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シャビ、逝去から1年のクライフ氏に敬意「スペイン代表にとっても最重要人物」

2017.03.27

元バルサのシャビが、ヨハン・クライフ氏への敬意を表した [写真]=Getty Images

 フットボール界屈指のカリスマだった元オランダ代表のヨハン・クライフ氏が逝去してから1年が経った。バルセロナの“ご意見番”としての役割を受け継いでいる元スペイン代表MFシャビ(現アル・サッド)が、昨年3月24日に68歳の若さで生涯を閉じた英雄を偲んでいる。

 クライフ氏はバルセロナで、選手としては1973-74シーズンに14年ぶりのリーガ・エスパニョーラ制覇に貢献。監督としては1990-91シーズンからリーガ4連覇を果たし、1991-92シーズンにはチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)初制覇を達成した。とりわけ、監督時代は“ドリーム・チーム”と呼ばれた超攻撃的な軍団を作り上げ、ボールポゼッションを武器とするスタイルをクラブに浸透させた。

 クライフ氏が選手および監督としての礎を築いたアヤックスの公式メディアにて、シャビはインタビューに応じた。同選手は、大先輩であるクライフ氏がバルセロナにもたらした変革があってこそ、自身が一流の選手になれたと強調。感謝の意を表した。

バルセロナが他のプレースタイルで戦っていたら、僕やアンドレス・イニエスタのような小さい選手、リオネル・メッシだって成功できなかったかもしれない。クライフがクラブに確固たる哲学を植え付けてくれたおかげで、僕らは自分たちの個性を活かしてくれるスタイルでプレーすることができたんだ」

 シャビは2015年夏、カンテラ(下部組織)時代から24年間を過ごしたバルセロナに別れを告げ、アル・サッドでプレーしている。同選手はさらに、クライフ氏がスペイン代表にとっての恩人でもあるとの私見を披露している。

「ヨハン・クライフはバルサだけでなく、スペイン代表においても歴史上における最も重要な人物だ。何の疑いもない。スペイン代表は近年、数多くのバルサの選手によって形作られてきた。それを可能としたのも、全ては背後にあるクライフの哲学のおかげだ」

 シャビのこの発言は、いささか度が過ぎているとも捉えられるかもしれない。しかし、スペイン代表が2008年と2012年にユーロを制し、2010年のFIFAワールドカップ 南アフリカで初優勝を達成できたのは、バルセロナの“十八番”である、流れるようなパスワークこと“ティキ・タカ”を導入したからに他ならない。

「美しく勝つ」ことを信念とするクライフ氏がバルセロナに根付かせた哲学が、結果だけでなく内容にもこだわるスペイン・フットボール界の気質と見事に融合したという点では、シャビの考えは的を射ていると言えるだろう。

文=北村敦

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