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補強費総額は約189億円 「暗黒期」脱却へ、モウリーニョ体制のマンUに復活の予感

2016.08.18

モウリーニョ監督率いるマンチェスター・Uは、今季開幕戦で3-1と快勝を収めた [写真]=Getty Images

 今夏、補強選手3人に投じた総額は推定1億4530万ポンド(約189億円)。

 ユヴェントスから連れ戻したフランス代表MFポール・ポグバに支払った移籍金は世界最高額の8900万ポンド(約116億円)、ビジャレアルから獲得したコートジボワール代表DFエリック・バイリーには推定3000万ポンド(約39億円)を費やし、ドルトムントからはアルメニア代表MFヘンリク・ムヒタリアンを推定2630万ポンド(約34億円)で引き抜いた。そして、これに加えてパリ・サンジェルマンとの契約が満了した元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモヴィッチもフリーで加わった。

「今シーズンのプレミアリーグでは、マンチェスターでかつての“クラシコ”が観られるだろう」

 こう評したのは、『BTスポーツ』で解説者を務める元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏。

 2010年から2シーズンにわたり、リーガ・エスパニョーラで繰り広げられたモウリーニョ監督率いるレアル・マドリードとジョゼップ・グアルディオラ監督(現マンチェスター・C)率いるバルセロナによる白熱した“クラシコ”のことだ。「ティキタカ」というフレーズが流行語にもなったポゼッション志向のバルセロナに対し、鉄壁の守備からの高速カウンターでバルセロナの4連覇に歯止めをかけたレアル・マドリード。

 その2人が今シーズン、互いにマンチェスター両クラブの新監督として就任し、補強を施した。ともに今シーズンの公式戦で2連勝という好スタートを切ったことで、地元のファンやメディアも熱気を帯びてきている。開幕前の大手ブックメーカー『ウィリアムヒル』の優勝オッズでも、一番人気にマンチェスター・C、次いでマンチェスター・Uが入っているだけに、2チームによる白熱した優勝争いへの期待は高い。

 両クラブともユーロ2016の影響で短くなったプレシーズンの調整不足から、いまだ万全な状態とはいい難いが、着実に2連勝を築いた。

 特にマンチェスター・Uは、敵地で行われたボーンマスとの開幕戦でスペイン代表MFフアン・マタ、イングランド代表FWウェイン・ルーニー、イブラヒモヴィッチら攻撃の要がそれぞれ得点し、開幕節10試合中、唯一2点差をつけて快勝し、首位に立った。

 中でもイブラヒモヴィッチの調子は上向きで、モウリーニョ監督は絶大な信頼を寄せるとともに、次のように称賛している。

「彼は特別な選手だ。今後2シーズンはこのチームにとって、そしてプレミアリーグにとって驚異的な選手になると思う。このリーグにとってもプラスとなる選手だ。34歳という年齢は忘れていい。彼の心と体は若く、いまだトップレベルにある」

 一方、イブラヒモヴィッチについて「存在感がすごい」と語るルーニーも、そのプレーに刺激を受けるかのようにトップ下で復調している。

 指揮官は今後について、「8月は調整不足の選手たちにとってフラストレーションのたまる月だが、9月に入ればリーグカップとヨーロッパリーグが始まる。そこから本当のマラソンがスタートする」と説明する。

 モウリーニョという名将を手にしたマンチェスター・U。巨額の投資とともに低迷した過去3シーズンの「暗黒期」から脱却できるか。アレックス・ファーガソン体制以来の4シーズンぶりとなる王座奪還に、世界の注目が集まる。

文=藤井重隆

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