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【CL展望】“スペシャル・ワン”も嘆くエースの不在|トッテナム

[写真]=Getty Images

 2月15日に発売となった雑誌『SOCCER KING』3月号では、チャンピオンズリーグのラウンド16を完全プレビュー! 決勝トーナメントをより楽しむためのコンテンツをWebで一部公開します。

「ケイン、ユーロに黄色信号」。英紙『デイリー・ミラー』の見出しを飾ったのは、ハムストリングの腱断裂で手術を受けることになったイングランド代表FWのハリー・ケインだった。

 全治3カ月以上のケガが、今夏の欧州選手権にどんな影響を及ぼすか。そこに関心が集まるのは仕方ないが、ジョゼ・モウリーニョ率いるトッテナムのチャンピオンズリーグでの命運を心配するほうが先である。ラウンド16のライプツィヒ戦を控えるスパーズにとって、エース離脱の痛手は計り知れない。

 ケインは元日のサウサンプトン戦で負傷するまで、今シーズンの公式戦で17ゴールをたたき出している。CLにおいても、準優勝した昨シーズンの「5」というゴール数をグループステージだけで1点上回ってみせた。そのエースを失ったスパーズは、1月の6試合で6ゴールしか奪えていない。

 モウリーニョはチェルシー時代のディディエ・ドログバや、インテル時代のディエゴ・ミリートのように前線にターゲットマンを置いてきた。ケインは点取り屋でありながら前線でボールを収めることができるし、必要とあれば下がってビルドアップにも参加する。まさに指揮官の理想形だ。モウリーニョが「ルーカス・モウラやソン・フンミンをケインのような9番に変えることはできない」と嘆きたくなる気持ちも分かる。

 スパーズは1月のミドルスブラ戦、ノリッジ戦、サウサンプトン戦でいずれも70分以降に失点を喫した。この原因についてもケインの不在が考えられる。苦しい終盤に前線でボールを保持し、時にはファウルを誘う。DFラインの押し上げを可能にさせていたのは間違いなく彼だった。

 スパーズはそもそも守備に不安を抱えている。第25節終了時点でクリーンシートは4回しかない。一方、ラウンド16で対戦するライプツィヒは1月25日のフランクフルト戦に敗れるまで、リーグ戦9試合連続で3ゴール以上(計34ゴール)を決めている。

 確かに、昨シーズンはケインが離脱しながらもCL決勝まで勝ち上がった。しかし彼が欠場した8強のマンチェスター・Cとの2ndレグ、それからアヤックスとの準決勝2試合の戦績は1勝2敗だった。さらにケインが不在だった昨年1月は国内の2つのカップ戦で敗退した。無論、そのときはソン・フンミンが覚醒したし、CL準決勝ではルーカスがハットトリックの活躍を見せたが、両者とも安定してゴールを取り続けるイメージがない。

 プレー以外でもケインの存在は大きい。練習からチームを引っ張るキャプテンは勤勉で、リーダーシップがあった。だからこそ、今はモウリーニョの求心力に期待したいところだが、一部の選手たちはコーチ陣と練習法に不満を募らせているという。さらにポルトガル人指揮官は、馬が合わなかった左サイドバックのダニー・ローズをチームから追い出したし、結局クリスティアン・エリクセンの流出も止められなかった。

 ケインがいれば、希望を持ってCL決勝トーナメントに臨めたはずだ。昨シーズン、リヴァプールとの決勝戦を万全の状態で戦うことができずに悔しい思いをした彼は、リベンジに燃えていた。しかし今のスパーズでは、決勝の舞台にはたどり着けない。

 1月3日、ケインはケガをした2日後にツイートした。「タフな時間など一生は続かない。だが、タフな男はタフであり続ける」

 そのタフな男を欠くスパーズにとっては、タフな時間が長く感じられるはずだ。

文=サイモン・ハート
翻訳=田島 大

『SOCCER KING』2020年3月号

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