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【CL準々決勝第2戦プレビュー】レスター、ドルトムントは逆転突破なるか Wシンジの活躍にも期待

2017.04.18

ファーストレグは前半のみの出場だった岡崎 [写真]=ムツ カワモリ

 11日と12日にチャンピオンズリーグ準々決勝のファーストレグを戦った8チームは18日と19日にセカンドレグを迎える。ユヴェントスがホームでバルセロナに3-0と完勝した以外は全て1点差となっており、僅差で第2戦に勝負が持ち越されている。カンプ・ノウで3点差を追いかけるバルセロナも、ラウンド16ではパリ・サンジェルマンを相手にファーストレグで付けられた4点差をひっくり返しており、選手もサポーターも希望を失ってはいないだろう。

 注目の4試合のうち、日本人選手が所属する2チームの試合をピックアップし、展望する。

レスターvsアトレティコ・マドリード

 堅守速攻を基本スタイルとするチーム同士の戦いで、ファーストレグはアトレティコのシメオネ監督が戦前に予想した通りのロースコアとなった。唯一の得点となったPKもグリーズマンがオルブライトンに倒された位置が微妙で、レスターのシェイクスピア監督もFKの判定が妥当だったという見解を公言したほどだ。

 しかし、岡崎慎司を45分で代え、システムを4-4-2から4-1-4-1に変更して戦ったレスターにとって0-1は悪い結果ではなく、ホームのレスター・シティー・スタジアムで巻き返すプランを立てているはずだ。シンプルにサイドを起点とするレスターの攻撃スタイルは変わらないが、高い位置でボールを奪い、押し上げてゴール前の迫力をプラスしていくと考えられる。

 ファーストレグは前半だけで退いた岡崎も精力的なチェイシングとショートカウンターからの果敢な飛び出しという攻守の特徴を発揮しやすい状況になる。その岡崎と2トップを組むヴァーディは2-2と引き分けたプレミアリーグのクリスタルパレス戦でゴールをあげるなど調子は良く、マフレズなどがサイドの高い位置から仕掛けるシーンを作り出せれば、ゴール前で勝負強さを発揮できる。

 ただ、アトレティコとしては相手が前から来てくれた方が持ち味を発揮しやすく、グリーズマンなどのスピードを生かしやすい側面もある。1つのアウェーゴールが生命線となる試合で、守備の要フートを出場停止で欠くレスター守備陣がいかにアトレティコのカウンターを防ぐのかが大きなポイントになる。またアトレティコはセットプレーの得点率が高いチームだけに、CKや危険な位置のFKに対して攻撃陣も含め、全員で守り抜く必要がある。

モナコvsドルトムント

 ドルトムントのチームバスを襲った爆発事件の影響でファーストレグは火曜日から水曜日に試合が延期された同カード。バルトラが右手首に手術を要する大ケガを負い、特にドルトムントは精神的なショックが覚めやらない中での試合を強いられたが、0-2から1ゴール&1アシストを記録した香川真司の活躍などで後半に立て直し、2-3で敗れたもののアウェーでのセカンドレグに望みをつないだ。

 ドルトムントは週末のリーグ戦でフランクフルトに3-1で勝利し、ロイスも復活を印象付ける先制ゴールを決めた。ここまでホームゲームで負け無しのモナコに勝利、しかも3つのアウェーゴール差を跳ね返すことは簡単ではないが、攻撃陣は香川を中心に噛み合ってきている。

 おそらくドルトムントがボールを持ち、モナコがコンパクトなディフェンスからベルナルド シウバ、レマルという気鋭のドリブラーを起点に鋭いサイド攻撃を狙う構図はホームとアウェーが逆になっても大きく変わることはないだろう。ドルトムントは高い位置に起点を作りゴールを目指す中でも、ファルカオとムバッペの強力2トップにいい形でラストパスが渡らない様に、パパスタソプーロスを中心とした守備陣がケアしていく必要がある。

 モナコはファーストレグで出場停止だったバカヨコが復帰するが、今度は同じ守備的MFのファビーニョが累積警告で欠場する。司令塔でもあるモウチーニョと対人戦に滅法強いバカヨコのコンビが香川をはじめとしたドルトムントの起点をどこまで封じるかが勝負の分水嶺になりうる。

文=河治良幸

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By 河治良幸

サッカージャーナリスト。プレー分析を中心に、Jリーグから日本代表、海外サッカーまで幅広くカバー。

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