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4日のCLで公式戦初対決も…実は縁深い!? リヴァプールとレンジャーズにまつわるトリビア

2022.10.03

公式戦初となるリヴァプールvsレンジャーズ [写真]=Getty Images

 今週開催されるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ第3節。その中で注目カードの1つと言えば、なかなか波の乗れないリヴァプールがスコットランドの雄、レンジャーズをホームに迎える“英国決戦”だろう。
 
 12年ぶりにCLの舞台に帰ってきたレンジャーズは、難敵ばかり揃うグループAに入った。第1節のアヤックス戦に0-4で大敗を喫すると、第2節のナポリ戦は善戦しながらも退場者を出して0-3の敗戦。非常に苦しい状況に追い込まれた彼らだが、まだ一番楽しみにしていた試合が残っている。それが英国勢同士の対決となるリヴァプール戦だ。
 
 チャンピオンズリーグの組み合わせ抽選会の結果を受け、一番楽しみにしている試合を聞かれたレンジャーズのジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト監督は「全6試合だ」と前置きをした上で「リヴァプールと初めて対戦するのは素晴らしいことだ。ヨーロッパ有数のチームとチャンピオンズリーグで対戦できるのは非常に楽しみだね」と答えていた…。

[写真]=Getty Images
 

■初対戦

リヴァプールのクロップ監督とレンジャーズのファン・ブロンクホルスト監督

 
 初めての対戦? 誰もが首を傾げたはずだ。英国を代表する2つのビッグクラブが、これまで一度も対戦したことがないなんて本当なのか?
 
 レンジャーズが初めて欧州カップ戦に出場したのは1956-57シーズンのチャンピオンズカップだ。以来、彼らは、クラブ破産で4部から再出発余儀なくされた2012年から数年を除き、ほぼ毎シーズンのようにヨーロッパの舞台に立ってきた。予備選を含めれば、欧州カップ戦に出場するのは今季で58シーズン目なのだ。
 
 それなれば一度くらいはリヴァプールと対戦していてもよさそうだが、本当に“公式戦”では一度も対戦がないのだ。そもそも、これまでレンジャーズが欧州カップ戦でイングランド勢と対戦したのは7度しかない(計14戦で3勝4分け7敗)。最近ではマンチェスター・ユナイテッドと2度対戦(2010-11、2003-04)している。さらに遡ると、これまでリーズと2度、そしてウォルヴァーハンプトン、トッテナム、ニューカッスルと1度ずつ対戦しただけなのだ。リヴァプールだけでなく、アーセナルやチェルシーとも対戦経験がないのだ!
 

■親善試合では…?


 
 それでも「初対戦」と聞いてサポーターが耳を疑ったのは仕方ない。「アンフィールドでレンジャーズが勝つには奇跡が必要だ」と古巣の勝利を確信しているリヴァプールの英雄マイケル・オーウェンも「初対戦なんて驚きだ」とコメントしているのだ。実は、彼らが過去に対戦経験があると勘違いしたのには理由がある。
 
 イングランドとスコットランドに別れているとはいえ同じイギリス。陸続きで、両クラブの距離は直線で280kmほど。当然、親交があり、過去には親善試合で対戦しているのだ。直近の親善試合は2011年10月。そのシーズンは、ちょうど両チームとも欧州カップ戦の本選に出場しておらず、シーズン中に異例の親善試合を開くことになった。
 
 レンジャーズの本拠地に乗り込んだリヴァプールは、FWルイス・スアレスやMFスティーヴン・ジェラードといった主力を温存。対するレンジャーズは公式戦さながらの主力を起用し、リー・マッカロークのゴールで1-0の勝利を収めた。ちなみに、11年前の親善試合に出場した選手で今もチームに残っているのは、レンジャーズではGKアラン・マクレガー(現在40歳)、MFスティーヴン・デイヴィス(37歳)の2名、リヴァプールではMFジョーダン・ヘンダーソン(32歳)だけとなっている。
 

■両チームでプレーしたのは?

グレアム・スーネス(左)とライアン・ケント(右)


 両チームでプレーした選手で最も有名なのは元スコットランド代表MFのグレアム・スーネスだろう。スーネスは、1970~80年代のリヴァプール黄金期を支えたレジェンドで、同クラブでリーグ制覇5回、欧州制覇3回に貢献した。その後、サンプドリアでの2シーズンを経て、1986~1991年までレンジャーズで選手兼監督として2度のリーグ優勝を経験した。そして1991年4月に監督としてリヴァプールに戻ってくると、1991-92シーズンにFAカップを制した。
 
 そのスーネスは、現在メディアで活躍しておりラジオ番組にレギュラー出演している。組み合わせ抽選会のあと、番組内でリヴァプールレンジャーズの対戦についてどちらが勝つか聞かれたスーネスは「俺を追い込まないでくれよ。これだけは本当に難しいね。今回だけは逃げさせて貰う。2試合とも引き分け! そして両チームともグループを突破することを願う」と明言を避けた。
 
 両チームでプレーした選手は他にもいる。1950~60年代にレンジャーズリヴァプールで活躍したウィリー・スティーヴンソンは、両クラブでリーグ制覇を経験している。元スコットランド代表MFチャーリー・アダムは、レンジャーズでプロキャリアをスタートさせたあと、イングランドにやってきてブラックプールで活躍。そしてわずか1シーズン(2011-12)だったがリヴァプールでもプレーした。
 
 現在レンジャーズに所属しているMFライアン・ケントとDFベン・デイヴィスも、元リヴァプールの選手だ。ケントはリヴァプール下部組織出身でトップチームに上り詰めるも、リヴァプールではFAカップ1試合に出場しただけで、2018年にレンジャーズへローン移籍し、翌2019年に完全移籍を果たした。今はレンジャーズの主力の一人となっている。一方、ベン・デイヴィスは今オフにリヴァプールからレンジャーズに移籍したばかり。彼の場合は、リヴァプールで公式戦には一度も出場していないため、両クラブでプレーしたと言ってよいのか分からないが…。
 

■スティーヴン・ジェラード

 
 そんななか、1試合のうちに両チームでプレーした選手もいる…? どういうことかと言うと、試合中に移籍して両チームの選手としてプレーしたのだ! それが両クラブから英雄として称えられているスティーヴン・ジェラード(42歳)だ。言わずと知れたリヴァプールの英雄は、現役引退後にリヴァプールの下部組織でコーチを務めたあと、2018年にレンジャーズの監督に就任。そして2020-21シーズンに、10年ぶりのリーグタイトルをレンジャーズにもたらしたのだ。その手腕が買われ、2021年11月にアストンヴィラに引き抜かれ、現在は同チームを率いている。
 
 そんなジェラードがリヴァプールレンジャーズの“両チーム”でプレーしたのは2019年10月のこと。レンジャーズの本拠地で両クラブのOB選手による“レジェンズマッチ”が開かれたのだ。当時レンジャーズの監督を務めていたジェラードは、慣れ親しんだ赤いユニフォームを身にまとい、リヴァプールの主将として先発出場。75分に交代でピッチを去る際にはレンジャーズファンからスタンディングオベーションを浴びた。ピッチを出て、そのまま選手通路に消えたジェラードだが、数分後に再びピッチサイドに姿を現した。なんと、今度はレンジャーズの青いユニフォームを着て登場したのだ! そして残り9分間、レンジャーズの選手として出場して“両チーム”でのプレーを達成。これには観客も大盛り上がりで、スタジアムは大歓声に包まれた。
 
 そんなちょっと面白い縁のあるリヴァプールレンジャーズ。果たして、彼らの公式戦での初対戦はどんな展開になるのか? CL第3節のアンフィールドでの一戦に注目したい。

(記事/Footmedia)

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