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今季CLは3人、ELは5人が出場の可能性…日本人在籍クラブの展望は?

2018.09.18

今季のCL、ELは日本人選手8名が登録 [写真]=Getty Images

 2018-19シーズンの欧州カップ戦には、UEFAチャンピオンズリーグに3人、UEFAヨーロッパリーグに5人、合計8人の日本人プレーヤーが参戦する。両大会でサムライたちはどんな戦いを見せるのか。8人が所属するクラブのグループリーグを展望する。

●CL グループA

香川真司

[写真]=Alexandre Simoes/Borussia Dortmund/Getty Images

アトレティコ・マドリード(スペイン)
ドルトムント(ドイツ)※香川真司所属
モナコ(フランス)
クラブ・ブルージュ(ベルギー)

 優勝候補の一角にも挙げられるアトレティコが本命、香川真司所属のドルトムントが2番手というのがこのグループの構図。もっとも、18歳の神童ソフィアン・ディオプを筆頭に伸びしろがありそうな若手がそろうモナコ、国内リーグで好調を維持するベルギー王者クラブ・ブルージュと、一癖も二癖もあるクラブがそろった。

 ドルトムントの初戦はホームで驚異的な強さを誇るブルージュとのアウェイ戦だが、アトレティコが2位以内を逃すケースは考えにくく、ここで確実に勝ち点3をもぎ取っておく必要がある。ブルージュ、モナコとの最初の2試合で着実にポイントを稼ぎ、第3節、第4節に控えるアトレティコとの連戦を余裕を持って迎えることが、決勝トーナメント進出のカギとなるだろう。

 今夏に移籍の噂があった香川はここまでベンチ入りすらままならない状況だが、代表ウィーク明けの過密日程期間に出番を得てアピールしたいところだ。

■CL グループA第1節
9月18日(火) 28:00~
モナコ vs アトレティコ・マドリード
クラブ・ブルージュ vs ドルトムント

●CL グループD

長友佑都

[写真]=Emrah Yorulmaz/Anadolu Agency/Getty Images

ロコモティフ・モスクワ(ロシア)
ポルト(ポルトガル)
シャルケ(ドイツ)
ガラタサライ(トルコ)※長友佑都所属

 全グループの中でチーム力やクラブの格が最も均衡しており、どの試合も紙一重で勝敗が決する可能性が高い。その中であえて本命を挙げるなら大会常連で“CL巧者”のポルトだ。昨季は4チームの中で唯一本戦出場を果たし、ラウンド16に進出している。

 3シーズンぶりの出場となるガラタサライは、闘将セルチュク・イナンや守護神フェルナンド・ムスレラといった精神的支柱に加え、百戦錬磨のファティ・テリム監督がチームを率いているのが強み。長友もインテル時代の2011-12シーズンにCLの舞台を踏んでおり、ドメニコ・テデスコ監督を筆頭に“若いチーム”のシャルケ、ここ数年はELが主戦場だったロコモティフ・モスクワと比べて経験値に一日の長がある。ホームで行われるロコモティフとの初戦で波に乗れれば、決勝トーナメント進出は現実的な目標だ。

■CL グループD第1節
9月18日(火) 28:00~
シャルケ vs ポルト
ガラタサライ vs ロコモティフ・モスクワ

●CL グループG

西村拓真

写真はベガルタ仙台在籍時のもの [写真]=Hiroki Watanabe/Getty Images

レアル・マドリード(スペイン)
ローマ(イタリア)
CSKAモスクワ(ロシア)※西村拓真所属
プルゼニ(チェコ)

 王者レアル・マドリードが本命、昨季ベスト4のローマが対抗と見るのが妥当。特に3連覇中の王者が2位以内を逃す展開は考えにくく、西村拓真が加入したCSKAモスクワにとってはいかに2強の構図を崩し、2位争いに加われるかどうかが焦点となる。

 CSKAは国内リーグでゴールを量産中の新鋭フョードル・チャロフに、ウルグアイ代表のアベル・エルナンデスと西村を加えた前線が質、量ともに充実。若返りを果たした守備陣も191センチの長身DFロドリゴ・べカン、守護神イゴール・アキンフェエフを中心に統率が取れており、そう簡単には崩れない。

 戦前の予想ではプルゼニとともに“アウトサイダー”の扱いながら、初戦のプルゼニとの直接対決を制して“2強”に宣戦布告したいところ。初戦をサンティアゴ・ベルナベウで戦わなければならないローマが序盤でつまずくようなら光明が見えてくる。

■CL グループG第1節
9月19日(水) 28:00~
プルゼニ vs CSKAモスクワ
レアル・マドリード vs ローマ

●EL グループB

南野拓実

[写真]=Srdjan Stevanovic/Getty Images

ザルツブルク(オーストリア)※南野拓実所属
セルティック(スコットランド)
ライプツィヒ(ドイツ)
ローゼンボリ(ノルウェー)

 ザルツブルクはCLプレーオフこそアウェーゴールの差で落としたが、ELでは昨季ベスト4と実績で他の3クラブを上回る。日本代表に復帰した南野拓実もステップアップを果たすためにこの大会で明確な結果を出したいところ。チームの躍進に貢献することがそのまま4大リーグ行きへのアピールとなる。

 ザルツブルクのライバルとなるのは“姉妹クラブ”でもあるライプツィヒとスコットランド王者のセルティック。もっとも、前者は国内リーグに比重を置いた戦いが予想され、実質的な対抗馬は国内敵なしでELに余力を残せる後者のみだろう。

 一方、最も力が落ちると見られているローゼンボリも、国内リーグが春秋制ということもあってチーム完成度はピカイチ。U-21スウェーデン代表のFWヨナタン・レーヴィ、若くして中盤の底に君臨するU-21セルビア代表ジョルジェ・デニッチなど覚えておきたいタレントがそろっている。

■EL グループB第1節
9月20日(木) 28:00~
セルティック vs ローゼンボリ
ライプツィヒ vs ザルツブルク

●EL グループD

森岡亮太

[写真]=Vincent Van Doornick/Isosport/MB Media/Getty Images

アンデルレヒト(ベルギー)※森岡亮太所属
フェネルバフチェ(トルコ)
ディナモ・ザグレブ(クロアチア)
スパルタク・トルナヴァ(スロバキア)

 2016-17シーズンは準々決勝進出、2015-16シーズンもベスト16入りとELでの実績があるアンデルレヒトが首位通過の最有力候補だ。森岡は国内リーグの開幕6試合で出場が途中交代による1試合と出番に恵まれていないが、格下と見られるスパルタク・トルナヴァとの初戦は自身の存在価値を示す絶好のチャンスだ。

 ライバルの一角フェネルバフチェは現在国内リーグで4戦3敗と絶不調。早くもフィリップ・コクー新監督の進退問題が浮上しており、ELにどこまでモチベーションを割けるか不透明な状況にある。アルジェリア代表FWのイスラム・スリマニを筆頭に、アンドレ・アイェウ、マウリシオ・イスラ、ロマン・ノイシュテッターとタレントはそろっているが、チーム状態の不安定さはアンデルレヒトにとって朗報だ。

 むしろ警戒すべきはCLプレーオフに敗れてELに回ってきたディナモ・ザグレブだろう。プレーオフではスイスのヤングボーイズに僅差で敗れたが、不調のフェネルバフチェを初戦で叩けば一気に勢いに乗るはずだ。控えながらロシアW杯で準優勝を経験した23歳の守護神ドミニク・リヴァコヴィッチにも注目だ。

■EL グループD第1節
9月20日(木) 28:00~
ディナモ・ザグレブ vs フェネルバフチェ
スパルタク・トルナヴァ vs アンデルレヒト

●EL グループF

乾貴士

[写真]=Aitor Alcalde Colomer/Getty Images

オリンピアコス(ギリシャ)
ミラン(イタリア)
ベティス(スペイン)※乾貴士所属
デュドランジェ(ルクセンブルク)

 5シーズンぶりにELに参戦するベティスにとっては厳しいグループとなった。2シャドーの一角を担う乾を筆頭に、アンドレス・グアルダード、ウィリアム・カルバーリョ、マルク・バルトラとセンターラインには好タレントがそろっているが、欧州カップ戦常連のオリンピアコスやミランにどこまで対抗できるかは未知数だ。

 もっとも、昨季国内無冠に終わったオリンピアコス、セリエAでの上位返り咲きを目指すミランのプライオリティはともに“国内”にあり、オリンピアコスはPAOK戦とAEKアテネ戦の間に組み込まれた第2節、ミランもミラノダービー直後に組まれた第3節あたりでメンバーを落としてくる可能性が高い。ベティスとしてはその間に着実にポイントを重ね、グループの主導権を握る展開へ持っていきたいところだ。

■EL グループF第1節
9月20日(木) 28:00~
オリンピアコス vs ベティス
デュドランジェ vs ミラン

●EL グループH

酒井宏樹

[写真]=Guillaume Ruoppolo/Icon Sport via Getty Images

長谷部誠

[写真]=Simon Hofmann/Bundesliga/DFL via Getty Images

ラツィオ(イタリア)
マルセイユ(フランス)※酒井宏樹所属
フランクフルト(ドイツ)※長谷部誠所属
アポロン(キプロス)

 昨季準優勝のマルセイユ、同ベスト8のラツィオという地力のある2チームに、長谷部所属のフランクフルトがどう絡んでいくかがこのグループの見所だろう。

 前回あと一歩のところで優勝を逃したマルセイユは、リベンジに向けて意気込み十分。前線のコスタス・ミトログルとヴァレール・ジェルマンを使い分けるなど、国内リーグとの二足のわらじを乗り切る戦力も有している。移籍期限ぎりぎりでオランダ代表MFのケヴィン・ストロートマンを加えたのもクラブの意欲の表れだ。ケガの影響で昨季の決勝に出場できなかった酒井も期するものがあるはずだ。

 フランクフルトは国内カップ戦で2シーズン連続決勝進出と、接戦をモノにする勝負強さを備えるが、その立役者だったニコ・コバチ監督はバイエルンに去った。これまでと同様に粘り強く戦えるかどうかは、長谷部を中心とした守備陣の出来に懸かっている。

■EL グループH第1節
9月20日(木) 25:55~
ラツィオ vs アポロン
マルセイユ vs フランクフルト

文=河治良幸

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By 河治良幸

サッカージャーナリスト。プレー分析を中心に、Jリーグから日本代表、海外サッカーまで幅広くカバー。

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