今シーズンのCLで好調を維持しているプレミア勢 [写真]=Getty Images
今シーズン、欧州の覇権はリーガ・エスパニョーラからプレミアリーグに移りつつあるのかもしれない。スペイン紙『マルカ』が22日付で特集記事を掲載している。
近年、スペイン勢はチャンピオンズリーグ(CL)で無類の強さを発揮してきた。過去10シーズンのCL優勝チームを国別に分類すると、ここ4年連続でCLを勝ち取っているスペイン勢が最多6度の優勝を誇る。続いて、イングランド勢が2度、イタリア勢とドイツ勢が1度ずつの優勝回数を記録している。
欧州最高峰の舞台で他国を圧倒してきたスペイン勢だが、今シーズンはイングランド勢が高い壁となって立ちはだかっている。グループステージから決勝トーナメント1回戦ファーストレグを終了した時点で、イングランド勢から1度も勝利を挙げられていないのだ。ここまで8度対戦し、6分け2敗と未勝利に終わっている。
また、直接対決のみならず、今大会トータルの成績でもイングランド勢はスペイン勢を上回っている。イングランドの5チームがここまでに残した戦績は、23勝9分け3敗。一方で、スペインの4チームは12勝12分け3敗となっている。勝率を比較すると、66パーセントのイングランド勢に対して、スペイン勢は44パーセントと、両者には20パーセント以上の開きがあるのだ。
では、なぜイングランド勢は今シーズンこれほど強いのか。バルセロナの下部組織出身で、チェルシー在籍時代にCLとヨーロッパリーグ(EL)を制覇した経験を持つスペイン人MFオリオール・ロメウ(現サウサンプトン)は、『マルカ』紙のインタビューで自身の見解をこう述べている。
「昔、イングランドではCLが重要な大会だと考えられていなかった。でも、最近はより重要視されてきているし、より上を狙おうという意欲がある。たしかに僕はチェルシーでCLとELを勝ち取ったけれど、当時は重要なタイトルだとみなされてなかったんだ」
「でもここ数年で、どのクラブも選手層を厚くして、欧州カップ戦の決勝ラウンドにベストのコンディションで臨もうとしている。そこが、これまでとは違う。もちろん今も、プレミアリーグで求められるレベルは非常に高いけれど、ここまではうまくいっているね。最後の結果がどうなるか見てみよう」
イングランド勢が好調である要因について、CLに対する意識の変化を挙げたロメウ。その他、高額の放映権料やクラブの資金力なども一因に挙げられるかもしれない。
過去を振り返れば、2011-12シーズンにチェルシーがCLで優勝して以来、イングランド勢は準決勝にすらほとんど勝ち残っていない。しかし今シーズンは、全5チームがベスト8に進出する可能性が残っている。
果たして、イングランド勢が6シーズンぶりに欧州の頂点を極めるのか。あるいはスペイン勢の支配が続くのか。はたまた、新興勢力が初優勝を掴みとるのか。ハイレベルな覇権争いの行方に注目が集まる。
(記事/Footmedia)
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