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後世に語り継ぐべきドラマチックな大会に…今季のCLで起こった史上初の出来事

2019.06.04

今季のCLで起こった史上初の出来事 [写真]=Getty Images

 リヴァプールの優勝で幕を閉じた2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)。約1年にわたって行われた欧州最高峰の戦いでは、これまでに類を見ないほどのドラマが誕生した。そこで今回は、今シーズンのCLで起こった“史上初の出来事”をおさらいする。

■CL本戦初出場

ツルヴェナ・ズヴェズダ

[写真]=Action Plus via Getty Images

今大会のグループステージを戦った32チームで唯一の“初出場”となったのが、セルビアの名門ツルヴェナ・ズヴェズダだった。昨シーズン、32勝4分け1敗の成績でセルビアリーグを制し、今シーズンのCLプレーオフに挑むと、ザルツブルクを下して本戦出場権を獲得。大会名が「チャンピオンズリーグ」へ改称されて以降、初のグループステージ出場を果たした。本戦ではパリ・サンジェルマンリヴァプールナポリが同居するグループCに入ると、最下位での敗退を余儀なくされたが、ホームのリヴァプール戦では2-0と完封勝利。昨シーズンのファイナリスト(そして今シーズンの王者!)を相手にジャイアントキリングを達成してみせた。

■驚異の20シーズン連続出場

カシージャス

[写真]=VI Images via Getty Images

今大会はベテランの健在ぶりも光った。ポルトの元スペイン代表GKイケル・カシージャスは、グループステージ第1節シャルケ戦に出場したことで、史上初となる20シーズン連続のCL出場を達成。レアル・マドリード所属時の1999年、18歳でCLデビューを果たしてから37歳で迎えた今大会まで、20年連続で欧州最高峰の舞台に立った。元ウェールズ代表MFライアン・ギグス氏は19大会、元イングランド代表MFポール・スコールズ氏は17大会出場を記録しているものの、連続出場ではない。サッカー選手のなかでも息の長いGKというポジションとはいえ、偉大な記録を樹立した。

■予選2回戦からの勝ち上がり

アヤックス

[写真]=Getty Images

“敢闘賞”に輝くチームがあるとすれば、アヤックス以外には考えられないだろう。昨シーズンのエールディヴィジを2位で終えた彼らの今シーズンのCLは、2018年7月25日に行われた予選2回戦からスタート。オーストリアのシュトゥルム・グラーツやベルギーのスタンダール・リエージュ、ウクライナのディナモ・キエフを破り本戦に勝ち進むと、グループステージではバイエルンベンフィカといった強豪が同居する組を2位で突破。決勝トーナメントに入っても快進撃は止まず、レアル・マドリードユヴェントスを破って、“欧州4強”まで辿りついた。トッテナムに敗れてファイナル進出は逃したものの、予選2回戦から準決勝まで勝ち進んだのはCL史上初のこと。今シーズンはCLだけで18試合を戦ったが、これはエールディヴィジのシーズン試合数(34)の半数を上回る。

■ホーム0-2からの大逆転

マンチェスター・U

[写真]=Getty Images

決勝トーナメント1回戦では、マンチェスター・Uが新たな金字塔を打ち立てた。パリ・サンジェルマンを本拠地オールド・トラッフォードに迎えたファーストレグは0-2で敗れたものの、敵地でのセカンドレグは3-1と勝利。試合終了間際に獲得したPKを決めてアウェイゴール差で上回り、劇的なベスト8進出を決めた。ホームで2点差以上の黒星を喫しながら逆転でラウンドを突破したのは、CLの歴史で初めてのこと。準々決勝で敗退となったものの、“赤い悪魔”が再び底力を見せつけた瞬間だった。

■初採用のVARがドラマを演出

VAR

[写真]=Getty Images

昨夏のロシア・ワールドカップで、お馴染みのものとなったビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)。CLでも、今大会の決勝トーナメントから正式導入された。特にVARの存在がクローズアップされたのが、準々決勝セカンドレグのマンチェスター・C対トッテナムの一戦だろう。マンチェスター・Cが4-2として迎えた73分、トッテナムフェルナンド・ジョレンテがCKからゴールネットを揺らす。ハンドの可能性があったが、VARによって正式な得点として認められると、後半アディショナルタイムにドラマが待っていた。ラヒーム・スターリングがネットを揺らして、マンチェスター・Cが劇的な逆転突破を果たしたかに思えたが、VARの指摘でアシストしたセルヒオ・アグエロがオフサイドと判明。得点は認められず、2試合合計4-4、アウェイゴールの差でトッテナムがベスト4進出を果たした。VARによって、天国と地獄が一瞬で入れ替わる壮絶な試合となった。

■アジア人最多ゴール記録樹立

ソン・フンミン

[写真]=Getty Images

もちろん、トッテナムの劇的な準決勝進出を支えたのは、VARだけではない。韓国代表FWソン・フンミンは、マンチェスター・Cとの準々決勝セカンドレグで2得点をマーク。CL通算得点を「12」とし、ディナモ・キエフなどでプレーしていた元ウズベキスタン代表FWマクシム・シャツキフが保持していた記録の11ゴールを上回って、アジア人CL最多得点記録保持者となった。大黒柱のハリー・ケインを欠いたなか、トッテナムの“エース”として見事な結果を残し、チームをベスト4進出に導いた。

■ファーストレグ0-3からの逆転劇

リヴァプール

[写真]=Getty Images

今大会最大の“奇跡”と言えば、やはりリヴァプールの大逆転劇が挙げられる。バルセロナとの準決勝ファーストレグは敵地で0-3と敗戦。絶体絶命の状況に陥ったが、聖地アンフィールドで行われたセカンドレグを4-0で制し、スコアをひっくり返した。欧州カップ戦の準決勝において、ファーストレグを0-3で落としたチームが次のラウンドへ進出するのは史上初めてのこと。またこの試合では、ジョルジニオ・ワイナルドゥムがCL史上初めて、バルセロナ相手に途中出場で2得点を挙げた選手となった。

■史上最多6チームの逆転劇

今シーズンのCLがこれまでで最もエキサイティングな大会になったのは、逆転劇の数が半端なかったからだろう。決勝トーナメント以降、6チームがセカンドレグに逆転し、次のラウンドへ進出。これはCL史上最多記録だった。今大会は、ベスト16でマンチェスター・U(vsパリ・サンジェルマン)、ポルト(vsローマ)、アヤックス(vsレアル・マドリード)、ユヴェントス(vsアトレティコ・マドリード)が、それぞれ逆転突破。さらに準決勝では、リヴァプール(vsバルセロナ)とトッテナム(vsアヤックス)の両チームが逆転でのファイナル進出を決めた。

■初の決勝進出

トッテナム

[写真]=Tottenham Hotspur FC via Getty Images

リヴァプールに敗れて準優勝に終わったものの、クラブ史上初のCL決勝進出を果たしたトッテナムの偉業が色あせることはない。前身のチャンピオンズカップ時代を含めると、ファイナルの舞台に辿りついた史上40番目のクラブであり、2007-08シーズンのチェルシー以来、11年ぶりに初の決勝進出クラブが誕生した。イングランド勢としても、決勝の舞台を経験した史上8番目のクラブとなった。

■決勝でノーカード

ファン・ダイク

[写真]=Getty Images

トッテナムリヴァプールの決勝戦は、最もクリーンなファイナルとなった。90分を通して、イエローカードもレッドカードもなし。CL決勝が“ノーカード”で終わったのは初めてのことだった。ちなみに、これまでの最少記録は、1999年のマンチェスター・U対バイエルン、そして昨年のレアル・マドリードリヴァプールのイエローカード1枚。ダミル・スコミナ主審による開始早々のPK判定は波紋を呼んだが、その後は荒れた展開になることもなく、非常に珍しい形で試合終了のホイッスルを聞くこととなった。

■21歳以下でCL決勝連続スタメン

アレクサンダー・アーノルド

[写真]=picture alliance via Getty Images

アヤックスを筆頭に若くて優秀なタレントの活躍が目立った今大会。優勝したリヴァプールでは、トレント・アレクサンダー・アーノルドが驚異的な記録を樹立していた。トッテナムとの決勝戦では、20歳237日で先発出場。昨シーズンに続いて2年連続のCL決勝スタメンとなり、21歳以下の選手として初の快挙を成し遂げた。ちなみに、これまでの最年少記録は、1995年のCL決勝アヤックス戦で、当時ミラン所属の元イタリア代表DFクリスティアン・パヌッチが記録した22歳42日。24年ぶりの記録更新となった。

■初のビッグイヤー獲得

クロップ

[写真]=Getty Images

14年ぶり6度目の欧州制覇を成し遂げたリヴァプール。最大の功労者であるユルゲン・クロップ監督にとっては、ひときわ特別なタイトルとなった。ドルトムントの指揮官として優勝した2012年のDFBポカール以来、カップ戦ファイナルでは6連敗。CLでは2013年と昨年の2度にわたって優勝を逃していた。それでも“7度目の決勝”で初の戴冠。今シーズンのプレミアリーグでも、あと一歩のところでマンチェスター・Cに優勝を譲り、無冠の可能性があったものの、“シルバーコレクター”を返上して見事、欧州一の座に辿りついた。

(記事/Footmedia)

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