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“バルサトリオ”と呼ばれ、将来を嘱望された韓国人選手たちは今……?

2021.03.11

シント・トロイデンからポルティモネンセにレンタルされるも、いまだ出場機会のないイ・スンウ [写真]=Getty Images

 かつて将来を嘱望されたバルセロナ下部組織出身の韓国人選手が、キャリアの分岐点に立たされている。

 まず、“韓国のメッシ”と呼ばれたイ・スンウだ。シント・トロイデンで出場機会に恵まれなかった彼は、今年2月にレンタル移籍でポルティモネンセに加入。しかし、現在まで一度も招集メンバーにすら含まれていない。シント・トロイデン在籍時の昨年12月のリーグ戦を最後に、約3カ月以上も公式戦に出場していない状態だ。

 ドイツ2部のダルムシュタット所属のペク・スンホは、今冬にもKリーグの全北現代モータースに入団するはずだった。ところが渡西以前に、水原三星ブルーウィングスと「スペイン進出時の支援を要請する代わり、Kリーグ復帰時は水原三星への入団を約束する」と合意した過去の契約が発覚し、移籍が白紙となってしまった。

 現在は水原三星と交渉中というが、Kリーグ開幕戦で「恩知らずの人間より、恩を知る犬のほうがマシだ」とペク・スンホを批判するような横断幕が掲示されるなど、ファンの反応は否定的。ダルムシュタットでも戦力外とされていることから、進退窮まった状況だ。

 そして、過去に「イニエスタに代わる逸材」とも期待されたチャン・ギョルヒは最近、韓国でひっそりと再スタートを切った。

 彼は2017年のバルセロナ退団以降、アステラス・トリポリス(ギリシャ)や浦項スティーラースを渡り歩くも、トップチームでの出場歴はゼロ。2020年1月に浦項を退団して以降は無所属が続き、キャリアの存続も危ぶまれていた。

 ただ、今年2月に新天地がK3リーグ(3部)の平沢シチズンに決まると、3月6日のFAカップ1回戦で途中出場ながらトップデビュー。試合では決勝点となるPKも決めた。周囲よりはるかに遅いデビューとなったが、着実に第一歩を踏み出した。

 かつての“バルサトリオ”には伸び悩みが見られるが、バルセロナに見初められたその才能は確かなはずだ。再びトップの舞台で躍動する姿を見たいところである。

文=姜 亨起(ピッチコミュニケーションズ)

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