2015.04.07

監督も育てるモウリーニョ…レアル時代の“弟子”カランカが英2部で大成

モウリーニョ,カランカ
ミドルスブラを率いるカランカ監督はレアルでモウリーニョから薫陶を受けた [写真]=Getty Images

 オールドファンには、元レアル・マドリードのDFとしてお馴染みだろう。近年では、レアルを率いたジョゼ・モウリーニョのアシスタントとして顔を見かける機会が多かった。そんなアイトール・カランカが、イングランド2部のミドルズブラの監督として注目を集めている。

 ボロ(ミドルズブラの愛称)はプレミア計14シーズンの在籍を誇り、03-04にはリーグカップ優勝も果たした名門だが、2009年の降格以降は2部で苦しんできた。カランカが就任した2013年10月当時は、3部降格の危機すら囁かれる状況だった。

 だが、それから1年半。今シーズンのボロはリーグカップでリヴァプールを敗退寸前まで追いつめ、FAカップではマンチェスター・シティー相手にジャイアントキリングを起こした。混迷を極める2部チャンピオンシップの昇格争いでも、4月7日時点で首位ボーンマスと2ポイント差の4位と主役級の活躍を見せている。

 監督初挑戦だったカランカだが、彼は就任からここまでの短期間で、ボロを見事に再生したのだ。

「1年前は馬鹿げたミスで多くの失点を喫していた。今ではチームに安定感がある。我々は組織立っており、ボールも上手くキープできる。だから非常によく守れているんだ」

 言葉の通り、現在のボロは2部リーグ最少失点(41試合32失点)を維持している。現役時代も“頭”を使って守るタイプのDFだったが、守備から入るアプローチはモウリーニョ譲り。加えて、ポゼッションの量より“質”にこだわる姿勢や前線からのプレス、スピーディーなカウンターなど、カランカの戦術はモウリーニョのそれと通じる部分が多い。

「私にとって、ジョゼの影響力は非常に大きい。人生と同じように、監督としても誠実でなければいけないこと。どんな選手もチームより重要ではないこと。私は彼からすべてを学んだのだ」

 カランカは、レアルで3年にわたって薫陶を受け、今も密に連絡を取り合う“師匠”についてこう語る。また、チェルシーからボロにローン移籍中で、両監督を知るFWパトリック・バンフォードもこう証言する。

「(モウリーニョと)練習も似ているし、何より勝利への情熱が一緒なんだ。それに、カランカ監督はどんな細かいことも見逃さない。どんな試合に対しても綿密な準備をするんだ」

 モウリーニョは以前、こんな言葉を残したことがある。

「私は常に、アシスタントたちがより良いプロフェッショナルになれるよう教育に努めている。だから、私は彼らが監督になっても成功できると常に信じている」

 モウリーニョはチェルシー復帰の際にも、カランカにコーチ就任を打診した。だが、カランカは監督として独り立ちすることを夢見てこれを断った。それでも、モウリーニョは上記のような思いがあったからこそ、教え子の決断を尊重し、こんなアドバイスを送っている。

「お金が欲しいなら競争力のないリーグに行けばいい。監督として成長したいなら、あらゆるゲームが難しい競争的なリーグに行くといい。毎週、限界まで頑張らないといけないような国でね」

 カランカはモウリーニョの言葉に従い、茨の道を選んだ。そして4月か5月には、師匠がプレミアリーグのトロフィーを掲げる頃に、弟子もまたプレミア昇格という偉業を成し遂げているかもしれない。

 そうなれば、来シーズンにはブレンダン・ロジャーズ、アンドレ・ヴィラスボアス、スティーヴ・クラークに続く新たな“モウリーニョ・チルドレン”が、プレミアリーグのピッチを踏みしめることになる。

<モウリーニョ・チルドレンの現在>
■ブレンダン・ロジャーズ
第1期モウリーニョ政権下でリザーブチームの監督を務めた。その後、ワトフォードで監督デビューを果たし、レディング、スウォンジーを経てリヴァプールへ。「ジョゼは私に自尊心、自信、責任感を与え、監督になるための準備をさせてくれた。彼は知らないだろうが、私は彼の記者会見を見るために、2年間ずっと(記者席の)後ろに立っていたんだ。彼がメディアにどう対応するのかを勉強するためにね」

■アンドレ・ヴィラスボアス
ポルト、チェルシー、インテルで“分析担当”のコーチを務め、モウリーニョに「アンドレのスカウティングはパーフェクト」と言わしめた。その後、ポルトの監督として国内3冠を達成。チェルシー、トッテナムでは結果を出せずプレミアとの相性は最悪だったが、現在はゼニトでリーグ首位を独走し、ヨーロッパリーグでも準々決勝に駒を進めている。ただし、モウリーニョとの比較を嫌っており、現在は親しい関係にはない。

■スティーヴ・クラーク
第1期モウリーニョ政権下のアシスタントコーチで、ロジャーズをモウリーニョと引き合わせた人物でもある。「英国最高のナンバー2」と呼ばれる名コーチだったが、13-14シーズンにウェストブロムウィッチで監督デビューすると、限られた戦力でチームを8位に導いた。2014年12月から2部レディングの監督に。いきなりクラブを88年ぶりのFAカップ準決勝進出に導いている。

(記事/Footmedia)

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