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プーチン大統領がプラティニに“袖の下”でピカソの絵画? W杯招致を巡る不正疑惑に新報道

2014.12.01

プラティニはプーチンからW杯投票の見返りにピカソの絵画を贈られたと報じられた [写真]=Getty Images

 2018年・2022年のワールドカップ招致を巡る票の“買収”疑惑を調査したFIFAの倫理委員会は11月中旬、重大な不正の証拠はなく、開催地変更は妥当ではないと結論づける発表を行った。しかし、FIFAの依頼で調査を仕切り、報告書を作成したアメリカ人弁護士マイケル・ガルシア氏は「不完全で、ねじ曲げられた発表だった」と直後に不満を表明しており、論争の火種は今なお消えずに燻っている。

 そして11月30日、英紙『サンデー・タイムズ』が新たな疑惑を報じた。

 今年6月にFIFAのカタール人理事の贈賄についてスクープを掲載したのを皮切りに、招致を巡る問題を継続的に追ってきた同紙が入手した最新の資料によれば、2016年大会のホスト国ロシアのウラジミール・プーチン大統領が、ロシアに投票する見返りとして、UEFA会長でありFIFAの理事でもあるミシェル・プラティニ氏に対し、高額かつ希少なピカソの絵画を贈ったという。

 現時点でUEFAは公式な声明を出していないが、プラティニ氏自身は賄賂として絵画を受け取ったことを強く否定しており、ロシア側の招致関係者も「サンデー・タイムズの報道はまったく根拠のないものであり、すべて否定する」と主張している。

 ただ、今回の記事が注目されているのは、『サンデー・タイムズ』に情報を提供したのが、英国の文化・メディア・スポーツ省であるという事実だ。

 イングランドは2018年の招致合戦でロシアに敗れており、英国政府やFAは当時から、ロシアが不正に“票を買った”ことを疑ってきた。その中で、文化・メディア・スポーツ省は民間の調査会社や英政府の秘密情報機関『MI6』の元メンバーなどの協力を得ながら、独自に情報を集めてきたという。

 先日、元FA会長のデイヴィッド・バーンスタイン氏は「ワールドカップをボイコットすべき」という極論まで述べて話題になったが、今後も英国では政府やFA、メディアが一丸となって招致を巡る不正を追及していくだろう。また、ヨーロッパを中心とした各国からは、FIFAが内容を公表していないガルシア弁護士の調査レポートを「全面公開すべき」という声も高まっている。

 この問題、まだまだ波乱がありそうだ。

(記事/Footmedia)

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