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“弱者の戦い方”が奏功のヘタフェ、満員の本拠でレアルとのマドリード・ダービーに臨む

2017.10.14

[写真]=ムツ カワモリ

 14日に行われるリーガ・エスパニョーラ第8節では、ヘタフェレアル・マドリードによる“マドリード・ダービー”が行われる。

 日本代表MF柴崎岳が所属するヘタフェは、開幕7試合を終えて12位。2勝2分3敗で、勝ち点8を記録している。旋風を巻き起こしているわけではないが、リーガ1部復帰初年度のスタートとしては全く悪くない。同勝ち点とはいえ、アスレティック・ビルバオやエスパニョールよりも順位は上なのだ。

 まずまずの出だしとなった最大の要因は、“堅守速攻”という弱者の戦い方に徹しているからだだろう。データサイト『WhoScored.com』によると、ボール支配率(40.4%)、パス成功率(63.7%)、1試合平均のドリブル数(5.3回)はいずれもリーグワースト記録。一方で、1試合平均のタックル数(23.1回)とファール数(17.6)はリーグ1位、インターセプト数(15.1回)は同2位となっており、激しい守備をベースに手数の少ないカウンターで勝利を狙うというスタイルの明快さがチームの原動力となっている。

 幸か不幸か、第4節バルセロナ戦(1-2)で柴崎が負傷し長期離脱を強いられて以降、そのスタイルはさらに磨きがかかっている。ホセ・ボルダラス監督は柴崎に代わる司令塔を置くのではなく、ストライカー(FWアンヘル・ロドリゲス)をもう1枚増やして2トップを採用。ボールを奪うと素早くサイドに展開して、クロスや斜めのパスで相手ゴールに襲い掛かるという攻撃戦術を用いている。

 とはいえ、4-4-2の両サイドMFのキャラクターは対照的だ。右サイドを担当するMFアルバロ・ヒメネスはドリブル突破を得意としているのに対して、左サイドを担当するMFアマト・ディエディウは快足を生かした2列目からの飛び出しに特長がある。そのため、右サイドで攻撃を組み立てて逆サイドで仕留めるというのが、現時点でのヘタフェの攻撃の“型”になっている。

 前述のデータサイトを見ても、ピッチを縦に三分割したとき、右サイドからの攻撃の割合はリーグ最高となる48%を記録する一方で、左サイドからの攻撃の割合はリーグ最低の29%という数値を叩き出している。この“右高左低”という非対称の攻撃が機能するか否かが、ヘタフェの鍵となるだろう。

 そういう意味では、レアル・マドリードの左サイドバックの人選にも注目が集まる。ケガで戦列を離れていたDFマルセロとDFテオ・エルナンデスは、先週から全体練習に復帰。調整が順調であれば、この試合から再びプレーする可能性がある。となると、ウイルス性の心膜炎で欠場確実のDFダニエル・カルバハルに代わる右サイドバックは、前節トップデビューを果たしたばかりの若手DFアクラフ・ハキミではなく、実績十分のDFナチョ・フェルナンデスが務めることとなり、アキレス腱となり得た最終ラインは一気に安定感を増す。ヘタフェ戦の3日後にはトッテナムとのチャンピオンズリーグ(CL)を控えていることもあり、ジネディーヌ・ジダン監督のメンバー選考は試合に大きな影響を与えそうだ。

 なお、レアル・マドリードにとっては、ジダン監督就任後、公式戦100試合目という節目のゲームを迎える。すでにチケットは完売しており、当日は満員のファンがスタジアムに詰めかけるだろう。果たして、ヘタフェは金星を奪えるのか、最後まで目の離せない一戦となりそうだ。

記事/Footmedia

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