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チェルシー来日の舞台裏には、胸スポンサー企業「横浜ゴム」の並々ならぬ熱い思いがあった!

2019.07.09

横浜ゴム株式会社の山石昌孝代表取締役社長 [写真]=鷹羽康博

 日本のサッカーファンが待ちに待ったビッグイベント、チェルシーの来日がいよいよ目前に迫ってきた。
 2018-19シーズンの激闘を終えたチェルシーは、来る2019-20シーズンの開幕に備えて日本でのプレシーズンマッチを実施。7月19日(金)に日産スタジアムで川崎フロンターレと対戦するだけでなく、4日後の23日(火)には埼玉スタジアム2002でバルセロナと対戦する。この来日イベントの実現に尽力したのが、2015年から“胸スポンサー”としてチェルシーとタッグを組む日本のタイヤメーカー「横浜ゴム」だ。
 それにしてもなぜ、横浜ゴムはチェルシーとのスポンサーシップ契約に踏み出し、どのような思いを胸にチェルシーとの関係性を築いているのか。2017年からトップとして牽引する山石昌孝代表取締役社長にその思いを聞いた。

インタビュー・文=細江克弥
写真=鷹羽康博、CHELSEA FC

横浜ゴム山石社長

企業の成長のために、チェルシーの力に魅力を感じた

――そもそもなぜ、横浜ゴムはチェルシーとのスポンサーシップ契約に動いたのですか?
「2012年1月から約2年、私はドイツ・デュッセルドルフのヨーロッパ支社に勤務していたのですが、そこで現地日本法人の社長さんたちと知り合う機会がありました。その中の一人に、ドイツ・ブンデスリーガのフォルトゥナ・デュッセルドルフとスポンサーシップ契約を結んでいた会社の社長さんがいらっしゃって、お誘いを受ける形で、フォルトゥナ対ブレーメンの試合を観戦する機会に恵まれました」

――当時のフォルトゥナには大前元紀(現大宮アルディージャ)選手が在籍していましたね。
「それもあって、とても強く印象に残る経験でした。それと同時に、ヨーロッパにおけるサッカーというスポーツの価値、企業としてのスポーツマーケティングの重要性について深く知ることができました。当時の横浜ゴムは製品と直接的な関係性のあるカーレースなどにスポンサードする機会はあったのですが、会社としてのレベルをもう1段上げるためにも、スポーツへの取り組みが必要であると考えていました。特に、サッカーはその大衆性と影響力が世界中に及ぶスポーツですから、とても魅力的であると感じていました」

――その後、山石社長は2013年10月に日本に戻られています。
「スポンサーについてチェルシーからオファーをいただいたのは、約1年後の2014年末でした。スポンサーシップ契約を締結したのはそれから約4カ月後の翌2015年2月でしたから、とてもスピーディな対応だったと思います」

――発表された当時、とても驚きを覚えたことを記憶しています。
「もちろんそれなりに大きな契約金と契約期間をベースとするスポンサーシップだったので、企業としてのリスクも考慮しました。しかし、我々がこれからさらに成長していくためには、海外のマーケットでの販売を伸ばさなければなりません。そのために認知度を上げなければならないということで、サッカーと、チェルシーの力を借りようと考えた次第です」

横浜ゴムユニフォーム

認知度の拡大は期待どおり。波及効果は“次の段階”へ

――胸部分に「YOKOHAMA TYRES」のロゴが入ったユニフォームを初めて目にした時のことは覚えていますか?
「やはり、感慨深いものがありました。前シーズンまでの胸スポンサーは世界的な大企業でしたから、まずは企業として、同じ舞台に上がれたことを素直に嬉しく思いました」

――2015年夏の契約から4シーズンが終了しました。手応えについては、どのように感じていらっしゃいますか?
「半年に1度、必ず認知度調査を実施しているのですが、イギリスを中心とするヨーロッパ各国、アジア、ロシア、それから南米と、当初我々が期待していたレベルの認知度の上昇が見られています。ただ、いくら認知度が高くなっても、現地における販売環境が整っていなければ売上にはつながりません。そういう意味では、期待どおりの認知度を獲得した上で“次の段階”に向かっていると実感しています」

――目に見える数字の他にも、スポーツに投資することで企業が得られるものはありますか?
「間違いなくあると思います。『YOKOHAMA TYRES』のロゴが入ったチェルシーのユニフォームは、ある意味、我々にとっては“神輿(みこし)”のようなものです。例えば、私どもの販売会社や代理店がその神輿であるチェルシーの名前をうまく活用して売上を伸ばす。あるいは、私どもの社員もチェルシーの話題を出しながら営業活動をする。つまりチェルシーにスポンサードしているという事実がモチベーションとなって、間接的に良い効果を生むことも強く実感してきました。ディーラーさんに対しても、これまでは『YOKOHAMA=レース』というイメージが強かったのですが、そこにチェルシーを加えることで新しいイメージを持ってもらえる。そうした効果も大きいと思います」

――やはりチェルシーの成績も気になるところだと思うのですが……。
「契約前年の2014-15シーズンはプレミアリーグで優勝し、さらにリーグカップでも優勝する2冠を達成した年でした。しかし、我々との契約初年度となった2015-16シーズン、リーグ戦は10位に落ち込んでしまい……ファンの方から『YOKOHAMAのせいだ!』という声が届いたり(笑)、ものすごく悔しい思いをしたことを覚えています」

――ただ、続く2016-17シーズンは再びプレミアリーグ王者となりました。
「当たり前のことですが、勝てば嬉しいし、負ければ悔しいですよね。そういう意味では、私たち自身もファンの皆さんと同じような気持ちでチェルシーを見守ってきた気がします」

横浜ゴムチェルシー選手

サッカーの面白さ、影響力の大きさを肌で感じる

――さて、いよいよ今年の夏はチェルシーが来日します。当然ながら、実現に際しては横浜ゴムの尽力が大きかったと思うのですが。
「契約当初から日本でのプレシーズンマッチの実現に向けて、クラブとの話し合いを進めてきました。今回の話が大きく動き出すきっかけとなったのは、2017年9月に楽天の三木谷浩史会長とお会いしたことです。楽天さんもスペインのFCバルセロナとのスポンサーシップ契約がスタートしたばかりのタイミングでしたから、『いつか一緒に』という話をしていたのです。それから2年の歳月をかけて今回の来日が実現したわけですから、とても嬉しく思っていますし、何より私自身も楽しみにしています」

――チェルシーは7月19日(金)に日産スタジアムで川崎フロンターレと対戦し、4日後の23日(火)には埼玉スタジアム2002でバルセロナと対戦します。
「Jリーグ王者である川崎フロンターレ、さらにヨーロッパでもトップレベルの強豪であるバルセロナとの対戦を生で観戦できることで、少しでも多くのサッカーファンの皆さんに楽しんでいただけたらと思っています。それから、これは少し個人的な思いでもあるのですが、今回は非常に多くの日本企業のトップの皆さんをご招待させていただきました。チェルシーとのスポンサーシップ契約によって、私どもはサッカーの面白さや奥深さ、そしてサッカーというスポーツが持つ影響力の大きさを肌で感じています。ですから、少しでも多くの日本企業の皆さんにそれを感じてほしい。さまざまな企業がスポーツの発展に寄与するきっかけ作りができればいいなと考えています」

――山石社長のサッカーに対する熱い思いが伝わってきます(笑)。
「もちろんサッカーに対する思いは強いのですが、やはり、特にチェルシーに対してですね(笑)。私自身は、ヨーロッパ全体のサッカー界にそれほど詳しいわけではありません。ただ、スタンフォードブリッジで観たチェルシー戦のスピード感や興奮はずっと頭から離れない。あれほど素晴らしいクラブのユニフォームに『YOKOHAMA TYRES』のロゴを刻むことができたのですから、とても誇らしい気持ちがありますし、ぜひともその姿を一人でも多くの人に見てもらいたいという気持ちでいっぱいなんです」

――現契約における契約期間は残り1シーズンとなります。今後についてはどのようにお考えですか?
「クラブとの話し合いによってこれから決めていくことになると思いますので、正直なところ、1年後にどういう結論が導き出されているかについては現時点では分かりません。しかし、現在の我々がチェルシーというクラブに対して並々ならぬ思いを抱いていることは事実です。ところで、(エデン・)アザール選手は本当に移籍してしまうのでしょうか……。これもまたサッカーの面白さだと思うのですが、内心ではかなり心配しているんですよ(笑)」
※取材はエデン・アザールの移籍決定前に実施。

横浜ゴム山石社長

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開催:2019年7月19日(金)
時間:19:00キックオフ
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時間:19:30キックオフ
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