、昨季はクラブ史上2番目に悪い16位という成績に終わった。セルタで卓越した手腕を発揮したエドゥアルド・ベリッソ監督を招聘した今季は、ケパ・アリサバラガが抜けた守備陣も気掛かりだが、昨季38試合で41得点に終わった攻撃陣の方が懸念材料となる。一方、5シーズンぶりにヨーロッパの大会に出場せず、リーガに集中できるのはプラス要因となる。元々各ポジションに優秀な選手を揃えているだけに、本来の決定力を取り戻すことさえできれば、上位進出も十分に考えられる。

レガネス 戦力評価:C

 最終的な順位こそ17位だったものの、昨季は1度も降格圏内に足を踏み入れることなく残留を掴み取った。コパ・デル・レイではレアルを撃破してベスト4入りする大健闘を見せた。1部で3年目を迎える今季は、3部時代から5年間にわたりチームを率いてきたガリターノ監督が退任し、昨季途中までサウサンプトンを指揮したマウリシオ・ペジェグリーノ監督が就任した。中盤から後方は安定感があるだけに、前線の得点力を向上させることができれば、3シーズン連続の残留が見えてくる。

ラージョ・バジェカーノ 戦力評価:C

 昨季は大混戦の2部を制覇したラージョ・バジェカーノ。若干19歳にして中盤を牽引するフラン・ベルトランを中心とした攻撃的なスタイルがどこまで通用するかが、今季の戦いを左右することになる。熱狂的なサポーターで有名なラージョだが、シーズンチケットが過去最高の販売を記録するなど、3シーズンぶりの1部の舞台に向けて大きな盛り上がりを見せている。クラブのレジェンドであるミチェル監督に率いられたチームにとっては、スタンドからの強烈な後押しを武器にホームで白星を重ねることが、残留への近道となりそうだ。

ウエスカ 戦力評価:C

 創立58年目にしてクラブ史上初の1部昇格を果たした。2部ではチームを2位に導いたルビ監督が退団した今季は、現役時代にアトレティコの正守護神を務めたレオ・フランコ監督を後任に据えた。クラブにとっては初の1部の舞台、新監督にとっては初のチーム指揮と、完全に未知数の一年となる。初めての1部での戦いに備え、この夏は多くのメンバーを入れ替え、新監督を筆頭にアルゼンチン色が強くなった。プレシーズンで綻びを見せたディフェンスを立て直し、本来の堅実な戦いができるかが残留の鍵を握る。

バジャドリード 戦力評価:C

5シーズンぶりに1部に戻ってきたバジャドリード。浮き沈みの多かった昨季は、2部で何とか5位に滑り込み、3位から6位までの4チームで争われるプレーオフを制して昇格をつかみ取った。“攻高守低”が顕著なチームは、2部最多となる69得点を記録した攻撃力をさらに磨き、降格4チームを除いた18チームで2番目に悪い55失点を喫した守備力をどこまで改善できるかが、1部で生き残るための条件となる。シーズン中に2度にわたる指揮官交代が行われる混乱の中、チームをひとつにまとめたセルヒオ・ゴンサレス監督の手腕に期待がかかる。

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