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ELの試合中にドローンが乱入…背景には昨季の決勝戦でも影響受けた“領土問題”か

2019.10.04

ELのデュドランジュ対カラバフ戦でドローンがピッチ上空を飛行した [写真]=Getty Images

 3日に行われたヨーロッパリーグ(EL)・グループステージ第2節デュドランジュ(ルクセンブルク)対カラバフ(アゼルバイジャン)戦で、独立国家アルツァフ共和国(別名ナゴルノ・カラバフ共和国)の国旗を掲げたドローンがピッチ上空を飛行し、試合が一時中断するハプニングが発生した。同日、イギリスメディア『BBC』が報じている。

 アルツァフ共和国は、アゼルバイジャンがアルメニアと国交を断絶している原因となっている「ナゴルノ・カラバフ地域」に位置しており、1991年にソビエト連邦(ソ連)から独立を宣言した。しかし、その実態はアルメニアの保護国となっており、日本を含めた各国からは国家として承認されていない。

アルツァフ共和国の国旗

アルツァフ共和国の国旗 [写真]=Getty Images

 ナゴルノ・カラバフ地域は、古くからアルメニア人とアゼルバイジャン人による領土紛争の舞台となっている。1923年からアゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国内の自治州となったが、1980年代後半からはソ連の自由化政策の影響でアルメニアへの編入運動が激化。アゼルバイジャンとアルメニアは、1988年2月から1994年5月にかけて「ナゴルノ・カラバフ戦争」で対立することになった。アルメニアは軍事的勝利を収め、ナゴルノ・カラバフ地域だけでなくその周辺領土も占領した。その結果として、両国は1991年に国交を断絶した。

 現在はアゼルバイジャンの強豪として知られるカラバフも、戦争の影響を大きく受けたクラブだ。同クラブは元々、ナゴルノ・カラバフ地域の都市アグダムを本拠地としていたが、アルメニア軍の侵攻を受けて、1993年7月からアゼルバイジャンの首都バクーでプレーするように。また、当時のアシスタントコーチを務めていたアッラーヴェルディ・バギロフ氏は、参加していた軍事作戦中に命を落とした。

 そして、ELがナゴルノ・カラバフ問題の影響を受けるのは今回が初めてのことではない。5月に行われた2018-19シーズンの決勝チェルシー対アーセナル戦は、バクーで開催された。しかし、当時アーセナルに所属していたアルメニア代表ヘンリク・ムヒタリアン(現ローマ)は、安全上の理由から遠征に帯同できず、試合はチェルシーが4-1で勝利し、敗れたアーセナルは今季のチャンピオンズリーグ出場権を逃すことになった。

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By サッカーキング編集部

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