2013.09.16

いよいよ開幕のCL、今季は日本人4選手が参戦…憧れから活躍の場へ

チャンピオンズリーグに出場する本田、香川、宮市、内田(左上から時計回り) [写真]=Getty Images

 かつて、チャンピオンズリーグは日本人にとって憧れだった。

 日本代表がワールドカップに出場していなかった頃、ブラジル代表や西ドイツ代表などの強豪国が織り成すプレーに心躍らせていたように、レアル・マドリードやアヤックス、バイエルンといった世界に名だたるクラブチームの活躍に羨望の眼差しを送っていた。

 前身のチャンピオンズカップ時代の1978-1979シーズン、奥寺康彦がケルンの一員として、準決勝のノッティンガム・フォレスト戦で得点したことはあった。しかし、夢のような時間も一時で、その後は再び日本人とは無縁とも言える大会に逆戻り。ユヴェントスやミランといったセリエA勢がヨーロッパを席巻し、ヨハン・クライフの率いるバルセロナが頂点に立っても、チャンピオンズリーグに改称されようが、依然として日本人にとっては遠く離れた大会と言えた。

 しかし、そんなチャンピオンズリーグも、憧れの対象から徐々に変化してくことになる。98年に日本代表がワールドカップに初出場を果たしてから3年後。2001-2002シーズンに、当時アーセナルに所属していた稲本潤一が日本人選手として初めてピッチに立ってからは、選手の欧州移籍の加速とともに日本人の活躍も目立つようになっていく。同シーズンには、黄金世代の中心選手だった小野伸二がフェイエノールトで初出場を果たし、2006-2007シーズンには中村俊輔がマンチェスター・U相手に2本の直接FKを叩き込んだ。

 2010-2011シーズンでは、準々決勝のインテルとシャルケの一戦で、初めて日本人対決が実現。長友佑都と内田篤人が同じピッチに立ち、翌シーズンにはバイエルンに所属していた宇佐美貴史が決勝でベンチ入りを果たした。

 いつしか、憧れの対象から日本人選手の檜舞台と見られることになったチャンピオンズリーグだが、大会自体の成長も著しい。出場する欧州各地のトップクラブは世界中から選手をかき集め、欧州一の栄誉とともに100億円にも迫る優勝賞金獲得を目指して躍起となる。一流選手が最先端のスタジアムで競い合うことで莫大な利益を生み出す同大会は、ワールドカップにも劣らないスポーツ界のビッグイベントとなった。

 そんなサッカー界の「ヒト・モノ・カネ」が集中する最高峰も、17日からグループステージが開幕。2013-2014シーズンは、4人の日本人選手が出場する。

 グループAには、かつて中村にFKを叩き込まれたマンチェスター・Uが所属。シャフタール、レヴァークーゼン、レアル・ソシエダと同グループとなったが、地力ではマンチェスター・Uが頭ひとつ抜け出した形となっている。マンチェスター・Uに所属する香川真司は、リーグ戦で開幕から出場がないが、初戦の相手であるレヴァークーゼンは、ドルトムント時代にはゴールも挙げているだけに相性は悪くない。出場となれば、これまでの鬱憤を晴らすような活躍を期待したい。

 CSKAモスクワに所属する本田圭佑は、初出場だった2009-2010シーズンの決勝トーナメント1回戦で、自身の直接FKで決勝点を叩き出し、セビージャを下してクラブを初のベスト8に導いた。今夏はミランへの移籍が盛んに報じられたが、CSKAモスクワに残留が決定。王者のバイエルンをはじめ、マンチェスター・C、チェコ王者のビクトリア・プルゼニといった強豪揃いのチームと同居するグループDだが、契約満了となる今冬での移籍に向けては絶好のアピール機会となった。初出場時のような強烈なインパクトを与えられれば、移籍市場での選択肢も一気に広がる。

 2シーズン連続の出場となるシャルケは、グループEで前々回王者のチェルシーやバーゼル、ステアウア・ブカレストと同組となった。熱狂的なホームのサポーターの声援を背に、3シーズン前はクラブ記録のベスト4、昨シーズンはベスト16と安定した成績を残してきただけに、グループステージ突破への期待は膨らむ。また、内田はこれまでに、チャンピオンズリーグで通算18試合に出場。中村が持つ通算19試合の日本人選手出場記録の更新にも注目が集まる。

 宮市亮の所属するアーセナルは予選プレーオフを勝ち抜いて、16シーズン連続で本戦出場を決めたが、難敵揃いのグループFに割り振られた。マルセイユ、ドルトムント、ナポリが入った同グループは、本命や格下は不在。今大会屈指となった“死のグループ”で、14シーズン連続の決勝トーナメント進出を決められるか。また、予選プレーオフで途中出場した宮市は、チャンスの数は少ないことが予想される。ただ、注目度はケタ違いの大会だけに、出場した際の活躍次第では、大きく道が開ける可能性は十分にある。

 もちろん、日本人選手の他にも今シーズンも見どころが目白押し。近年の急成長で、ついに欧州の中心に躍り出たドイツ勢の栄華は続くのか。それとも、ネイマールを得たバルセロナ、ギャレス・ベイルを獲得したレアル・マドリードと、大型補強を敢行したスペイン勢の巻き返しとなるのか。セリエAの復権やプレミアリーグ勢の王座奪還の可能性、毎シーズン現れるダークホースの存在も興味深い。

 かつては憧れだったチャンピオンズリーグの舞台だが、いまや日本人選手がビッグイヤーを掲げても不思議ではない時代に移り変わった。来年5月24日にポルトガルのエスタジオ・ド・SLベンフィカで行われる決勝まで、欧州のみならず、日本を含めて世界中のサッカーファンを熱に浮かす戦いが、再びやってきた。

文●小谷紘友

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