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S・ラモスとモドリッチ、“クラシコ”の劇的ゴールを生んだ特別なつながりとは

2016.12.07

プライベートでも仲が良いモドリッチ(左)とS・ラモス(右) [写真]=Real Madrid via Getty Images

 先日行われた今シーズン初の“クラシコ”では、敵地カンプ・ノウでバルセロナと勝ちに等しいドローを演じたレアル・マドリード。敗戦濃厚の試合終了間際に劇的ゴールが生まれた背景には、スペイン代表DFセルヒオ・ラモスとクロアチア代表MFルカ・モドリッチとの間の特別なつながりがあったという。

 試合後も、得意のヘディングでゴールを決めたS・ラモスが「ルカ(モドリッチ)が最高のクロスを入れてくれた」と感謝すれば、正確なフリーキックでアシストしたモドリッチも「セルヒオ(ラモス)が劇的なゴールを決めるのはこれが初めてではない」と感服するなど、お互いに称賛し合った両選手。モドリッチが「どこにボールを落として欲しいか頼まれていた」と、2人でゴールのイメージを共有できていたことを明かしている。

 チームの守備の柱と中盤の要による素晴らしい関係はピッチ内だけに止まらず、友人の域を超えて兄弟のような仲になっているという。実際、両者は家族ぐるみの付き合いをしており、オフシーズンにはスペインとクロアチアのお互いの別荘で過ごすのを常としている。また、レアル・マドリード寄りのスペイン紙『マルカ』によると、S・ラモスによるモドリッチのものまねは、チームのロッカールームにおけるお約束のネタだという。そして、モドリッチ本人もチームメイトと一緒に自身のものまねに大爆笑しているとのことだ。

 お互いを熟知する両選手は、今夏に開催されたユーロ2016ではスペイン代表とクロアチア代表が同組に入ったため、グループステージ第3節では敵味方に分かれて対戦。同点で迎えた後半にスペイン代表が獲得したPKをS・ラモスが担当したものの、キックの癖を把握するモドリッチから飛ぶ方向を指示されたGKダニエル・スバシッチがストップし、その後逆転ゴールを挙げたクロアチア代表が2‐1で勝利した経緯がある。それでも、この一件に関しても腹を割ってあらいざらい話をした2人は、さらに友情を深めているという。

 今回は宿敵バルセロナを失意のどん底に突き落とした両者のホットラインだが、地元ライバルのアトレティコ・マドリードを退けてクラブ悲願の“ラ・デシマ”(10度目の優勝)を達成した2013‐14シーズンのチャンピオンズリーグ決勝でも、敗戦濃厚の後半アディショナルタイムにモドリッチのコーナーキックからS・ラモスが起死回生のヘディングを決めている。

 一見すると異色の組み合わせにも映る2人だが、S・ラモスが「僕たちはお互いの目を見るだけで理解し合える」と説明する阿吽の呼吸で、今後も重要な試合の重要な局面で大仕事をやってのけてくれそうだ。

文=北村敦

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