S・ラモス(左)の得点力について、リケルメ氏(右)がコメントした [写真]=Real Madrid via Getty Images、LatinContent/Getty Images
レアル・マドリードで驚異的な勝負強さを披露し続けているスペイン代表DFセルヒオ・ラモス。勝負強さの源とも言えるのはセットプレーにおける決定力だが、それが幾度となく発揮される状況に、元アルゼンチン代表MFのフアン・ロマン・リケルメ氏が疑問を呈している。
S・ラモスが起死回生の同点弾や逆転弾といった劇的なゴールを挙げるのは、アトレティコ・マドリードを延長戦の末に4-1で破った2013-14シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝を筆頭に、枚挙にいとまがない。今シーズンだけでも、セビージャに3-2で競り勝ったUEFAスーパーカップ、バルセロナとのアウェイゲームを1-1の引き分けに持ち込んだリーガ・エスパニョーラ第15節など、試合結果を左右するゴールを連発している。
直近でもホームでベティスを2-1で破ったリーガ・エスパニョーラ第27節で決勝弾を叩き込み、ここ一番での集中力が改めてクローズアップされたS・ラモス。だが、ボカ・ジュニアーズの英雄であり、バルセロナとビジャレアルでプレーした経験を持つリケルメ氏は、相手チームに問題があると考えているという。高い確率でS・ラモスにボールを合わせてくるにも関わらず、レアル・マドリードのセットプレーを止められないことが問題だというのだ。
母国アルゼンチンのテレビ局『Canal 13』にてフットボール番組に出演したリケルメ氏は、アルゼンチン代表でもボカ・ジュニアーズでもともに戦った同い年のワルテル・サムエル氏の名を借りながら、南米のチームならS・ラモスに容易くゴールは許さないとの見解を示した。
「南米ではマークの仕方が異なる。セルヒオ・ラモスにあれほど自由を与えたりはしない。サムエルのような屈強なディフェンダーがマークに付くから、ゴールを決めさせないよ。今のリーガ・エスパニョーラで言うなら、アトレティコのディエゴ・ゴディンなら彼にあれほどヘディングをさせないだろう」
リケルメ氏が一石を投じたように、対戦相手はS・ラモスを止めることができるのか、佳境を迎えて厳しい試合が増えるシーズン終盤戦では、リーガ・エスパニョーラやCLでレアル・マドリードと顔を合わせるチームの対策に注目が集まりそうだ。
文=北村敦