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世界王者の行方は…チェルシーとコリンチャンスが激突/クラブW杯

得点の期待がかかるチェルシーのトーレス(左)とコリンチャンスのエメルソン(右)

 チェルシーのラファエル・ベニテス監督は、指揮官として最多となる3度目の決勝進出を決めたモンテレイ戦後、自身の初出場だった2005年大会の決勝を振り返った。

「残念な結果だった。コントロールしても、得点しなければ勝てない。チャンスを生かさなければならない、ゴールを奪わなければならないということを学んだ」

 16日に横浜国際総合競技場で行われる『TOYOTA プレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン2012』の決勝では、ヨーロッパ代表のチェルシーと南米代表のコリンチャンスが激突する。下馬評では各国代表選手を揃えるチェルシー優位と見られているが、戦前の予想が結果を保証するものではないことは、ベニテス監督自身が最も身に染みているだろう。2005年大会では、リヴァプールを率いて決勝進出を果たしたが、大方の予想に反してサンパウロの前に敗れ散っている。

 今回も2005年大会同様、イングランドとブラジルのクラブ同士の対決となるが、試合自体は予想通りチェルシーペースで進むだろう。タレントの豊富さなど単純な戦力比較で上回るとともに、快勝した準決勝のモンテレイ戦を含め、公式戦3連勝と上り調子で試合に臨める点は、過密日程での戦いでも心理面を幾らか軽くしてくれるのではないか。

 ただ、対するコリンチャンスの試合巧者ぶりも際立つ。アルアハリとの準決勝では前半にパオロ・ゲレーロが先制点を奪うと、アルアハリの反撃を受けつつも、要所を締める守備でのらりくらりとかわしながら逃げ切った。ブラジル特有の技術の高さはもちろん、ベニテス監督が2005年大会を振り返った際に語った試合展開を、意図的に作り出せる抜け目のなさは、チェルシー相手でも十分な対抗手段になるはずだ。

 攻めるチェルシー、守るコリンチャンスの図式が濃厚となる中、注目すべきはチェルシーのブラジル代表DFダヴィド・ルイスの起用法になるだろうか。ボランチで先発出場した準決勝でも、本来はCBであることからボール奪取能力は言わずもがなで、高い技術やシュート力も備えていることもあり、厚い選手層を誇るチェルシーの中盤でも出色の出来を見せていた。ベニテス監督は「将来的なオプションのため」と起用理由を明かしたが、中盤に君臨していたプレーぶりからも決勝でも引き続きボランチで出場する可能性は低くないと見られる。

 一方、ダヴィド・ルイス自身の活躍と快勝の影に隠れたが、不安要素も散見された。ほぼ初見とも言える配置転換もあってか、終了間際に喫した失点シーンをはじめ、相手選手をフリーで離してしまう場面が少なからずあり、決定的なシュートも何本か打たれている。コリンチャンスがゲレーロ、エメルソンと、モンテレイを上回る強力なFW陣を擁していることもあり、少しの綻びでも致命傷に及びかねないだろう。

 特に日本でのプレー経験もあるエメルソンは、34歳になった現在も、Jリーグを席巻したスピードは健在。南米王者を決めるコパ・リベルタドーレス決勝のセカンドレグでも、チームを優勝に導く2ゴールを挙げる勝負強さを発揮した。老獪な守備をベースに独力でゴールを陥れることのできる攻撃陣が相手の隙をつければ、コリンチャンスが下馬評を覆す可能性も十分と言えるだろう。

 クラブワールドカップは既に来年からの2年間は日本を離れ、モロッコでの開催が決定している。世界屈指のタレントを誇るチェルシーが圧倒的な戦力で初の世界王者のタイトルをつかみ取るのか。あるいは、コリンチャンスが持ち前の粘り強さで2000年(当時FIFAクラブ選手権)以来、2度目の戴冠を果たすのか。クラブ世界一が日本で決まる幸運を噛み締めながら、王者の誕生を見守りたい。

[写真]=足立雅史

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