C・ロナウドもモウリーニョもネイマールもカッコいい…DAZNの『THE MAKING OF』が想像以上に良かった

　なんだか面白そうなコンテンツがアップされているな。そう思って視聴してみたら、想像以上に良かった。DAZNが配信しているオリジナルコンテンツ『THE MAKING OF（ザ・メイキング・オブ）』のことだ。

『THE MAKING OF』はDAZNグローバルアンバサダーのクリスティアーノ・ロナウド、ネイマール、ジョゼ・モウリーニョ氏が、自身のキャリアの中で印象に残っている3つの試合について当時の心境を語る、DAZNオリジナルのインタビュー番組だ。今回は全部で9つあるエピソードのうち、特に印象に残った3つを紹介する。

「クリスティアーノ・ロナウド編EP.1－THE AUDITION〜オーディション〜」

　まずはC・ロナウドがスポルティング時代にマンチェスター・Uと対戦した親善試合を振り返る「THE AUDITION〜オーディション〜」。C・ロナウドがマンチェスター・Uに移籍するきっかけとなったことで有名なあの試合だ。

　番組ではC・ロナウド本人が試合を振り返るだけでなく、試合で対峙したジョン・オシェイや、当時のスポルティングの指揮官、フェルナンド・サントス監督も登場。20分以上をかけて丁寧に1試合を振り返っている。

　試合のハイライトやC・ロナウドの好プレーはこれまでに映像を見たことがあったが、実際にC・ロナウド本人がこの試合を振り返るのは、やはり貴重。

「あの試合ですべてのクラブが知った。僕に賭ければ勝てるとね」。このセリフだけでも見る価値があるってくらいカッコいい……。それだけじゃなく、オシェイがジョークを交えながらC・ロナウドを称賛したり、フェルナンド・サントス監督が「あれだけ活躍すると分かっていたら出場させなかったよ」と嘆くシーンも印象的だった。

「ジョゼ・モウリーニョ編EP.2－THE FAMILY〜家族〜」

　モウリーニョがインテル時代の3冠達成を振り返る「THE FAMILY〜家族〜」も素晴らしかった。僕はユヴェンティーノだからインテルが歓喜に湧くシーンなんて御免だ、と思いながら見始めたけど、やっぱりモウリーニョは絵になる男だった。

　この回で振り返るのは、インテルがCL決勝でバイエルンを下し、イタリア勢として史上初の3冠を達成した試合。モウリーニョが、恩師ファン・ハール監督を破った秘訣を明かし、インテリスタやジャーナリストが、そんなモウリーニョの凄さを語る。さらに当時の守護神ジュリオ・セーザルも登場するのだが、彼がまたいい味を出している。

　モウリーニョはCL優勝後、サポーターの待つミラノへ戻ることなくインテルに別れを告げ、そしてレアル・マドリードの監督に就任した。彼はなぜ、戻らなかったのか。その理由をモウリーニョが自らの口で初めて明かしている。

　残念ながら“最高の別れ”とはならなかったが、モウリーニョと3冠達成当時のメンバーは今でも繋がっているという。グループチャットを作っていて、グループ名は“トレブル”。J・セーザル曰く、そのグループを一番利用しているのが、ほかならぬモウリーニョだそうだ。

「ネイマール編EP.2－THE PROMISE〜約束〜」

　最後に紹介するのは、歴史に残る大逆転劇、バルセロナvsパリ・サンジェルマンをネイマールが振り返る「THE PROMISE〜約束〜」。

　ファーストレグを0－4で落としたバルセロナは、CLの歴史上、前例のない大逆転を目指してカンプ・ノウにPSGを迎えた。誰もが勝ち抜けは不可能だと思っていたが、ネイマールだけは信じていた。そして友人に「2ゴールを決める」と約束していたというのだ。

　結果的にネイマールは有言実行の2ゴールに加え決勝点をアシストし、歴史的な勝利の立役者となったわけだが、2点目（チーム5点目）のPKにはあるドラマが……。スアレスが倒されて得たPKを、ネイマールはエース・メッシに託そうとした。しかし、メッシは「君が蹴れ」とネイマールをキッカーに指名したのだ。「外したらサポーターの夢を壊してしまう」という計り知れないプレッシャーの中できっちりと決め切ったネイマールは、さすがとしか言いようがない。

　番組にはPSGのサポーターも登場し、ただバルセロナの偉業として切り取るのではなく、敗者の思いが感じられる点も良かった。なにより、今、ハイライトを見返しても鳥肌が立つあの試合を、主役であるネイマール本人が振り返るのだから、興奮せずにはいられない。

　
『THE MAKING OF』はDAZNにて視聴可能。各エピソードは25分程度にまとまっており、ちょっとした時間で楽しむことができる。この3人のファンでなくとも、見て損はしない。少しでも興味が湧いた方は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

文＝編集部