空中戦の強さを失ったレアル…“ダブルM”の放出は正しかったのか?

レアルの攻撃陣を象徴するBBC [写真]=Jose Antonio Garcia Sirvent

 ジネディーヌ・ジダン率いるレアル・マドリードは、近年見せていた相手チームを叩きふせるような得点力を失いつつあるようだ。シーズンが開幕してからここまでの公式戦14試合で29ゴールを決めているが、昨シーズンの43ゴールと比べて14ゴールも少ない。

 現在イングランドとフランスでそれぞれ活躍しているスペイン代表FWアルバロ・モラタとドミニカ共和国代表FWマリアーノ・ディアスの活躍を思い出す一方で、フランス人FWカリム・ベンゼマとウェールズ代表FWギャレス・ベイルに関して討論を繰り返すサポーターも少なくないようだ。今シーズン、ここまでゴールを記録したのは11選手だが、昨シーズン14試合が終了した時点では18選手がゴールを決めている。

 ほかに注目するデータがあるとすれば、まだヘディングでひとつもゴールを決めていないことだろう。昨シーズンのレアル・マドリードは空中戦で類まれな強さを誇り、全173得点のうち40ゴールがヘディングシュートだった。4ゴールに1つは頭で決めていたことになる。

■モラタの貢献度が浮き彫りに

 昨シーズンのヘディングによる40ゴールは、12人のプレーヤーによって積み上げられた数字だ。最も多く記録したのはポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドとスペイン代表DFセルヒオ・ラモスの8ゴール。続いてモラタが7ゴールを記録していた。空中戦に強い同選手の退団が、数字面に表れている。残留していたとして、ベンゼマとのレギュラー争いに勝てるかどうかわからないが、それでも途中から投入するには十分以上の戦力だったことは間違いない。

■“BBC”よりも得点を決めている“ダブルM”

 ベンチ要員だったモラタとマリアーノは、今それぞれの所属クラブで今シーズン合計14ゴール決めている。モラタはチェルシーで7ゴール、マリアーノはリヨンで7ゴールだ。

 一方で今シーズンの“BBC”は、3人合計12ゴールしか決めていない。5試合の出場停止処分を受けたC・ロナウドは7ゴール、負傷で3試合欠場したベイルは3ゴール、同じくケガで6試合を棒に振ったベンゼマは2ゴールである。1-1に終わった本拠地でのトッテナム戦のあと、ジダン監督は「選手にとって、ゴール不足はフラストレーションのもとになる」と語っていたが、レアル・マドリードを襲う得点力不足は、これからどのように改善されるだろうか…。

(記事提供:ムンドデポルティーボ日本語版

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