メッシ(左)を密着マークしたジローナのマフェオ(右) [写真]=Getty Images
23日に行われたリーガ・エスパニョーラ第6節で、昇格組のジローナはバルセロナに0-3と敗れた。とはいえ、3失点のうち2つはオウンゴールでもあり、善戦したとも言える。とりわけ、開幕5試合で9ゴールを記録していたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシを密着マークし、無得点に抑えたスペイン人MFパブロ・マフェオが注目を集めている。
思いがけない形で注目されることとなったマフェオは、「試合当日の朝、パブロ・マチン監督から『君にはメッシをマークしてもらう。ボールに触れさせないようにして欲しい』と言われた」と説明。重要な役目を全うするにあたっての心境を明かしている。
「メッシは世界最高の選手。密着し続けなければ、いかなる時でもゴールを決められてしまう。だが、実際にマークする時は、彼だって皆と同じように2本の足を持った普通の人間だと考え、自分のすべきことだけに集中しなければならない」
試合を通じて“メッシの影”のように動き回った一方、78分で交代するまで二人で会話を交わす姿も見られたマフェオ。マンチェスター・Cからのレンタル移籍で加入したジローナでプレーしている20歳の青年は、10歳年上の世界的スターとのやり取りの内容を明らかにした。
「メッシから『今日は君と一日中過ごすことになるんだよね?』と言われたので、『あなたは世界ナンバーワンの選手。何をすればいいことやら』と返したんだ。試合を通じて彼をマークしていたので、いくつか質問されたよ。『歳はいくつ?』とか『シティからローンで来たんだよね?』とか『マンチェスターでの暮らしはどうだった?』といった具合にね。メッシは謙虚な好人物で、悪い雰囲気や嫌なことは一切なかったよ」
メッシを密着マークしたマフェオは当然、試合後のユニフォーム交換をバルセロナの背番号「10」と行うかと思われた。しかし、実際に相手に選んだのはドイツ代表GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンだった。意外な行動に出たマフェオは、理由についても説明している。
「仲の良い友達が、テア・シュテーゲンのユニフォームをすごく欲しがっていたんだ。メッシとは楽しい時間を過ごせたけど、友人は尊いものだからね」
メッシとの貴重な経験を得たマフェオだが、守備面だけでなく攻撃面でも高い評価を得ている。ジローナは開幕6試合を終えて1勝2分け3敗とリーガ・エスパニョーラ1部初挑戦に苦労しているだけに、今後はゴールに絡む活躍にも期待したい。
文=北村敦
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