2013.12.31

プレミア前半戦総括…日本人4選手は苦境、識者ら選出のベスト11は?

プレミアリーグでプレーする香川、吉田、李、宮市(左から) [写真]=Getty Images
ロンドン在住のサッカーライター。

文=藤井重隆

 12月29日をもって、プレミアリーグの前半戦19節が終了した。毎年この時点での順位が優勝争いを占うとされているが、FW宮市亮の所属するアーセナルが首位、MF香川真司のマンチェスター・Uが6位、DF吉田麻也とFW李忠成のサウサンプトンが9位でそれぞれ折り返した。同4選手は昨シーズンに比べて出場機会が激減しており、公式戦では香川が13試合無得点、宮市が5試合無得点、吉田が5試合1得点、李が2試合無得点という成績となっている。

 マンUはアレックス・ファーガソン前監督がリーグ優勝で26年半の一時代に有終の美を飾り、デイヴィッド・モイーズ新体制へと移行したが、イングランドサッカー界において、最も成功を収めた監督の後を引き継ぐのは容易ではなかった。夏の移籍市場ではモイーズ監督の古巣からベルギー代表MFマルアン・フェライニを同選手に見合わない高額な移籍金で駆け込み補強したが、手首の手術で2カ月間の離脱が決まるなど、いまだチームへの貢献度は低い。

 今シーズン不調気味のマンUを支える中心選手となっているのが、今夏に移籍を思いとどまったイングランド代表FWウェイン・ルーニーだ。ファーガソン前監督引退時にも「彼は移籍したいようだ」と明言していたほどだが、ルーニーは献身的プレーで再びファンの心を取り戻し、リーグ戦19節を終えて9ゴー ル9アシストを記録している。1.5列目でプレーする主力選手なだけに、香川の出場機会もルーニーによって左右されている。

 シーズン後半戦に向けての課題は1年半の契約を残すルーニーと、契約延長するかどうかということと、シーズン途中であることから大物選手が移籍しにくい1月の移籍市場での補強、そして上半期に欠落していた安定したパフォーマンスを築くことだろう。チームがリーグ戦で4-4-2の布陣で好調を築いている中、4-2-3-1のトップ下を得意とする香川が抱える試練も大きい。

 10年ぶりのリーグ優勝を目指すアーセナルは、夏の市場で補強したドイツ代表MFメスト・エジルが大当たりし、シーズン前半戦を首位で折り返す原動力となった。昨シーズンまで不調だったウェールズ代表MFアーロン・ラムジーとフランス代表FWオリヴィエ・ジルーも今シーズンからようやく開花するなど、調子は上向きだ。特にエジルは宮市とポジションが重なる選手でもあるが、実力的に雲泥の差があると言わざるを得ない。

 シーズン下半期への課題は、前半戦に上位チームとの対戦で見せた弱みを改善することだろう。アーセナルはチェルシー、マンチェスター・C、マンU、エヴァートンら上位勢に勝てなかったのは不安材料となっている。一方で万が一、ジルーが離脱した際の代役を1月に補強することかもしれない。再び当たりくじを引けば、アーセナルがリーグ優勝に大きく前進することは間違いないだろう。今シーズンの宮市は事実上、カップ戦要員に留まっているだけに、1月の移籍市場での期限付き移籍が予想される。

 昨シーズン、降格争いを繰り広げていたサウサンプトンは、開幕から好スタートを切り、一時は最高3位に立つなどしたが、11月23日にアーセナルに敗北してから失速。以来、1勝2分5敗という成績不振で順位を下げている。今シーズンから吉田のポジションを完全に奪った夏の新加入選手、クロアチア代表DFデヤン・ロブレンはマウリシオ・ポチェッティーノ監督から絶大な信頼を寄せられているだけに、吉田の当面の目標は彼とパートナーを組むことだろう。

 一方、英メディアは今シーズン前半戦を振り返ったベストイレブンを発表した。

『スカイスポーツ』で看板解説者を務める元イングランド代表DFのガリー・ネビル氏(元マンU)とジェイミー・キャラガー氏(元リヴァプール)が選出した4-3-1-2のシステムによる上半期のベストイレブンは7選手が共通。プレミアリーグの公式サイトと統計会社『Who Scored』が各選手のパフォーマンス指数を割り出して選出した4-4-2のベストイレブンにも名を連ねたのは、リヴァプールのFWルイス・スアレスとアーセナルのMFラムジーのみとなった。日本人選手が各チームでポジション争いをしているルーニー、ロブレン、エジルといった面々も名を連ねた。

 こうした側面からプレミアリーグの今シーズン後半戦や終盤に発表される個人賞、ブラジル・ワールドカップなどに向けた展望を膨らますのも一つの楽しみとなるかもしれない。

■G・ネビル氏のベストイレブン
▽GK
ティム・ハワード(アメリカ/エヴァートン)

▽DF
レイトン・ベインズ(イングランド/エヴァートン)
デヤン・ロブレン(クロアチア/サウサンプトン)
フィル・ジャギエルカ(イングランド/エヴァートン)
シェイマス・コールマン(アイルランド/エヴァートン)

▽MF
アダム・ララーナ(イングランド/サウサンプトン)
ヤヤ・トゥーレ(コートジボワール/マンチェスター・C)
アーロン・ラムジー(ウェールズ/アーセナル)
ウェイン・ルーニー(イングランド/マンチェスター・U)

▽FW
セルヒオ・アグエロ(アルゼンチン/マンチェスター・C)
ルイス・スアレス(ウルグアイ/リヴァプール)

■キャラガー氏のベストイレブン
▽GK
シモン・ミニョレ(ベルギー/リヴァプール)

▽DF
ルーク・ショー(イングランド/サウサンプトン)
ロブレン
ペア・メルテザッカー(ドイツ/アーセナル)
コールマン

▽MF
ロス・バークレー(イングランド/エヴァートン)
Y・トゥーレ
ラムジー
ルーニー

▽FW
アグエロ
スアレス

■プレミアリーグ公式、パフォーマンス指数によるベストイレブン
▽GK
ミニョレ

▽DF
パトリス・エヴラ(フランス/マンチェスター・U)
ジョン・テリー(イングランド/チェルシー)
メルテザッカー
コールマン

▽MF
メスト・エジル(ドイツ/アーセナル)
Y・トゥーレ
スティーヴン・ジェラード(イングランド/リヴァプール)
ラムジー

▽FW
アグエロ
スアレス
FW:アグエロ、スアレス

■サッカー統計会社「Who Scored」 によるベストイレブン
▽GK
アスミル・ベゴヴィッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ/ストーク)

▽DF
エヴラ
ジャギエルカ
ロブレン
マテュー・ドゥビュシー(フランス/ニューカッスル)

▽MF
エデン・アザール(ベルギー/チェルシー)
フェルナンジーニョ(ブラジル/マンチェスター・C)
ジェラード
ラムジー

▽FW
ルーニー
スアレス

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