2014.05.30

ディ・マリア驚異的なハードワークの源…未熟児の愛娘のために

ディ・マリア
CL決勝後にピッチで愛娘と勝利を祝うディ・マリア(右) [写真]=Getty Images

 24日のチャンピオンズリーグ決勝。試合終了のホイッスルを聞くや否や、彼はピッチに顔を埋め、体を振るわせながら大泣きしはじめた選手がいた。敗れたアトレティコの選手ではない。この試合のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたレアル・マドリーのアンヘル・ディ・マリアである。

 既に多くの選手が疲労感を漂わせていた延長戦の後半5分、ディ・マリアは驚異的なキレとスピードでDF2人を抜き去ったドリブルからベイルの決勝点を生み出した。

 放出要員から不可欠なピースへ。今シーズンの彼は攻守を問わず90分間100パーセントの力を出し切る献身的なハードワークを貫くことでクラブの評価を覆し、監督の信頼を勝ち取り、スタンドから向けられる野次とブーイングを賞賛の拍手に変えてきた。

 この日も120分間全力で走り続けたディ・マリアのスピードは、ハードワークとインテンシティを信条とするアトレティコの選手たちをしても止められないものだった。

 なぜディ・マリアはそこまで走れるのか。妻のホルヘリナさんは先日、彼の無尽蔵のエネルギーがどこから来ているのかを納得させるエピソードを明かしてくれた。

 昨年の4月22日、ディ・マリア夫妻の間には待望の第一子が誕生した。しかし、帝王切開による早産で生を受けたミアちゃんは未熟児で、医師からは彼女の命が長くは続かないとの宣告を受ける。

「あなたのかわいい顔がケーブルや機械に囲まれているのを見る苦しみ、両手に何も抱かず、胸を苦痛でいっぱいにして家に戻る辛さを、パパと私以上に分かる人はいませんでした。感染して、輸血して、いったいあなたはどうなってしまうの? 私たちの枕は毎晩涙に濡れ、のどは詰まり続けました」

 だが2カ月にわたる集中治療室での戦いを乗り越え、ミアちゃんは両親の元へと辿り着いた。そして1年後の現在も元気に成長し続けている娘に対し、ホルヘリナさんはこんなメッセージを送っている。

「あれから1年が経過した今、あなたは健康で、強く、とても楽しい、そして戦うことで自分の命を勝ち取った女の子になりました。決して諦めてはいけないこと、強く望みさえすればこの世界はバラ色になることを私たちに教えるため、あなたはこの世界に生まれてきてくれたのです」

 決して諦めることなく、全力で戦い続けた末に幸せを勝ち取ったディ・マリア一家の物語は、もちろん6月のワールドカップ以降も続いていくはずだ。

文=工藤 拓

欧州リーグ順位表

マンチェスター・C
23pt
リヴァプール
23pt
チェルシー
21pt
欧州順位をもっと見る
ドルトムント
20pt
ボルシアMG
17pt
ブレーメン
17pt
欧州順位をもっと見る
バルセロナ
18pt
エスパニョール
17pt
アラベス
17pt
欧州順位をもっと見る
ユヴェントス
25pt
ナポリ
21pt
インテル
19pt
欧州順位をもっと見る