熾烈なサモラ賞争いを繰り広げているテア・シュテーゲンとオブラク(左から) [写真]=Getty Images
バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシとレアル・マドリードのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドによる恒例のピチーチ(得点王)争いが、一気に激化してきたリーガ・エスパニョーラ。だが、それ以上にすごいと言っても過言ではないのが、バルセロナのドイツ代表GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンとアトレティコ・マドリードのスロヴェニア代表GKヤン・オブラクによって空前絶後のハイレベルな戦いが展開されているサモラ(1試合平均最少失点GK賞)争いだろう。
リーガ・エスパニョーラは今シーズン、全38試合中29試合を消化した。両選手はいずれも全試合に出場し、テア・シュテーゲンが13失点、オブラクが14失点を記録。開幕から熾烈な争いを繰り広げている2人だが、オブラクが18日に行われた第29節ビジャレアル戦で2失点を喫したことで、テア・シュテーゲンが11試合ぶりに首位の座に返り咲いた。
わずか1失点差でしのぎを削る両者だが、アトレティコに勝ち点差「11」を付けて首位を独走するバルセロナのチーム力を考慮してか、テア・シュテーゲンの方がオブラクよりも優位だとファンの大多数が見ているようだ。実際、スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』が、「誰がサモラを獲得すると思うか?」とのアンケートを実施したところ、テア・シュテーゲンに90パーセントの票が集まった一方、オブラクは10パーセントにとどまった。
なお、両チームがここまでのペースをキープすると、バルセロナが17失点、アトレティコが18失点でシーズンを終える計算となる。これはリーガ・エスパニョーラが20チームになった1987-88シーズン以来の最高記録である18失点(1993-94シーズンのデポルティーボ、2015-16シーズンのアトレティコ・マドリード)に迫り、追い越すものだ。
いかにレベルの高い争いを披露しているか、数字からも窺える両守護神。過去2シーズン連続でタイトルを獲得しているオブラクが3連覇を達成するのか、初受賞を目指すテア・シュテーゲンが栄冠に輝くのか、史上最高のサモラ争いからは最後まで目が離せない。
文=北村敦
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