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【コラム】マスチェラーノ、加入7年目の初得点…PK譲られ「『ノー』とは言えなかった」

2017.04.27

 バルセロナに所属するアルゼンチン代表MFマスチェラーノが、7シーズン目にして移籍後初ゴールを挙げた。26日に行われたリーガ・エスパニョーラ第34節で、バルセロナはホームでオサスナに7-1と圧勝。マスチェラーノはチーム6点目となるゴールをPKで決めた。

 もともとは守備的MFが本職のマスチェラーノだが、2010年夏にリヴァプールから加入したバルセロナではセンターバックへコンバート。ジョゼップ・グアルディオラ元監督によるポジション変更で、ただでさえ少なかったシュートの機会は一段と減ることとなった。

 とはいえ、リヴァプール時代も公式戦139試合で2ゴールしか記録していない同選手は、ゴールに全く関心を示していなかった。今年3月、地元カタルーニャのテレビ局『TV3』でのインタビューでは以下のようにコメントしている。

「このまま無得点でバルセロナ退団の日を迎える可能性はあるだろう。ゴールには全くこだわりはないし、それが自分の人生を変えることはない」

 一方で、「いつまで無得点が続くのか」もしくは「いつ初得点が生まれるのか」といった話題が取り沙汰されることも多かったマスチェラーノ。オサスナ戦ではCKから連続攻撃を仕掛けた50分にスペイン代表FWパコ・アルカセルのクロスに頭で合わせたものの、相手GKの好セーブに遭い、初ゴールはお預けになるかと思われた。

 だがバルセロナは、4点リードで迎えた66分にスペイン代表MFデニス・スアレスがPKを獲得。大黒柱のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシはお役御免で交代し、温存されたウルグアイ代表FWルイス・スアレスも出場停止のブラジル代表FWネイマールも不在だった。誰がPKキッカーを務めるのか注目が集まる中、ペナルティースポットに立ったマスチェラーノ。ゴール中央へ豪快にシュートを叩き込んだが、喜びを爆発させることもなく、はにかんだ表情でチームメイトからの祝福に応えた。

マスチェラーノがPKを決め、319試合目でバルサ初ゴール [写真]=Anadolu Agency/Getty Images

 バルセロナでの公式戦319試合目にして待望の初ゴールが生まれたマスチェラーノ。試合後のインタビューでは、PKキッカーを後押ししてくれた本拠地カンプ・ノウの観客やチームメイトへの感謝の気持ちを表した。

「ゴールについては特別な感情はないけど、チームメイトやサポーターからの愛情を感じている。自分がPKを蹴るとは考えてなかったけど、皆の好意を前にして『ノー』とは言えなかったよ」

“守備職人”が挙げた待望の初ゴールで、ルイス・エンリケ監督を筆頭にベンチも大盛り上がりを見せたバルセロナ。宿敵レアル・マドリードを敵地サンティアゴ・ベルナベウで撃破した“エル・クラシコ”からの勢いそのままに、リーグ3連覇に向けてシーズン最高の雰囲気にあることは間違いないだろう。

文=北村敦

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