メッシ、昨夏マンC入りの可能性があった…脱税騒動で「嵌められた」と失望?

リオネル・メッシ、ジョゼップ・グアルディオラ

メッシ(左)とバルセロナを4年間率いたグアルディオラ監督(右) [写真]=Getty Images

 バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、昨年の夏に“恩師”ジョゼップ・グアルディオラ監督の率いるマンチェスター・Cに移籍する可能性があったことが分かった。イギリス紙『サン』が伝えている。

 今月5日、バルセロナとの契約を2021年まで延長したメッシ。クラブ側は「数ある記録をことごとく塗り替え、世界最高の選手なった。30歳になったメッシはここまで13シーズンをバルセロナで過ごしてきたが、この契約更新とともにこれからさらに4年間バルセロナで過ごすことになる」と発表し、言わずと知れたエースに対する絶大な信頼を改めてアピールした。

 しかしそんなメッシは昨夏、移籍する可能性が浮上していたという衝撃の事実が明らかになった。『サン』は、カタルーニャのテレビ局『TV3』で放送されたドキュメンタリー番組『ジョックス・フィスカルス』で放送された内容を引用して伝えている。

 同番組は昨年7月6日、メッシの父親であるホルヘ・メッシ氏が、マンチェスター・Cのエグゼクティブ・ディレクターを務めるフェラン・ソリアーノ氏に電話をかけ「息子がバルセロナ退団を考えている」と明かしたと報道。

 そしてその4日後にはメッシ本人が、マンチェスター・Cを昨夏から率いている“恩師”ジョゼップ・グアルディオラ監督に電話をかけ、会談を申し込んだと言われている。グアルディオラ監督は当時、家族と休暇を過ごしていたが、この電話を受けてすぐにメッシの元に駆け付けたという。

 なぜバルセロナの“王様”であるメッシが移籍を考えたかという点については、同選手の脱税騒動がきっかけとなったと同番組は指摘。メッシは2007年から2009年までの3年間にわたって、計410万ユーロ(約5億円)の所得税を脱税したとして、スペインの最高裁判所から有罪判決を受けていた。

 課税回避の目的で、肖像権収入を租税回避地(タックス・ヘイブン)の企業に譲渡したように見せかけて、不正な納税申告をしたと伝えられ、21カ月の懲役を科された。

 結局、メッシは前科がないことから、今年6月、懲役を罰金に差し替えることで検察当局も合意。メッシは25万2000ユーロ(約3140万円)、懲役15カ月の父親は18万ユーロ(約2240万円)を支払うことになると見られているが、昨夏に懲役を科された段階でメッシはショックを受けていたという。

 同番組によれば「メッシは『嵌められた』と感じ、バルセロナに失望した」とのことで、判決の後に退団を考えたと指摘している。しかしその後、父親のホルヘ氏はバルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長と会談、そしてメッシ本人も会長から残留してほしいと強く訴えかけられ、チームに留まることを決めたという。

 今夏、レアル・マドリードのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドも、脱税を巡る問題についての法的判断に不満を抱いていたことを理由に、突然退団報道が飛び出したことも記憶に新しい。世界中が注目する2選手だけに、ピッチ外の部分でのストレスも決断を大きく左右する一因となるようだ。

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