土壇場でバルセロナに移籍したマルコム [写真]=Getty Images
バルセロナの新戦力となったU−20ブラジル代表FWマルコムだが、その直前に行ったレアル・マドリードへの逆オファーを断られていたという。
23日にはローマがボルドーとの間で獲得合意に達したことを発表したものの、翌24日には一転してバルセロナに移籍することが決定したマルコム。ファーストチョイスだったチェルシーのブラジル代表MFウィリアンの獲得が不可能と見たバルセロナが、セカンドチョイスのマルコムまで失うという事態だけは避けるべく、ローマの3200万ユーロ(約41億6000万円)を上回る4100万ユーロ(約53億3000万円)の移籍金をボルドーに提示し、一気に形勢を逆転したと報じられている。
だが、スペイン紙『アス』によると、マルコムはローマからバルセロナへと行き先が変わる数日前、レアル・マドリードに売り込みを行った。しかし、やり手の代理人として知られるキア・ジョーラブチアン氏が接触を図ったものの、フロレンティーノ・ペレス会長にあっさり断られたとのことだ。
同紙はレアル・マドリード寄りのメディアだけに、この報道はバルセロナに対する優位性をアピールする一環とも取ることができる。とはいえ、スペイン代表MFマルコ・アセンシオを筆頭に、U−21スペイン代表MFダニ・セバージョス、U−21フランス代表DFテオ・エルナンデスなど、近年は選手の獲得競争でレアル・マドリードがバルセロナに勝利するケースが多いことも事実だ。
マルコムには目もくれなかったレアル・マドリードだが、ユヴェントスに移籍したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが空けて行った大穴を埋めるための補強はまだできていない。チェルシーのベルギー代表MFエデン・アザールの獲得が困難を極める中、パリ・サンジェルマンのウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニが有力候補に浮上するなど先行きは不透明だが、辣腕を誇るペレス会長は「ファンタスティックな選手が補強される」と自信を見せているだけに、得意とする“大物の一本釣り”に注目が集まる。
文=北村敦
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