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人気爆発中の韓国代表FWチョ・ギュソンとは何者か?…ガーナ戦を経てフォロワー数はおよそ75倍に

[写真]=Getty Images

一夜にして国内外から注目される存在に

 韓国代表の次世代を担う大型ストライカー誕生の予感だ。

 28日に行われたFIFAワールドカップカタール2022・グループH第2節で、韓国代表はガーナ代表に2ー3で敗れた。決勝トーナメント進出に向けて痛恨の黒星となったが、チームで最も存在感を示していたのが背番号9のチョ・ギュソン(全北現代モータース)だった。

 1トップで出場したチョ・ギュソンは、2点差で迎えた後半13分、16分の立て続けにヘディングシュートでゴール。敗戦に終わったとはいえ、試合を一時振り出しに戻す活躍で多くの韓国サッカーファンを熱狂に包み込んだ。

 1998年1月生まれの24歳。189センチ・82キロの恵まれた体格に甘いルックスから、ツイッターでは「韓国の9番」がトレンド入りするなど、世界中で人気が爆発。大会前は2万人に過ぎなかったインスタグラムのフォロワー数も現在は150万人を超え、その増加の勢いはまだ止みそうにない。

 そんなチョ・ギュソンのこれまでを振り返ると、興味深いキャリアが見えてくる。というのも、彼は初めからストライカーとして活躍していたわけではなかったのだ。

 小学校でサッカーを始め、中学を経て進学したFC安養Uー18ユース格の安養工業高校で任されたポジションはセンターバック。加えて入学当時は身長169センチと背も低く、韓国で痩せた人のことを指す「ミョルチ」とも呼ばれるなど細身な選手だった。父親が言うには「前半から途中交代を心配して監督の顔色をうかがうほどの小心者」で、一時はサッカーを諦めようとした時期もあったらしい。

 その後、大学では守備的MFにポジションを移すも、世代別代表と無縁なのはおろか、チームでもベンチが定位置だった。だが、大学2年次の2017年、赴任した新監督から「ヘディングの強さ」と「ポジショニングの良さ」を見出され、フォワードに転向したことでポテンシャルが開花する。

 コンバートから2年後の2019年、大学を中退しKリーグ2(2部)のFC安養でプロデビューを果たすと、リーグ戦33試合14ゴール4アシストの活躍で得点ランキング3位に入り、年間ベストイレブンに選出。同年にUー23韓国代表にも選ばれ、2020年1月のUー23アジア選手権では優勝も経験した。

 そして、プロ2年目の2020年シーズンには当時Kリーグ1(1部)で3連覇中だった王者・全北現代モータースに移籍。デビュー戦となった横浜F・マリノスとのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ初戦では途中出場から1ゴールを決めた(結果は横浜FMが2ー1で勝利)。だが、国内屈指の選手がそろう全北現代では主力争いで遅れを取り、リーグ戦23試合4ゴール2アシストと満足のいく結果を残せなかった。

肉体改造を経てキャリアハイのシーズンを過ごす

[写真]=韓国プロサッカー連盟


 そこでチョ・ギュソンは、兵役義務遂行のため翌2021年から国軍体育部隊傘下のサッカーチームである金泉尚武への入隊を決意。以降、尚武で取り組んだ徹底的な筋力トレーニングによって5キロの増量に成功した。線の細さが目立った体つきもたくましくなり、コンタクトの激しいKリーグのDFにも当たり負けしないフィジカルを手に入れた。

 東京五輪ではUー24韓国代表落選も経験したが、直後に始まったカタールW杯アジア最終予選からA代表に初合流。そして今年2022年は、Kリーグ1で31試合17ゴール5アシストを記録し、得点王と年間ベストイレブンを受賞すると、FAカップでは出場4試合4ゴールで全北現代を優勝に導き、自身も大会MVPに選ばれた。まさにキャリアハイと言える1年間の活躍が、自身初出場となったW杯での飛躍につながったわけだ。

 韓国代表でW杯1試合2ゴールを決めた選手はチョ・ギュソンが史上初。現代表エースのソン・フンミンはもちろん、アン・ジョンファンやパク・チソンといった歴代のレジェンドも成し得なかった記録だ。そして、あともう1点を追加すれば、上記3選手が保持する韓国代表のW杯最多得点記録に並ぶことになる。

 ポルトガル代表とのグループステージ最終節は他会場の結果次第ではあるものの、逆転突破のためにも勝利は必須だ。2010年南アフリカW杯以来12年ぶり3回目のベスト16進出へ、若きストライカーが韓国中の期待を一身に背負っている。

文=姜 亨起(ピッチコミュニケーションズ)

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