2016.04.01

クライフに捧げる追悼コラム(後編)/ペーニャFCバルセロナ・ジャパン会長

サッカー総合情報サイト

 3月24日、ヨハン・クライフがスペインのバルセロナで息を引きとった。1970年代にオランダ代表の中軸を担い、クラブレベルではアヤックス、バルセロナで活躍。現役引退後は監督として、バルサを率い、90-91シーズンからリーガ4連覇を達成すると、92年にはチャンピオンズカップも制して初のヨーロッパ王者に輝くなど、クラブに燦然と輝く歴史を残した。

今回は、日本唯一のFCバルセロナ公認サポーターズクラブ“Penya FC Barcelona Japan”のHPに掲載されている『会長のひとり言』からクライフに捧げる追悼コラムをお届けする。


前回は、クライフがバルサに与えた影響について書いた
随分と勝手な視点で書いたのだが、多くの反響をいただいた。
今回も遠慮せず、超個人的な視点で、クライフがどう私自身に影響しているか書きたい。

先回、クライフがシステムとしてクラブを作り上げたと言った。
これは、本当に凄い事で、ビジネスマンの私にとってとても参考になる。スポーツの世界でも、ビジネスでも、マネージャー(管理者)が優秀であれば、その人が管轄する部分がうまく回るという事は当然あるのだが、その人間がいなくなった後も、しっかりとシステムとして回るというのは実はあまりない。
むしろ逆で、サクセスストーリーの多くは属人的なケースがほとんどだったりする。
クライフがバルサに残した功績はどんな世界にも通じる話だと思っていて、そのままビジネスケーススタディにも置き換えられるのではないだろうか。

私流に言うならば優秀なマネージャー(管理者)のクライフは;

『斬新なアイデアと先見性を持ち、自分の信じるスタイル(戦略の方向性)を最も簡単な言葉(ポゼッション、スペクタクル等)で表現し説得力を持って、チームにゲームプラン(事業計画)を浸透させる。
その為に、必要な投資をクラブ(会社)から引出し、マシア構想等の長期的ボジョンを持ってマネジメントプランを作る。勿論、日々の準備や教育(ロンド等)も欠かさない。プレスに対する広報戦略も抜群でコミュニケーションもうまい。
そして、自身の引退後もマネジメントシステムがしっかりと仕組みとして受け継がれ、後身達(PER-XAVI-Luis Enrique)がそれを引き継ぎ、且つ時代に合わせ進化させ、しっかりと成果(CL優勝等)を出す。』

いかがだろうか? 素晴らしい組織マネジメント力ではないか。
そして、そのやり方は、決して肩肘張らず、頑なさはみじんもない。むしろ逆だ。
あくまでもスマート、フレキシブル、そして何より格好がいい。

『無駄な走りはするな、疲れるだけだ。ボールを動かせ!』と根性で走れ走れ!と教わってきた当時の日本のサッカー少年達の目からは鱗が落ちまくった。
その教えが、今、社会人になった私には『無駄な残業はするな、仕事や情報は自分一人で抱えない!早くチーム内で共有(パスして)して効率的に仕事をしろ!』と聞こえる。

そして現実主義者のクライフは、日本人の大好きな『努力は必ず報われるという』と言う慰め主義的考えは一切持たない。
一般に欧州人にそういう考え方の人は少なくないが、クライフは超のつく現実主義者だ。(ここはオランダ人)才能のある人以外は努力をしても無駄であるが、ただ、それでいて『努力はしないと絶対に目的は達しない』のもわかっていて、それを『根性論』では決して語らず、練習嫌いな悪童(ストイチコフやロマーリオ達)たちにも論理立てて説明し、やらせるのだ。
更に、確率論としてその『努力』を現場で活かすことが『ポゼッション』という形に繋がるのだと解りやすく説く。
『ポゼッションを高めればゲームに勝つ(努力が報われる)可能性が高まる。。。』のだと、その目的を明確にして選手を納得させる。
そして、来る日も来る日も『ロンド』をひたすらに繰り返し続けるのだ。

しかし、フットボール(や、ビジネス)の『結果』は必ずしも論理的ではなく、それが面白さであり、それがフットボールなのだが、人生も(ビジネスも)これと同じだと達観している様に見える。
稀に負けても淡々と『Eso es Futbol…それがフットボールさ。。。』とChupa-Chupsをペロペロしながらとあっさりと次を見据えて言うインタビューを何度も見た記憶がある。。。
(第一世代のドリームチーム当時はポゼッションを高く持ちながらあっさりと負けるような試合も幾度かあった)

ビジネスも必ず勝つ、儲かるとは限らない。が、『それがビジネスさ。。。』すぐに前を向け!
失敗したらまた立て直してやり直せばよい。軸さえぶれなければ長期的なビジョンでは必ず結果は出るのだから!
そう聞こえる。日本人みたいに、うだうだ反省会ばかりしない。犯人探しもしない。

実に格好良いい!
こういうマネジメントを目指したい。

さて、ヘビースモーカーだったクライフは、ある日を境に突然、煙草をChupa-Chupsに持ち替えベンチで指示を出した。
当時、その潔さとお茶目さが話題になり、そのビジュアルは全世界に伝わった。そのお蔭でChupa-Chupsも売れまくり、
当時は誰も知らないスペインの無名ローカルCandyブランドが一気に世界に知れ渡った。
世界一カッコいい禁煙方法。 それが、皮肉にも肺ガンとは。。。

誰にでも、人生に影響を与えた書や、師がいるはずだが。私にとってのそれはまさにクライフであり、少年時代のアイドルとしてだけではなく社会人になった今尚、その考え方や、生き方にInspireされている。

昨年末のお台場でのレセプションで皆さんにお見せした14番のダルマを渡しに、この5月に渡西してクライフに直接お会いし見舞うはずだったのに。。。悔しくてならない。

クライフ殿、安らかにお眠りください。 (完)

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