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【プレミアリーグ前半戦総括】白熱する上位争い…欧州カップ戦の有無が大きな差に

2017.01.15

上位争いを繰り広げるマンU、チェルシー、アーセナル、マンC、リヴァプール、トッテナム(左上から時計回り) [写真]=Getty Images

 2016-17年シーズンのプレミアリーグは、醍醐味ともいえる年末年始の過密日程を終え、いよいよ後半戦に突入した。本稿では上半期上位6チームの総括から下半期を展望したい。

 シーズンの半分を消化した第19節終了時を勝ち点49の首位で折り返したのは、10月から年末まで13連勝と波に乗ったチェルシー。次いでリヴァプールが首位と勝ち点6差、アーセナルが同9差で折り返し、同10差でトッテナムとマンチェスター・C、そして同13差の6位には、序盤戦で不調だったマンチェスター・Uが11月から年末まで6勝3分けのリーグ戦無敗で復調を遂げ、滑り込んだ。

 上位6チームは大方の予想通りの顔ぶれとなったが、その順位は予想に反した。昨シーズンの同時期に同率首位を走っていたのは勝ち点39の昨年度覇者レスターとアーセナルだったが、その勝ち点は今シーズンのトッテナムとマンチェスター・Cと並ぶ。特筆すべきは、昨シーズン無冠のリーグ10位で終えたチェルシーが首位を快走し、奇跡の優勝を果たしたレスターが15位に沈んでいるという点だろう。

 同6チームを昨シーズンの同時期の勝ち点と比較して、最も改善されたチームは勝ち点が+29上昇したチェルシーで、次いで+13のリヴァプール。3位以下はマンチェスター・U(+6)、トッテナム(+4)、マンチェスター・C(+3)、アーセナル(+1)という並びとなった。

 今シーズン、特にリーグ戦のパフォーマンスに影響を及ぼしている要因の一つとして挙げられるのが欧州カップ戦参加の有無だろう。昨シーズンのプレミアリーグ覇者レスターがチャンピオンズリーグ(CL)に専念するあまり、リーグ戦で不振に陥ったのが最たる例だが、逆に欧州戦に参加していないチェルシーリヴァプールが、首位、2位と国内リーグで好調な結果を出していることからも、その影響力がうかがえる。

 CLに参戦したレスター、アーセナルトッテナム、マンチェスター・Cのうち、16強にコマを進めたのはトッテナム以外の3チーム。トッテナム敗退の理由の一つとして、欧州戦での経験値や負傷離脱者などが要因として挙げられたが、マウリシオ・ポチェッティーノ監督が国内リーグとの両立を意識した結果とも言える。一方、ヨーロッパリーグ(EL)で32強に進出したマンチェスター・Uも、欧州戦の過密日程から受けた影響が前半戦6位という結果に出ており、CLグループステージ3位枠でELベスト32に参戦するトッテナムと同様、シーズン後半戦にも欧州戦の影響が出てくるだろう。

 こうした背景からも、チェルシーリヴァプールが比較的万全な状態でリーグ戦に臨めていることが見て取れる。特に首位を快走するチェルシーの強みとして、「3-4-3」のシステムがチームに順応していることと、チームの幹となるGK(ベルギー代表ティボー・クルトワ=24歳)、センターバック(ブラジル代表ダヴィド・ルイス=29歳)、中盤(フランス代表エンゴロ・カンテ=25歳、セルビア代表ネマニャ・マティッチ=28歳)、FW(スペイン代表ディエゴ・コスタ=28歳)で、経験値の高いワールドクラスの選手たちが脂の乗った状態でプレーしていることが大きい。

 一方、3位から6位の4チームも今後、1月の移籍市場で即戦力を補強し、チームの層を強化できれば、優勝争いないし来シーズンのCL出場圏内にあたる4位争いも白熱することが予想される。逆に現在好調のチェルシーリヴァプールも、後半戦で主力選手に負傷者を出し、不振に陥る可能性は十分にありうるため、各チームとも、いかに一貫して好パフォーマンスを維持できるかが上位争いのカギとなるだろう。

文=藤井重隆

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