16日にFIFA(国際サッカー連盟)のゼップ・ブラッター会長が、試合中に人種差別的発言を浴びせられても、挑発行為として受け流すべきと発言したことに対し、ツイッター上でサッカー界から大きな批判が起こっている。
マンチェスター・Uのイングランド代表DFリオ・ファーディナンドは「試合終了後に、審判に暴言を吐いた選手が握手をしたら全て許されるのか?」として、発言を疑問視。さらに「サッカー界が人種差別に対して最も進んでいると信じていた僕がバカだったよ。差別が聞こえなかった時期はわずかだったね」と、 ブラッター会長の発した言葉に失望している。
リヴァプールなどでFWとして活躍したスタン・コリモア氏も、「サッカーファンや現役、引退した選手、監督、コーチたち。一緒にブラッターに辞職を迫ろう」とコメントし、人種差別に対して、毅然とした態度で臨むFIFAの会長としてはあるまじき発言と切り捨てた。
さらに、アストン・ヴィラのイングランド人MFジャーメイン・ジェナスは、「サッカー界の頂点に立つ人間が、こうも人種差別について無知だなんて! ブラッターが言っていることはとんでもないことだ」と発言。イングランド・チャンピオンシップ(2部)のドンカスター・ローヴァーズに所属する元フランス代表DFのパスカル・シンボンダも「ブラッターは、試合中に人種差別の暴言を吐いたヤツと握手をしろっていうのか? なんて世界にいるんだ、僕らは」と語り、総じてブラッター会長の発言に幻滅したことを表明している。
ブラッター会長は、発言は誤解されたとして声明を発表。FIFAの公式HP上に、「選手は試合中に相手選手と戦うことになるし、時には間違ったことも起こってしまう。しかし、普通は試合が終われば試合中の衝突を詫び、握手をする。試合が終われば、それで終了なんだ。サッカーをしていたものならば誰もがそうだし、何かのスポーツをやっていたならば知っていることだよ」というコメントを掲載し、決して人種差別は容認してはいないと釈明している。