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日本人選手史上2人目の欧州カップ戦優勝なるか…ヨーロッパリーグを見逃すな

2016.02.18

ドルトムント所属の香川真司(左)とシャルケ所属の内田篤人 [写真]=Bongarts/Getty Images

 16日に行われたフェネルバフチェ対ロコモティフ・モスクワで、決勝ラウンドが幕を開けたヨーロッパリーグ(EL)。そのELには日本人選手がこの大会に出場するという見逃せない理由が存在する。

 現在、横浜F・マリノスでプレーする中村俊輔がセルティックの一員としてCLに出場した2006-07シーズン以降、日本人選手は9シーズン連続で欧州最高峰の舞台、チャンピオンズリーグでプレーしてきた。しかし、今シーズンは予選プレーオフの段階で各所属チームが敗退し、グループステージですら日本人は不在。これは、実に10年ぶりの出来事だった。

 もちろん残念なことと言えるだろう。しかし、ネガティブに捉える必要はないのかもしれない。なぜなら、日本人選手として史上2人目となる、欧州カップ戦での優勝を成し遂げるチャンスが転がっているからだ。

 今から遡ること14年前、2001-02シーズンのUEFAカップ(現EL)では、当時フェイエノールトに所属した小野伸二(現コンサドーレ札幌)が日本人選手として初めて欧州カップ戦での優勝を達成した。その試合後、小野が「一番」と書かれた日の丸のハチマキを巻いて優勝トロフィーを掲げた姿を覚えているファンも少なくないだろう。そして、その偉業を再び達成しうる筆頭が、ドルトムントの香川真司ということになる。

 ドルトムントは現時点で、今大会の優勝候補に挙げられている。2月17日現在、大手ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』が発表する優勝オッズで、ドルトムントには最も低い6.5倍がつけられている。これは、マンチェスター・Uやナポリ(9倍)を上回って、「最も優勝に近いチーム」という評価を意味する。

 予選3回戦から勝ち上がったドルトムントは、グループステージでロシアのクラスノダールに首位の座を譲ったものの、第4節終了時点で決勝トーナメント進出を確定。また国内リーグでは、首位バイエルンを上回ってリーグNo.1の得点力を誇り、開幕21試合終了時点で昨シーズンの総勝ち点を上回るなど、トーマス・トゥヘル新監督の下で見事な復活を遂げている。

 そんな好調のチームにあって、香川真司もまた本来の輝きを取り戻しつつあった。ユルゲン・クロップ前体制下でのカウンター主体のスタイルからポゼッション志向へと舵を切ったことも、テクニカルな香川に味方したのだろう。リーグ前半戦では4ゴール6アシストを記録、公式戦8ゴールはすでに昨シーズンの数字を上回っている。

 ところが、現状、香川の調子は今シーズンここまでで最悪と言えるものだ。1月23日のボルシアMG戦で胃腸炎の影響からベンチスタートを余儀なくなれると、2月6日に行われたヘルタとの上位対決では招集メンバー外。ブンデスリーガの試合に限っていえば、ケガや体調不良以外の理由でメンバー外になったことがなかったために、“香川外し”は現地で様々な憶測を呼んだ。そして13日のハノーファー戦では2試合ぶりの先発出場を果たしたものの、地元紙からチーム最低点をつけられるなど低調なパフォーマンスに終わった。

 このハノーファー戦での出場は、ELを見越したターンオーバーという見方もでき、18日のポルト戦では再びベンチスタートとなることが濃厚だ。ただし、ドルトムントはここからの3週間で6試合というハードなスケジュールに突入するため、連戦の最中に与えられた出番のなかでベストのプレーを披露すれば、指揮官の信頼を回復することは十分に可能と言える。特に「負ければ敗退」というELでは1点の価値が非常に高いため、ゴールに直結する活躍を披露すれば、その評価はガラっと変わるだろう。それは、ラウンド32でいきなり強豪との対戦を強いられたチームにとっても同じであり、ここを勝ち抜くことができれば、大会初制覇へ向けて一気に勢いづくはずである。

 一方、UEFAカップ時代を含めて、ドイツ勢として最後に大会制覇(1996-97シーズン)を成し遂げているシャルケでは、内田篤人の動向が気になるところだろう。

 先月21日、ようやくチーム練習に復帰したことがクラブから公式に発表された内田だが、実際に試合でプレーするのはもうしばらく先のことになりそうだ。今もまだ、復帰時期を明言していないことからもそれは窺い知れる。

 また、大会制覇を目標として公言するドルトムントとは異なり、シャルケのELに懸けるモチベーションにも疑問符がつく。ブンデスリーガで3位と勝ち点13の大差をつけて2位をほぼ確実なものとしたドルトムントとは対照的に、シャルケは現在、CL出場圏内となる4位まで勝ち点2差の5位。EL優勝による「来シーズンのCL出場チケット」を確保する手もあるが、格上のクラブがひしめき合う欧州よりも国内の舞台でトップ4を狙う方がより可能性が高い。そもそも昨シーズン、4年ぶりにCL出場権を逃したシャルケにとって、欧州最高峰の舞台への返り咲きは史上命題であり、無謀な冒険はできないのが現実だ。

 今大会、グループステージでは無敗の首位通過を達成し、失点数「3」はナポリと並び最少。ドルトムント以上の好成績を収めて、この決勝ラウンドまでたどり着いた。だが、彼らもいきなり2008-09シーズンの王者であるシャフタールと対戦することとなった。先の『ウィリアム・ヒル』でドルトムントから数えて15番目の26倍という高いオッズがついているように、ここから決勝までの9試合を勝ち抜いていくのは相当高いハードルと言えるだろう。

 そう考えると、香川真司、そしてドルトムントに懸かる期待は、より大きなものになる。大会名が「EL」に改称されて以降、6回中4回でスペイン勢が優勝、残り1回ずつの優勝をポルトとチェルシーが分け合っているが、「ミニCL」と言われるほどハイレベルな今大会で、日本人として、またドイツ勢としての意地とプライドを見せつけてもらいたいものだ。

文=Footmedia

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