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【ACLグループG展望|名古屋】大崩れしないチームスタイルは短期決戦向き

2021.06.22

[写真]=Getty Images

連戦ゆえに監督のチームマネジメントが重要に

■試合日程(日本時間)
6月22日(火) 23:00 対 ジョホール・ダルル・タクジム
6月25日(金) 19:00 対 浦項スティーラース
6月28日(月) 19:00 対 ラチャブリFC
7月1日(木) 23:00 対 ラチャブリFC
7月4日(日) 23:00 対 ジョホール・ダルル・タクジム
7月7日(水) 19:00 対 浦項スティーラース

 9年ぶりの参戦となる名古屋グランパスのAFCチャンピオンズリーグ序盤戦は、期待と不安が同等に入り混じる。

 開幕6連勝を含む10戦連続負けなしの記録、20試合ですでに14回を数える無失点試合の多さ、そして川崎フロンターレに次ぐ2位というリーグ戦での順位。ここまでの彼らが見せてきたサッカーは、間違いなく日本を代表するチームの一つとしての説得力を持つ。

 直近5月の成績はやや不安定さがあったものの、チームスタイルに少しのブレもなく、守備から始まる手堅い試合展開は一つの得点、一つの勝ち点の重さが変わるアジアの舞台では大きなよりどころにできるだろう。柿谷曜一朗ら新戦力のモチベーションも高く、「チームが勝つために」という意思統一から逆算した選手たちの判断基準は、粘り強さにもなってしぶといゲームを表現する。

 一方でクラブにとっては久々のACLで未知数な部分が多く、直前でチームの要である丸山祐市が負傷離脱してしまったことは大きな痛手と言える。選手層は昨季に比べれば厚みを増しているが、ここまでリーグで起用されたのが19人、天皇杯を含めても21人であり、計算できる戦力としてはやや数に不安が残る。中2日での6連戦という日程を戦い抜くにはローテーションが不可欠で、マッシモ・フィッカデンティ監督のマネジメントは見どころの一つだ。

 グループリーグの相手はジョホール・ダルル・ダクシム(マレーシア)、浦項スティーラース(韓国)、ラチャブリFC(タイ)と曲者ぞろいで、まずは初戦のジョホール戦にいかに入っていくか、そして折り返しのラチャブリFCとの2連戦をどうデザインしていくかは見もの。セントラル開催は同じ会場で同日に連戦を行うことがあり、後半戦では荒れたピッチへの対応も迫られることになる。

 名古屋にとって久々のアジアの舞台であり、相手の実力も計り切れないだけに、突破の可能性を探ることは非常に難しい。だがJリーグで上位に立つ実力に嘘はなく、大崩れすることの少ないチームスタイルは短期決戦にも強みを発揮するはず。日程を考えれば序盤3試合でどれだけの勝ち点を挙げられるかがポイントであることは自明の理で、Jリーグ前半戦で見せてきた勝負強さをもって、グループを牽引する結果を残していきたいところだ。

【KEY PLAYER】DF 4 中谷進之介

[写真]=Getty Images


 Jリーグの連続無失点時間記録を更新した堅守が売りのチームにあって、キャプテンでもある丸山の離脱をいかにして埋めるかは勝利への至上命題。バックアップの木本恭生、藤井陽也の奮起はもとより、おそらくはキャプテンマークを巻くことになる中谷進之介のパフォーマンスがチームの浮沈を握るカギになる。

 3月の初招集から連続してA代表にも名を連ねるセンターバックは対人守備とコーチングに定評ある正統派で、ディフェンスラインのローテーションでも中核を担う存在だ。

文=今井雄一朗

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