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先制点は幻に…グリーズマン、ビデオ判定に否定的「時代の流れだけど…」

2017.03.29

ゴールネットを揺らしたグリーズマン(中央)だが、得点は取り消された [写真]=Icon Sport via Getty Images

 ヨーロッパ屈指の強豪同士の対戦として注目を集めた28日の国際親善試合は、敵地に乗り込んだスペイン代表がフランス代表を2-0で破った。一方で、勝敗を大きく左右したビデオ判定の存在が大きな話題を呼んでいる。

 この試合では、昨年末に行われた2016 FIFAクラブワールドカップ ジャパンでも試験的に導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が採用されたが、フランス代表ではFWアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)が決めたゴールがオフサイドにより取り消された一方、スペイン代表ではオフサイドの判定を受けたFWジェラール・デウロフェウ(ミラン)のゴールが認められるという、両チームにとって明暗が分かれる形となった。

 注目の一戦で選手から主役の座を奪ってしまったとも言えるビデオ判定については、両チームの指揮官を筆頭に、多くの関係者が見解を示している。そんな中、自身のシュートが幻の先制点となってしまったグリーズマンは、試合後のインタビューで冷静なコメントを残した。

「今日のVARに関しては、フランスのファンは反感を、スペインのファンは好感を抱いたことは間違いないね。しかし、審判団の助けになるのであれば、大いに良いことだと言わざるを得ない。僕たちもこういった経験から学ぶ必要があるんだ」

 その一方で、「個人的には賛成ではない」と述べたグリーズマンは、VARに否定的な理由を次のように説明した。

「VARの悪い点は、待たされるということだ。僕はゴールを喜んでいたら、時間を置いて(得点を)取り消された。あれには驚かされたよ。自分はオフサイドではないと思っていたけど、後になって審判団から『(ケヴィン)ガメイロがオフサイド・ポジションにいた』と言われたんだ。一方、デウロフェウはゴールを喜ぶまで待たなければならなかった。これが時代の流れなのはわかっているけど、残念に感じている。なぜなら、フットボールらしさが少し失われてしまうからね」

 ビデオ判定をスポーツ界で初めて導入した大相撲や、球技でいち早く導入したアメリカンフットボールやテニスにおいては、一つの勝負やプレーごとに時間が途切れるため、比較的自然に使用することができる。

 しかし、基本的にプレーが途切れることなく続くフットボールでは、試合の流れが妨げられることは否めず、グリーズマンの言い分も理解に難くない。とはいえ、正確な判定が行われるに越したことはない。競技の醍醐味とのバランスをどのように取っていくのか、今後の進展に期待していきたい。

文=北村敦

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