メッシと握手するロス氏 [写真]=Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)の副審を担当するため、採決を欠席した国会議員がイギリスにいるようだ。イギリスメディア『BBC』が18日に伝えた。
その国会議員はスコットランド出身で保守党のドウグラス・ロス氏。今年6月に行われたイギリス総選挙で当選した34歳の政治家で、以前にはスコットランド議会で議員を務めていた。また、もう1つの顔としてサッカーの審判としても活動しており、チャンピオンズリーグの舞台や2015年にはスコットランドカップの決勝で主審をサポートした。
議員と審判の2つの顔を持つロス氏は18日、CLグループステージ第3節バルセロナ対オリンピアコスの試合を担当するためにスペインへ赴いた。しかしその日、イギリスの国会では低所得者や失業者向けの社会保障政策「ユニバーサルクレジット」に関する議論や投票が行われており、バルセロナに向かったロス氏はこれを欠席していた。
ロス氏の行動に対し、スコットランド民族党のジョン・マクナリー氏はレッドカードを掲げて抗議し、同党のスチュワート・スティーヴンソン氏も「有名選手の肩を叩いてやりたいがために国民の声をないがしろにした」と非難を重ねた。テリーザ・メイ首相は「スコットランド保守党は民族党よりもスコットランドのために行動している」とロス氏を擁護している。
一方ロス氏の報道官は「民族党の主張とは異なり、モレー(ロス氏の選挙区)の人々はロス氏、ひいては審判業を強く支持している。それは数カ月前の選挙で彼を国会議員に選んだ結果からも明らかだ」とコメント。党や地元有権者の支持を受けての活動だと強調している。