守護神退場もウェルベックのハットトリックでアーセナルが快勝

　チャンピオンズリーグ・グループステージ第2節が1日に行われ、アーセナルとガラタサライが対戦した。

　グループリーグ初戦でドルトムントに完敗と厳しいスタートを切ったアーセナルは、グループリーグ突破に向けて勝ち点3が求められる今節、トルコの強豪ガラタサライをホームに迎えた。先週末に行われたトッテナム戦からのメンバー変更は3点。トッテナム戦で負傷したアーロン・ラムジー、ミケル・アルテタの代役にサンティ・カソルラ、マチュー・フラミニ、同じくコンディションに不安のあるジャック・ウィルシャーに代わってアレクシス・サンチェスが先発に復帰した。

　一方、初戦でグループ最弱と目されるアンデルレヒト相手にスコアレスドローという結果に終わったガラタサライは、ブラジル・ワールドカップでイタリア代表を率いたチェーザレ・プランデッリ新監督の下、ウェスレイ・スナイデルやフェルナンド・ムスレラ、ブレリム・ジェマイリといった選手が先発入りを果たした。

　戦前の予想通り、地力に勝るアーセナルが序盤からガラタサライを押し込んでいく。だが、全体的にパス回しのテンポが遅く、なかなかフィニッシュまで持ち込むことができない。

　一方、攻撃的MFが本職のスナイデルを3バックの前に置く［3－5－2］のシステムを採用したガラタサライは、立ち上がりから失点しないことを最優先とした守備的な戦い方を継続。攻撃の場面ではアンカーに入るスナイデルの高精度のフィードを前線のブラク・ユルマズに当てる形の仕掛けが目立った。

　ボールを保持するものの、効果的な攻めを仕掛けられないアーセナルだったが、相手の緩慢な対応を突いて最初のチャンスを先制ゴールに結びつける。22分、左サイドでドリブルを仕掛けたサンチェスがDFを引き付けて裏に走り込むダニー・ウェルベックにスルーパスを通す。ウェルベックはGKムスレラの股間を抜くシュートを決めた。

　この先制点でようやく緊張から開放されたアーセナルは攻撃のギアを一段上げる。30分、オーレリアン・シェジュのクリアミスに反応したウェルベックがフェリペ・メロとの競り合いを制してボックス左に抜け出し、GKの脇を抜く丁寧なシュートをゴール右隅に決める。続く41分にはメスト・エジルのスルーパスから簡単に裏を取ったサンチェスが、試合を決定付ける3点目を奪った。

　守備的に入りながら失点を重ねたガラタサライは、30分過ぎにジェマイリとゴラン・パンデフの元ナポリコンビの連係からゴールに迫った以外は、ほとんど攻撃に出るシーンはなかった。また、2失点に絡んだメロがサンチェスに危険なタックルを見舞うなど、フラストレーションだけが溜まる前半となった。

　迎えた後半、3点のビハインドを追うガラタサライのプランデッリ監督は、ハーフタイムでイェクタ・クルトゥルシュをベンチに下げてハミト・アルティントップを投入。また、メロを本来のセントラルハーフに戻した中盤がフラットの［4－4－2］にシステムを変更した。

　大量リードでややゆったりとした後半の入りとなったアーセナルだったが、絶好調のウェルベックが相手の脆弱な守備を切り裂く。52分、アレックス・チェンバレンのスルーパスに抜け出したウェルベックは、飛び出したGKムスレラの脇を抜く冷静なシュートを流し込み、ハットトリックを達成した。

　あとは無難にリードを守りきるだけで良かったアーセナルだったが、GKヴォイチェフ・シュチェスニーの軽率なプレーが楽勝ムードに水を差す。63分、パンデフからのスルーパスに抜け出したブラクをボックス内でシュチェスニーが倒し、PK献上。さらにこのファウルでレッドカードを受けたシュチェスニーが退場に。これを受け、アーセナルのアルセーヌ・ヴェンゲル監督はサンチェスを下げて控えGKのダビド・オスピナを投入するが、PKをブラクに決められた。

　1点を失った上、数的不利な状況に陥ったアーセナルは、69分にウムト・ブルト、ブルマを投入し攻撃の枚数を増やしたガラタサライに押し込まれる。しかし、80分のブラクのヘディングシュート、83分と87分にハミト・アルティントップ、スナイデルが放った強烈なシュートを緊急出動のオスピナが見事なファインセーブで阻み、さらなる失点を与えず。試合はこのまま4－1で終了を迎え、ウェルベックのハットトリックで大勝したアーセナルが、グループステージ初勝利を手にした。

（記事／超ワールドサッカー）

【スコア】
アーセナル　4－1　ガラタサライ

【得点者】
1－0　22分　ダニー・ウェルベック(アーセナル）
2－0　30分　ダニー・ウェルベック(アーセナル）
3－0　41分　アレクシス・サンチェス(アーセナル）
4－0　52分　ダニー・ウェルベック(アーセナル）
4－1　63分　ブラク・ユルマズ(ガラタサライ）