2019.09.13

いきなり実現したユーヴェとの再戦…生まれ変わった新・アトレティコのリスタート

[写真]=Getty Images
2006年にドイツワールドカップ観戦を経てバルセロナへ移住。現在はバルセロナとスペイン代表のフットボールを堪能しつつ、取材・執筆活動に励む傍ら、生涯現役を目標に立ち上げた日本人フットサルチームで毎週スペイン人たちと削り合っている。

 本拠地ワンダ・メトロポリターノで掲げる、初のビッグイヤー――。


 アトレティコ・マドリードが描いていた昨季の青写真は、クリスティアーノ・ロナウドに3ゴールを奪われ、“悪夢”としか言いようのない結末により、脆くも崩れ去った。あれから半年。2019-20シーズンのアトレティコは、奇しくも同じユヴェントスとの対戦でチャンピオンズリーグ(CL)の幕開けを迎える。

昨季はC・ロナウドの前に逆転負けを喫し、本拠地での決勝戦には進めず [写真]=Getty Images

 この夏、アトレティコの顔ぶれは大きく変わった。

 エースのアントワーヌ・グリーズマンはとうとうバルセロナへ。長年チームを支えてきたディエゴ・ゴディン、フアンフラン、フィリペ・ルイスらベテランも去り、次世代を担うはずだったリュカ・エルナンデス、ロドリまで引き抜かれた。

ファンの期待を集める19歳のクラック

クラブ史上最高額で加入したジョアン・フェリックスは「希望の星」としてファンの期待を集めている [写真]=Getty Images


 彼らの穴を埋めるべく、クラブは積極的に動いた。グリーズマンの売却で得た移籍金をジョアン・フェリックスの獲得に投じ、主力がごっそりと抜けたディフェンスラインにはキーラン・トリッピアー、マリオ・エルモソ、フェリペ、レナン・ロディを補強。ロドリの代役にはマルコス・ジョレンテとエクトル・エレーラが加わっている。

 ハメス・ロドリゲスはレアル・マドリード側の事情で断念。ロドリゴ・モレーノの獲得もアンヘル・コレアを売却できず、資金繰りが叶わなかった。それでも昨季に近い戦力を整えることはできた印象だが、それも「新加入選手から期待通りのパフォーマンスを引き出すことができれば」の話だ。

 その点、プレシーズン中から目覚ましい活躍を見せてきたフェリックスは、新生アトレティコの「希望の星」としてファンの期待を集めている。スピード、テクニック、閃き、そして得点力に優れた19歳のクラックは、今夏のインターナショナルチャンピオンズカップでレアル・マドリードを7-3、ユヴェントスを2-1で破る上で決定的な役割を果たし、早くも攻撃の中心としての地位を確立しつつある。

 ディエゴ・シメオネ監督はジエゴ・コスタとアルバロ・モラタを2トップに並べ、フェリックスを横並びの中盤の右サイド、もしくはダイヤモンド型中盤の頂点に配置する形を構想している。だが2トップのポジション争いに加わるはずだったロドリゴを獲得できず、モラタとコスタが入れ替わりで離脱していたこともあり、ここまでは2トップの一角に入る試合が続いている。その方がよりゴールに近い位置でプレーでき、守備の負担も軽減されるメリットがあるだけに、前線の駒が揃った際に指揮官がどのような采配を見せるか注目したい。

中心はシメオネのサッカーを熟知したセンターライン

顔ぶれは大きく変わったが、オブラク、ヒメネス、コケ、サウールらセンターラインを中心に戦う [写真]=Getty Images


 両SBのトリッピアーとロディも開幕直後からチームにフィット。特に攻撃面では開幕戦でトリッピアー、エイバルとの第3節はロディが決勝点をアシストするなど、即戦力として活躍している。懸念は本職の左SBがロディしかいないことだ。緊急時にはオールラウンダーのサウール・ニゲス、左利きのCBエルモソらを起用するしかなく、ロディが長期離脱を強いられるようなことがあれば大変だ。実際、ロディが出場停止となった第2節レガネス戦ではサウールを左のウイングバックに起用する3-5-2を試したが、思うように機能しなかった。

 他の新加入選手はまだ十分な出番を与えられておらず、評価し難い状況にある。エルモソにフェリペ、ジョレンテ、エレーラ、イヴァン・シャポニッチ。彼らがいち早くシメオネのスタイルを理解し、主力組と遜色ないパフォーマンスを提供できるようにならなければ、アトレティコの今季は選手が大きく入れ替わり移行しただけのシーズンとして消費されることになるだろう。

 とはいえ守護神ヤン・オブラク、ゴディンの背番号2を受け継いだホセ・マリア・ヒメネス、クラブ生え抜きのコケとサウール・ニゲスら、9シーズン目を迎えたシメオネのフットボールを熟知したセンターラインは揃っている。どの試合も盤石とは言い難い内容ながら、ラ・リーガで唯一3連勝を挙げている安定感と効率性を武器に、今季も泥臭く、1試合1試合を戦っていくことだけは確かなはずだ。

文=工藤拓

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