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6.若き力と勢いにさらなる加速力を…次世代のベストイレブンを選出してみた[トッテナム編]

すでにトップチームで活躍している選手も多数いるが… [写真]=Getty Images

 トッテナムは近年、有望で勢いのある選手を集め、親分肌の知将がチームをまとめ上げて強化してきた。その結果、この3シーズンはリーグ戦で3位、2位、3位と上位に定着している。その要因はユース出身の大エース誕生と若き才能、実力者の発掘だ。

 後者についてはこれまでもそうだった。ギャレス・ベイルルカ・モドリッチ(ともに現レアル・マドリード)、現チームではデレ・アリクリスティアン・エリクセンは他チームで若くして注目を集めてトッテナムへとやってきた。しかし、前者については、これまでになかった形だ。ナビル・ベンタレブ(現シャルケ)やアンドロス・タウンゼント(現クリスタル・パレス)などがトップチームに定着しかけたが、ブレイクスルーすることはなかった。

 ハリー・ケインという生え抜きが大黒柱となったのはレドリー・キング以来と言っていい。その流れに乗り、ハリー・ウィンクスをはじめ、カイル・ウォーカー・ピータース、オリヴァー・スキップといった生え抜きもケインに続けとばかりにトップチームでの出場機会を伸ばしている。

 クラブの未来を担う選手たちにスポットライトを当てる本企画は、今回が第6弾。現在の中核選手も25歳前後と、まだまだ若いチームではあるが、さらに若い力が加わったらどうなるのか…。現在25歳未満の選手たちでチームを構成してみたので、さらなる可能性に期待してほしい。

《選出ルール》
◎現在チームに所属している選手(U-23チーム、ローン移籍中の選手)に限定して選出を行う。
◎各選手は適正のないポジションには配置しない。

[写真]=Getty Images

■GK ブランドン・オースティン(20歳/アメリカ)

ブランドン・オースティン

[写真]=Arfa Griffiths/West Ham United via Getty Images

 1月に20歳になったばかりのアメリカとイングランドの二重国籍を持つGK。今シーズンのプレミアリーグ2では17試合中11試合に出場し、UEFAユースリーグでも全試合に出場している。

 190センチほどの身長で長い手足を生かし、反応スピードが持ち味。若さ故か、単純なミスや危ないボールのつなぎも多く、改善の余地がある上、すでにトップチームでベンチ入りするなどしているアルフィー・ホワイトマンなど同世代のライバルもいるので、出場機会を得ている間に、安定感を手に入れたい。

■CB キャメロン・カーター・ヴィッカース(21歳/アメリカ)

キャメロン・カーター・ヴィッカース

[写真]=Athena Pictures/Getty Images

 イギリス人の母とアメリカ人の父の元に生まれ、11歳からトッテナムの下部組織でプレーする。父親は元NBA選手でアスリートとしての素質にも恵まれ、フィジカルを生かして守備を担う。

 2016-17シーズンにトップ昇格。2017年からはアメリカのA代表でもプレーしている。トッテナムでは出番がカップ戦に限られ、昨シーズンは2部のシェフィールド・ユナイテッドとイプスウィッチ・タウンに半年ずつ在籍し、リーグ戦計34試合に出場した。今夏はプレシーズンマッチでの起用もあったが、再び2部へレンタル。スウォンジーに加入し、リーグ戦35試合を終えた時点で約半分の18試合に出場している。

■CB ダビンソン・サンチェス(22歳/コロンビア)

ダビンソン・サンチェス

[写真]=Dan Istitene/Getty Images

 2017年夏、クラブレコードとなる移籍金4200万ポンド(推定)で加入。アヤックス在籍経験のある“先輩”トビー・アルデルヴァイレルトヤン・フェルトンゲンとともに起用される中、スピードと対人能力の高さをいかんなく発揮し、すでに主力CBとなっている。

 個人能力は見せつけているが、ラインコントロールや攻撃の起点という組織を引っ張る要となるタスクは、まだ課せられていない。徐々に先輩2人からその使命を譲り受けつつ、自己主張もしていってほしい。

■CB フアン・フォイス(21歳/アルゼンチン)

ファン・フォイス

[写真]=Catherine Ivill/Getty Images

 エストゥディアンテス出身のフォイスは、2017年夏に同郷の指揮官に請われて海を渡った。初年度はカップ戦の出場にとどまったが、2年目の今シーズンはDFラインにケガ人が相次いだこともあり、プレミアデビュー。その初戦となったウルヴァーハンプトン戦ではPKを2度献上(1失点)してしまう、ほろ苦いものとなったが、次節のクリスタル・パレス戦では決勝点となる初ゴールをゲット。指揮官や周囲の期待に応えてみせた。

 プレーはまだまだ不安定だが、もともと攻撃的選手でもあった通りの足元の技術の高さや、展開の先を読む力は光るものを見せており、プレミア仕様のフィジカルと経験を積むことで、この先10年第一線で活躍できるのは間違いない。

■右WB カイル・ウォーカー・ピータース(21歳/イングランド)

カイル・ウォーカー・ピータース

[写真]=Chloe Knott – Danehouse/Getty Images

 下部組織在籍時はトップチームの右SBにカイル・ウォーカー(現マンチェスター・C)がいたため、混同されることもあったが、当人との血縁関係は無い。実の親戚にはミルウォールやチャールトンでプレーしたフィル・ウォーカーがいる。

 トップチームに本格定着したのは、そのウォーカーがマンCに移籍した2017-18シーズンから。同シーズンは開幕戦含む3試合出場だったが、最終節のレスター戦では2アシストで、存在感を発揮した。主戦場は右サイドだが、左サイドバックでも起用可能で、攻守にバランスの取れたプレーぶりが特長となっている。

■左WB ルーク・エイモス(22歳/イングランド)

ルーク・エイモス

[写真]=Catherine Ivill/Getty Images

 下部組織出身のエイモスはレンタル移籍などで経験を重ね、今シーズン開幕前のプレシーズンで印象的な活躍を見せると、プレミアリーグ開幕戦で終盤からの出場ながらピッチに立った。飛躍が期待されるシーズンとなったが、9月末にヒザを負傷。前十字靭帯を痛め、今シーズンは治療に専念することが発表されている。

 今シーズン開幕前、「子どもの頃はシャビやアンドレス・イニエスタが好きだったけど、今はエンゴロ・カンテのプレーに夢中」と話すように、本職は中盤のフィルター役だが、プレミアリーグ2でプレーをするようになった当初は左サイドバックを主戦場としていたこともあり、このポジションで選出した。2021年夏までの契約を締結しているが、一日も早い復帰が待たれる。

■DMF ハリー・ウィンクス(23歳/イングランド)

ハリー・ウィンクス

[写真]=Chris Brunskill/Fantasista/Getty Images

 生え抜きの23歳は今シーズン、中盤に負傷者を多く抱えたトッテナムにおいてフル稼働し、確固たる地位を築いた。現チームは中盤のポジションを流動的に入れ替え、ダイヤモンド型やボックス型の4-4-2、3バック、4-2-3-1と、多くのオプションを使うが、中盤の底は1枚でも2枚でもウィンクスが務め、攻撃のスイッチを入れる縦パスを送る。一方で守備も広範囲をカバー。フィジカルが屈強なタイプではないが、闘争心あふれるハードチェックで潰し屋としても機能する。

 イングランド代表でもすでにデビューしているが、昨シーズン後半からロシア・ワールドカップまでを負傷で見送ったように、若くしてケガの多さが傷。

■DMF オリヴァー・スキップ(18歳/イングランド)

オリヴァー・スキップ

[写真]=Robin Jones /AFC Bournemouth via Getty Images

 中盤の底でプレーする選手を多く輩出するトッテナムの下部組織で、新たに注目を集める新鋭。イングランドの世代別代表としてプレーし、2018年夏にトップチームと3年契約を締結した。アンダーチームでのプレーが中心となると思われていたが、今シーズンの補強が無く、過密日程の中で中盤に負傷者が続出したこともあって、12月始めに途中出場でプレミアリーグのピッチに立ち、12月15日のバーンリー戦では初スタメンも飾った。

 フィジカル面やプレースタイルも近いウィンクスという“お手本”が隣に構えることはスキップの成長にとって大きい。下部出身の2選手が攻守に中盤でタクトを振るうことになれば、スパーズサポーターの夢も大きく広がる。

■右WG マーカス・エドワーズ(20歳/イングランド)

マーカス・エドワーズ

[写真]=VI Images via Getty Images

 2016年、当時18歳のエドワーズに対して「メッシを想起させる」とポチェッティーノ監督が表現した左利きのチャンスメーカー。右サイドが主戦場なところもメッシや、同僚であるエリク・ラメラと重なる。世代別の代表として経験を重ね、将来を嘱望されていたが、近年は伸び悩み中。2018年1月からはカーディフへのレンタルを経験したが、わずか1試合、しかも6分間の出場のみで早々にレンタル契約を打ち切り、ロンドンへ戻った。メディアからは「遅刻癖と内向的な性格が影響した」と報じられるなど、キャリアの曲がり角に立たされ、今シーズンはオランダのエクセルシオールへとレンタルに出された。

 エールディビジでは一時ベンチを温める時期もあったが、右ウイングとして第24節終了時点で16試合に出場して2得点を挙げている。精神的な不安定さの解消や、自信を取り戻すことができれば才能に疑いはないので、プレミアの舞台で輝ける可能性を秘める。

■左WG デレ・アリ(22歳/イングランド)

デレ・アリ

[写真]=Alex Morton/Getty Images

 もはや紹介する余地のない、サッカー界の主役を担う一人。ミルトン・キーンズ・ドンズ時代にフットボールリーグの最優秀若手選手賞を受賞し、2015-16シーズンからトッテナムでプレーしている。

 攻撃的なポジションをどこでもこなし、チャンピオンズリーグのレアル・マドリード戦で見せたような、3列目での献身的な守備にも対応できる、どのチームにも一枚置いておきたいスペシャルな存在となった。加入当初は精神的な粗さやラフプレーなどを不安視されたが、近年はケガで離脱というニュースが増えているのが心配な点。ビッグクラブへと巣立っていく可能性も大いに考えられるが、チームを引っ張るリーダーとしてのプレーも見たい。

■CF カザイア・スターリング(20歳/イングランド)

カザイア・スターリング

[写真]=Action Foto Sport/NurPhoto via Getty Images

 下部組織出身で、2017年12月のチャンピオンズリーグ、アポエル戦でトップチームデビューを果たす。上背があるわけではないが、ボールを引き出す動きを止めず、ボディコントロール、ボールコントロールが巧みなセンターフォワード。

 トップチームデビュー後はプレミアリーグ2でのプレーが中心となり、プレミアの舞台での出番は未だないが、2018年1月にはプレミアリーグ2の月間最優秀選手賞を受賞。同月末に3部のサンダーランドへと、キャリア初のレンタル移籍をしている。

 11名以外にも左サイドなら守備も攻撃もできるアンソニー・ジョルジュ(22歳/キプロス、イングランドの二重国籍/レバンテへレンタル)、中盤の潰し屋でジャマイカ国籍も持つタシャン・オークリーブース(19歳)、ナイジェリア国籍を持つ右サイドバックのティモシー・エヨマ(19歳)なども期待を受けている。

 さらに言えば、現トップチームメンバーでもケイン、エリック・ダイアーベン・デイヴィスが25歳。ソン・フンミンルーカス・モウラセルジュ・オーリエが26歳と、世代交代を考えるには早い選手たちが揃っている。チームが好結果を出しているうちに、若い世代を引き上げて、好サイクルに入ることを期待したい。

文=小松春生

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