アラベス戦のハンドの判定を巡って議論勃発…バルサが相手にPKを与えたのは約2年前?

イグレシアス・ビジャヌエバ

バルセロナとアラベスの試合を担当したビジャヌエバ主審 [写真]=Getty Images

 28日に行われたリーガ・エスパニョーラ第21節で、バルセロナとアラベスが対戦。ホームのバルセロナが2-1で逆転勝利を収めてリーグ戦無敗をキープしたが、審判の判定をめぐって議論が巻き起こっている。同日付の『マルカ』や『アス』など、スペインの各メディアが伝えている。

 議論の対象となっているのは、87分にバルセロナのフランス代表DFサミュエル・ユムティティの手にボールが当たったシーンだ。アラベスのスペイン代表FWムニル・エル・アダディがエリア内で放ったシュートがユムティティの手に当たったが、イグレシアス・ビジャヌエバ主審は“ハンド”とは認めず、試合は続行された。

 アラベスにとっては、バルセロナに逆転を許した直後、再び同点に追いつくチャンスを逃した格好になる。それだけに選手たちは怒りを抑えられず、試合後には口々に不満を爆発させた。

 この試合の先制点を決めたスウェーデン代表FWヨン・グイデッティは、「明らかなPKだった。チームメイトとも話をしたけれど、明らかなハンドだった。スペインにもビデオ判定(VAR)は必要だと思う」とコメント。スペイン人DFビクトル・ラグアルディアも、「映像を見れば明らかだ。明らかに僕らに不利な判定を下した」と憤りを隠さなかった。

 なお、ラグアルディアは続けざまに、「今日の審判が、バルサに有利な笛を吹くのは試合前から分かっていた」と発言した。実際、ビジャヌエバ主審には“前科”がある。昨年11月26日に行われた第13節バレンシア対バルセロナを担当した際には、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシのシュートが相手GKの手を弾き、ゴールラインを割ったように見えたが得点を認めず。後日、“幻のゴール”として大騒動に発展した。

 当時の“貸し”があるため、ビジャヌエバ主審はバルセロナに不利な判定を下すことは難しかったのではないか。ラグアルディアはそう主張している。一方、リーガ・エスパニョーラの元審判であるイトゥラルデ・ゴンサレス氏は「ユムティティは手を下げているし、自然なポジションにある。それにムニルのシュートはとても近くから放たれており、反応する間がなかった」として、意図的でないために“ハンド”ではなかったとの見解を示している。

 今回の判定をめぐる議論が活発化するなか、『マルカ』はバルセロナのPKに関する、あるデータを紹介している。2016年2月14日に行われたリーガ・エスパニョーラ第24節セルタ戦で、スペイン代表DFジョルディ・アルバがグイデッティ(注:当時セルタに在籍)を自陣エリア内で倒してPKを与えた。以来、バルセロナはリーグ戦で74試合にわたって相手にPKを与えていないという。一方、同期間でバルセロナが貰ったPKは32回を数えるそうだ。

 まったくの偶然かもしれないが、「バルセロナに有利な判定が下されている」という声が再び聞こえてくるかもしれない。

(記事/Footmedia)

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