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超豪華攻撃陣の裏で苦戦するマンU守備陣…英メディアから非難の嵐

2014.09.22

大量失点に肩を落とすマンUベンチ [写真]=Man Utd via Getty Images

 今節のプレミアリーグで、一番の衝撃はやはりレスターが5-3でマンチェスター・Uを下したゲームだった。

 マンチェスター・Uにとってこの試合はプレミアリーグ通算853試合目だったが、昇格組相手に5失点したのは初めて。2点のリードを奪った試合は373試合目だったが、敗れたのは実にこれが初のことだった。

 アルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリア、オランダ代表FWロビン・ファン・ペルシー、MFアンデル・エレーラのゴールで57分までにスコアを3-1としながら、ラスト30分で次々と4つものゴールを献上して敗れたマンチェスター・Uの不甲斐ない守備に、イギリスメディアから非難の声が集まっている。

『BBC』は、「ユナイテッドの守備にはリーダーシップ、経験、クオリティーが不足している」とした上で、中盤ダイヤモンド型の4-4-2を採用したルイス・ファン・ハール監督の戦術を批判。1人で守備的MFを務めたオランダ代表DFダレイ・ブリントは素晴らしい才能の持ち主だが、彼1人に中盤の守備を任せてはいけないとした。また、DFリオ・ファーディナンドやDFネマニャ・ヴィディッチのようなリーダーがいれば、戦況に応じてMFに「最終ラインの前を固めろ」といった指示が出たはずだが、イングランド代表DFクリス・スモーリングやDFタイラー・ブラケットといった若手がプレーしている現状では、そうした対応ができないとも指摘している。

『ガーディアン』は、マンチェスター・Uの4-4-2に対策を立て、いつもと戦い方を変えたレスターのナイジェル・ピアソン監督を賞賛した。ピアソン監督はオーソドックスな4-4-2を採用してきたが、この試合ではFWジェイミー・ヴァーディをプレミア初先発させ、FWデイヴィッド・ニュージェント、FWレオナルド・ウジョアと同時起用する3トップを選択。守備時はニュージェントが下がってブリントをマンマークし、ボールを奪ったら俊足のヴァーディを走らせ、徹底的に相手の裏を突く。こうした策が実り、ヴァーディは、1ゴール2アシスト、さらに2つのPKを獲得して全5ゴールに絡む大車輪の活躍を見せた。ラファエウやブラケット、DFマルコス・ロホといったマンチェスター・UのDFは、アマチュア出身の無名FWの走力に終始苦しめられていた。

『ミラー』は、「ユナイテッドの守備は大混乱だった。ヴァーディ、ウジョア、(ジェフ・)シュルップが裏に走る度に、特に若いブラケットは苦しんでいた」と記事をつづる。開幕から出場機会を得ている20歳のブラケットは83分、ヴァーディを倒してPKを与え、レッドカードを受けている。

 そもそも、クラブの補強が間違いだったと論じたのは、『スカイスポーツ』で解説を務めるジェイミー・キャラガー氏だ。元リヴァプールのDFは、「攻撃陣に関しては、かつてのユナイテッドの姿を取り戻している。素晴らしいスピードとクオリティーを見せている」とした上で、「守備には疑問符が付く」コメント。

「プレミアで最も資金を費やしたのに、適切なセンターバックを買わなかった。あんなにお金を使ってトップクラスのDFを引き入れなかったことは過ちだ。昨シーズンのリヴァプールを見てほしい。結局、失点の多さがタイトルを逃す原因となった。今のユナイテッドの脆弱な守備もそれと同じだ」

 この試合でDFジョニー・エヴァンスが負傷交代し、レッドカードを受けたブラケットが次節は出場停止。DFフィル・ジョーンズもハムストリングを痛めて離脱しているため、計算が立つセンターバックはこの試合でけがから復帰したばかりのスモーリングだけになってしまった。ここまで左サイドバックを務めているロホを中央に回したとしても、頭数はギリギリだ。

 レスター戦直後に地元紙『マンチェスター・イブニング・ニュース』が行った「ユナイテッドの守備はトップ4フィニッシュできるレベルか?」というアンケートでは、81%のユーザーが「NO」と答えている。

 選手層が薄く、リーダー不在のセンターバックに、機能不全に陥る中盤の守備。超豪華な面々が織りなす華やかな攻撃とは裏腹に、マンチェスター・Uの守備陣は危機的状況にある。

(記事/Footmedia)

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