2013.05.25

史上最強バイエルンの死角は…3つのテーマから読み取る攻略の糸口

今シーズン、圧倒的な強さを見せつけるバイエルン [写真]=Bongarts/Getty Images

 バイエルンが今シーズンに残した成績は、まさに圧巻の一言に尽きる。ブンデスリーガでは、史上最速となる6試合を残した時点で優勝を決め、重ねた29勝と勝ち点91はともにリーグ最多記録を更新。18失点は最少で得失点差プラス80は最多と、記録尽くめのシーズンだった。

 極めつけは、近年のサッカー界を席巻してきたバルセロナをチャンピオンズリーグの準決勝で、文字通り木っ端微塵に粉砕した。2試合合計7-0というスコアは、時代の変革を告げるには余りあるほどの圧勝劇だった。

 25日には、イングランドのウェンブリー・スタジアムで行われるチャンピオンズリーグ決勝で、2000-2001シーズン以来となる12年ぶりとなる欧州制覇を目論む。圧倒的な戦績から5度目の戴冠に向けての視界は良好だが、圧勝続きの戦いぶりによって目立たなかった3つのテーマから死角が浮かび上がってくる。

 最少失点を更新した堅守の守備陣だが、反面、ビルドアップには疑問符が残る。フィリップ・ラームらが絡むサイドバックの攻め上がりは脅威となるが、縦に速いシンプルな攻撃は、とりわけセンターバック陣の攻撃の組み立て能力の低さを覆い隠してきた。ダンチ、ジェローム・ボアテング、ダニエル・ファン・ブイテンはいずれも対人の守備には強さを誇るが、技術は平均的なレベルにある。繋ぎの部分でプレシャーがかかるとミスをする可能性も高くなり、自ずとチームのリズムも崩れていく。

 2つ目は、フランク・リベリーの依存度の高さにある。今シーズンのバイエルンは、わずかに3敗のみと圧倒的な成績を残すが、リーグでのレヴァークーゼン戦とチャンピオンズリーグのアーセナル戦では、いずれもリベリーが欠場。攻守に汗をかけ、フィニッシュワークにも多大な貢献をする大黒柱が欠場となれば、代わりとなる存在がいないだけに、チーム力の低下は避けられない。

 もちろん、不測の事態でもない限りリベリーは出場するものの、最後の3つ目がバイエルン封じで最も重要なポイントとなってくる。今シーズンのバイエルンは、新加入のマリオ・マンジュキッチが1トップに入った攻撃に特長を持つ。マンジュキッチは、リーグ戦でチーム最多得点の決定力もさることながら、豊富な運動量をベースにチャンスメークからポストプレー、前線での守備と幅広いプレーぶりを見せている。マンジュキッチの献身が、トーマス・ミュラーやアルイェン・ロッベン、リベリーら、2列目の得点力を引き出す。15ゴールのマンジュキッチがトップスコアラーであるように、選手に偏りなく得点が生まれているところに今シーズンのバイエルンの強さが見て取れる。しかし、バイエルンの攻撃の生命線は、転じて攻略の糸口にもなり得るので、マンジュキッチを孤立させられるかどうかが試合の趨勢を左右することになる。

 決勝でバイエルンと相対するのは、同じドイツ勢のドルトムント。今シーズンの対戦成績は、ドイツ・スーパーカップを含めバイエルンが2勝2分けで勝ち越した。一方、徹底されたハイプレスからのショートカウンターでサッカー界の話題をさらったドルトムントのサッカーは、バイエルンにとって最も組みづらい相手にもあたる。

 史上初のドイツ勢決戦の行方は、ドイツを制圧した勢いそのままに、バイエルンが欧州制覇を成し遂げるのか。それとも、リーグ2位でドイツ・カップでもバイエルンに屈したドルトムントが、大一番で一矢を報いるのか。欧州サッカーの最終決戦への興味は尽きない。

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