サッカーが進むべき方向は? シャビが持論展開「フィジカルの向上は限界」

シャビ

現在はアル・サッドでプレーしているシャビ [写真]=Getty Images

 かつてバルセロナで活躍し、現在はカタールのアル・サッドに所属する元スペイン代表MFシャビが、サッカーが今後進むべき方向性について自身の考えを明らかにした。スペイン紙『エル・パイス』に寄稿したコラムが19日に公開されている。

 1998年のトップチームデビュー以来、2015年に退団するまでバルセロナの屋台骨を支えてきたシャビ。38歳になった今も現役を続けている同選手は、フィジカル面の急速なレベルアップを認めるものの、現状以上の進化は難しいと考えているようだ。

「フィジカルの向上という点において、サッカーは信じられないレベルに達した。我々がメディアを通じて受け取るデータ情報の大半はフィジカルに関連したものだ。『この選手は、1試合で12、13キロメートルも走った』だとか『スプリントの最高時速がこの水準に達した』だとかね。もちろん、それは大事なことだ。ただ、フィジカルの向上に関しては限界に達したと私は思う。選手はこれ以上走ることはできないし、インテンシティーをこれ以上高めることは無理だろう。2試合分の走行距離はハーフマラソンとほぼ同等だ」

 そのうえで、タレント(才能)を掘り下げることに注力することが、サッカーのさらなる発展に不可欠だとの認識を示した。

「タレントは、テクニックや戦術と同じように、まだまだ良くすることができると思う。それによって、サッカーはさらに大きな発展を遂げられるはずだ。試合で違いを生み出すのはタレントだ。毎週、私は世界中のサッカーを追っている。あらゆる国のあらゆるリーグの試合を見て、攻撃的なサッカーを展開するチームや才能のある選手を探している。私にとって決定的な要素は選手が持つフィジカルではなく、ゲームを理解して秩序を与えられる能力の方だ」

 確かな戦術眼と誰よりも早いプレーの予測で、ピッチ上の指揮官として君臨してきたシャビ。「身体能力よりもタレントを優先させるべき」という信念は、今も変わらないようだ。

(記事/Footmedia)

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