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【コラム】初黒星を喫したペップ率いるマンC、今後のカギを握る守備陣の課題

2016.10.15

前節トッテナムに敗れて今季初黒星を喫したマンチェスター・C [写真]=Tottenham Hotspur FC via Getty Images

「スパーズの方が我々を上回っていた」

 そうあっさりと負けを認めたマンチェスター・Cのジョゼップ・グアルディオラ監督は、2日に敵地でトッテナムに敗れた試合を次のように振り返った。

「相手は昨シーズン優勝争いをしたチームだし、今シーズンも有能な選手が揃っていて強い。特にホームで結果を出すチームだし、我々は思い通りにプレーできず、試合の主導権を握るのが難しかった。危険な位置でのセカンドボールも拾われていたし、トッテナムの方が一枚上手だったよ。この敗戦から学びたい」

 首位マンチェスター・Cはリーグ7戦目にして今シーズン初黒星。唯一無敗のトッテナムは2位に浮上し、勝ち点1差と迫った。ベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネを負傷で欠いていたとはいえ、互いに無敗で迎えた大一番でマンチェスター・Cの新たな弱点が浮き彫りとなった。

 同試合の4日前、マンチェスター・Cはチャンピオンズリーグ・グループステージ第2節を戦い、セルティックと3-3で引き分けていた。それまでマンチェスター・Cの公式戦勝率は100パーセントであっただけに、この2試合では新たな問題点が浮上。同2試合の共通点は、相手チームの前線からの素早いプレスだった。セルティック戦では相手に3度のリードを許すも同点にして試合を終えることができたが、トッテナム戦ではそれが叶わず。トッテナムの中盤でのセカンドボール収集力、90分通しての体力が明暗を分けた。

 マンチェスター・Cの主力守備陣は、22歳のイングランド代表DFジョン・ストーンズを除く5人が30代に差し掛かっており、一対一で抜かれる場面や裏を取られる場面など、体力面での衰えも指摘されている。さらにチリ代表GKクラウディオ・ブラボが、未だに不安定なプレーを見せていることも懸念材料だろう。彼はトッテナム戦でもボールを触るたびに相手サポーターから野次を浴びせられ、パスミスやクリアミスなど、もたつく場面も目立った。

「時には敗北も受け入れなければならないし、絶対に負けないと思ったこともない。敗北は我々を成長させる。まだ10月だし、私のチームが完成しているとは言えない。私はこのチームの新監督であり、まだ課題はたくさんある」

 そう話すグアルディオラ監督だが、トッテナム戦では守備に課題を残した一方、攻撃面ではボール支配率で58パーセント、シュート数でもトッテナムの13本に対し、12本と張り合っていたところは、今後につながる前向きな要素だろう。

 インターナショナルマッチウィーク明け、マンチェスター・Cはエヴァートン、サウサンプトンとのホーム2連戦が控えるが、中堅チームとの戦いで守備面の課題を改善し、着実に勝利を築けるかどうかが今後のカギを握りそうだ。

文=藤井重隆

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