2019.12.06

苦しい11月を経て…負けられないダービーに臨むマンC、必要なのは攻守における“らしさ”

7日にホームでのダービーを迎えるマンチェスター・C [写真]=Getty Images
「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

 マンチェスター・Cにとって、11月は非常に苦しい1カ月だった。2日に行われたプレミアリーグ第11節サウサンプトン戦で逆転勝利(2-1)を収めたものの、その後の公式戦5試合でわずか1勝(2分け1敗)。チェルシーとの大一番には勝利(2-1)したが、リヴァプールとの首位決戦(1-3)に敗れて彼らとのポイント差がさらに拡大してしまった。

 さらに痛恨だったのは、11月のラストゲームとなったニューカッスル戦だろう。ケヴィン・デ・ブライネが82分に決めたスーパーボレーは、嫌な流れを払しょくするのに十分すぎる一発だった。しかし、その6分後に再び失点して2-2のドロー。リヴァプールとの勝ち点差はついに二桁(11ポイント)に開いた。

 ニューカッスル戦後、「選手達のパフォーマンスには一切不満がない」と振り返ったペップ・グアルディオラ監督だが、“らしくない”のは明らかだろう。サウサンプトン戦、リヴァプール戦、そしてチェルシー戦と、3試合連続で先制点を献上。昨シーズンは、プレミアリーグで先制された試合が3つしかなかったが、今シーズンはすでに5試合で先制点を許している。試合開始から主導権を握って先にリードを奪うと、相手が攻勢をかけてきたところでカウンターを発動し息の根を止める――。それが得意の勝利パターンだが、そうした状況に持ち込みづらくなっているのが現状だ。サウサンプトン戦やチェルシー戦のように、それでも逆転勝利を収めるところが王者たる所以だが、被カウンターであっさりと失点を許す光景はこれまでのマンチェスター・Cにあまり見られなかったものである。

 守備の脆さは数字にも表れており、ここまでの被ゴール期待値(相手に与えたチャンスの質)は「15.00」。数字が大きければ大きいほど失点の可能性が高いことを示すが、昨年11月末時点の被ゴール期待値(8.46)と比較すると、2倍近く増えている計算になる。ちなみに、マンチェスター・Uの被ゴール期待値は「14.50」。実はマンチェスター・Cを抑えてリーグトップだ。

■エース不在で期待がかかるのは…

G・ジェズス

活躍に期待がかかるG・ジェズス [写真]=Getty Images

 マンチェスター・Cの守備が上手くいかない理由はいくつか存在する。現地でも、最終ラインのリーダー格であるアイメリク・ラポルトの長期離脱、アンカーを本職とするフェルナンジーニョのセンターバック起用の弊害、ペップ体制4年目によるチーム全体の緩みなどが指摘されているが、どれか一つが原因ではなく、それぞれが複合的に絡み合っているからこそ、修正もそう簡単ではない。

 そんな中で迎えた12月3日のバーンリー戦は、4-1と快勝。久々にマンチェスター・Cらしいサッカーを見せた。内容に見合う勝利を挙げたことで、ベストではないものの、ベターな状態で宿敵マンチェスター・Uとのダービーマッチに臨むことができる。

 中でもファンを喜ばせたのは、2ゴールを奪ったガブリエル・ジェズスの活躍だろう。エースのセルヒオ・アグエロは大腿部の負傷のため、ダービーの欠場が決定的。チーム得点ランク2位のラヒーム・スターリングもこれまでマンチェスター・U相手にゴールを決めたことがなく、22歳のブラジル代表FWに寄せられる期待は大きい。これが本拠地エティハド・スタジアムでのダービー初先発となるが、「ピッチに立ったときはいつもゴールを決めたい。セルヒオ(・アグエロ)はそうやってきた。僕もそれを狙っている」と語る“背番号9”に気負いはない。

 彼を含めた攻撃陣は盤石だ。スターリングが入る左ウイングはもちろんのこと、右ウイングも加入2年目で真価を発揮しているリヤド・マフレズと今シーズンも好パフォーマンスを見せているベルナルド・シウヴァのどちらが務めても遜色ない。インサイドハーフでは、ダビド・シルバとデ・ブライネの両司令塔が変幻自在にポジションチェンジし、高精度のパスや強烈なシュートで相手守備陣に脅威を与える。

■攻守において“らしさ”が必要

マンチェスター・C

[写真]=Getty Images

 アグエロが不在とはいえ、相手はプレミアでのクリーンシートがわずか2試合、9月14日のレスター戦以降は10試合連続で失点を喫しているマンチェスター・Uである。ホームチームが無得点で終わる可能性は限りなく低いと言えるだろう。

 だからこそ、まずは守備が大事になってくる。試合開始からボールを支配するのはマンチェスター・Cであることが容易に想像でき、マンチェスター・Uはカウンター攻撃に勝機を見出す可能性が高い。攻守の切り替えは相手の狙い目であり、ボールを奪われた瞬間の“一歩目”が遅れると致命傷になりかねない。ロドリゴ・エルナンデス、フェルナンジーニョ、イルカイ・ギュンドアン、ジョン・ストーンズらは決して足の速い選手とは言えず、マーカス・ラッシュフォード、ダニエル・ジェームズ、アントニー・マルシャルら相手の俊足アタッカーたちと「ヨーイドン」の状況を迎えることは絶対に避けなければならないだろう。

 実際のところ、マンチェスター・Uは相手にボールを握られた方が強さを発揮する。今シーズンここまでプレミアで勝利を挙げた5試合のうち4試合は、ボール支配率が50%を下回っていた。直近のトッテナム戦(2-1)もボール支配率は46.3%。また第9節のリヴァプール戦(1-1)も、ボール支配率はわずか32%ながら、欧州王者をあと一歩まで追いつめている。

 だからといって、マンチェスター・Cの戦い方が変わるはずもないが、丁寧で素早いボール回しを行い、適切なポジションを取り続けること。そして先制点を奪うことが、いつも以上に重要になってくるだろう。つまり、攻守においてマンチェスター・Cらしさをフルに発揮すること。それがダービーで勝利を挙げるカギであり、奇跡の逆転優勝に向けて求められる姿勢だ。

(記事/Footmedia)

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